
私にとって、永遠の憧れのブランドである「ランチア」。
私だけではなく、WRCにおけるデルタの活躍、そして、バブル期に輸入されたテーマの人気により、今でも、一部に根強いファンがいるブランドです。個人的にはプリズマとテーマが好きでしたが。(スーパーカー世代のストラトスもありますね。)
正規輸入が終了して久しいですが、並行輸入で歴代イプシロンが輸入され、そこそこ台数入るなど、正規輸入の要望が強いブランドであり、また、クルマだったのが「ランチア・イプシロン」だと思います。
そこで、輸入開始されたのが、何を間違ったのか「クライスラー・イプシロン」。
みんカラのブログでも、時々取り上げられることがあり、イギリス向けの右ハンドル車がクライスラーブランドだったため、日本向けもクライスラーブランドになったと、どなたかのブログで拝見したことがあります。
何かと気になるイプシロン、半年ぐらい前に一度、ディーラーに立ち寄った際に、試乗をお願いしたところ、目の前に試乗車があるにもかかわらず、「試乗には予約が必要」と言われ、すごすごと帰ってきたことがあります。
最近、在庫叩き売り中とのことで、「12月まで、イプシロン198万円」というバナー広告をネットでもよく見ます。
試乗するなら、年内がいい機会と思い、わざわざ、電話予約してディーラーに向かいました。
ディーラーまでは車で10分ほど、電話してすぐ到着。
駐車場で車から降りると、隣のミニのディーラーのお姉さんが近づいてきました。要件を伝えると、クライスラー側からおじさんが一人近づいてきて「お電話いただいた方ですよね!」と言われたので、これは、話が早いと思って、そのおじさんと会話するも、展示車の限定車「パープル」の話ばかりで、「お得ですよ!」とのこと。
※限定車「パープル」 内装は定番アルカンタラでした
しばらく話をしていると、そのおじさんが事務所に戻ってしまい、若い営業が代わりにやってきました。そのお兄さんも、試乗させてくれそうにないので、しびれを切らして(試乗車と思われる車の前で)「試乗車はありますか?」と聞くと、なんと!「ご試乗にはご予約いただく必要がありまして…。」との発言!
ちょっとキレつつ「事前に電話予約して来たんですが…。」と言うと、「電話で応対させていただいた者の名前はお判りでしょうか?」と言われたので、「○○さんです。」というと、○○さんと思しき人のところにそのお兄さんが走って行って、やっと話がつながり、試乗車が準備されました。
試乗のコースが、市街地を一周するだけだったので、クルマの印象はよくわからなかったのですが、イタ車(ブランド上アメ車?)経験に乏しい私にとっては比較対象は新型パンダだけ。
パンダとの比較では、パンダが見た目のとおり、のんびり、ゆったりした(ある意味、フランス車っぽい)乗り心地だったのに対して、締まった感じの乗り心地でした。
パンダでは、気にならなかった2気筒エンジンが、ランチア(クライスラー?どっちだ?)と思うと、ちょっと品に欠けるような印象がしました。
また、右ハンドル化の弊害が思いっきり出ていて、ペダルが右に(車両中心側に)相当オフセットされていて、シートはなかなか良かったのですが、腰をひねってペダルを踏む感じになるため、腰痛持ちの私にはちょっと辛い感じもしました。
また、ランチアといえば、昔はゼニア、昨今はアルカンタラの上品な内装というイメージですが、限定車以外のグレードは、上品ではありますが、「くーっ!いいねえ!」と思わせるほどのものではありませんでした。(限定車のパープルは、いかにもランチア!(クライスラー???)という内装でしたが。)
試乗して、また、やる気のないディーラーの応対を体験して、つくづく思ったのですが、このイプシロン、(ニューモデルマガジンXによると)フィアット500が売れていたため、結構売れるだろうと勘違いして、クライスラーブランドで相当数入れたところ、さっぱり売れず、現在叩き売り中とのことらしいですが、まさしく、輸入代理店であるフィアット・クライスラージャパンがランチアというブランドが何たるか全く理解せず、右ハンドルというだけでクライスラーブランドで輸入して、ランチアというブランドが何たるかを全く理解していないディーラーが「訳わからない車を押し付けられてしまった」と思って、全くやる気なく売っているという哀しすぎるクルマだと思います。
また、クライスラー&ジープのディーラーにやってくる顧客も、全くランチアが何たるか理解していないため、興味も示さないという三重の不幸が重なったクルマだと思いました。イプシロン自体には罪はないのですが。
帰るときに、私のカングーを見た営業のお兄さん、「この車は、何というメーカーの何という車ですか?」って言いましたから、アメ車とドイツ車ぐらいしか知らない営業しかいない店が、イタリアの名門ブランドの車を売っているんでしょうね。ランチア好きとしては、本当に悲しくなりました。
そういえば、試乗中も、試乗後も何度も「ランチアだったら、欲しいんですけどね~」と繰り返し言ったのですが、そのお兄さん、その意味を理解できているとは思えませんでした。
おそらく、今回のクライスラー・イプシロンの大失敗を受けて、フィアット・クライスラージャパンは、「イプシロンはだめだ。」と判断を下して、今後、イプシロンを輸入することはないんじゃないでしょうか?
それは、左ハンドルでも、ランチアブランドのイプシロンを入れるという判断すべきだったところを、誤った判断をした自分たちが「ダメ」だったにもかかわらずです。
イプシロン、現在、新車も大幅割引中。このディーラーの試乗車上がりの中古車は、158万円と投げ売り状態です。
この割引分の費用を使って、グリルとステアリングパッドとリアガーニッシュをランチアに交換できないんでしょうか?そしたら、一気に売れると思うんですが。
でも、これが、限定グレードのパープル以外の通常グレードの内装に魅力が欠けているんですよね。
これも、代理店がランチアというブランドの真価を理解していなかったからだと思うんですよね。
本当に、この「クライスラー・イプシロン」は、可哀想な車だと思います。
※隣接するミニのディーラーにあったくまモンミニ
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試乗(輸入車) | 日記
Posted at
2013/12/08 16:07:08