ドンカンリョク

帰りの電車

乗り込んで発車のチャイムが鳴ってドアが閉まりかけたところに
二人のスーツ姿の男性が並んで乗り込んで来た。

ドアは閉まりかけていたけれどデイバッグを背負いポケットに両手を突っ込んだまま
ドアに挟まれるのを意に介さず表情も変えず・・・

ドアはちょっとだけ開きかけてまた閉まりかけたところに同じいでたちの男性がもう一人
先の二人と全く同じ格好で、同じく表情一つ変えずドアを押しのけるようにして
乗り込んで来た。

その危険な行為と無表情さのアンバランスに何とも言えない不安感をおぼえたのだが、


家に帰ったらＴＶのニュースでは山手線で母親が乗り込もうとしたベビーカーをドアにはさんで
引きずった事故の報道をやっていた。

たしかにＪＲには充分注意して欲しいところではあるが、
実際のところ発車のチャイムが鳴って電車が動き出したとしても大勢の人達が
電車すれすれのところを平気で歩いている現状ではべビーカーが挟まれているのを
発見するのはかなり難しいだろう。

ＪＲが悪いと責めるのは簡単だけれど、発車のチャイムはそこそこ長いし
チャイムが鳴り終わってから｢ドアが閉まりま～す｣とかの放送があって
さらにちょっと間が有ってドアが閉まるのが普通だ。
（チャイムが鳴り始めてから時間をおかずにドアを閉めてしまったなら
　明らかな車掌のミス）

乗り込む時に挟まれたからには発車のチャイムが
鳴ってから乗り込み始めたのだと考えられる。

自分の子供のことを考えれば最初から無理な乗車をする神経が理解できない。
その電車を逃せば３０分も待つような田舎ではない
数分で次の電車が来る山手線。

自ら子供を危険にさらす選択をしているとしか思えないのだが。

事故になればＪＲに責任は有ると認められるであろうが子供の命が帰って来るわけでは
ないのだから、もう少し自己防衛のセンスも必要なのではないだろうか？
(スクナクトモコノオカアサンノコドモニハウマレタクナイ）