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先週から始まったジュネーブショーの報道を見ると
いよいよ時代が変わり始めるのかもしれないと思う

自動車メーカーの幹部が燃料電池車に対して
懐疑的な態度を明らかにしつつあるようだ

燃料電池車が一般に普及しないであろうことは
ちょっと真面目に調べれば出る結論で

第一の問題は電極に使う白金

現在の一般的なガソリン車にも触媒として使われているけれど
一台あたりの使用量は数グラム

それをキロ単位で使う

白金は文字通り貴金属だから
価格が高いのはともかくとして
地球上の白金の埋蔵量を全てそれに使ったとしても
燃料電池車に使うには
普及なんてレベルにはとうてい届かない台数分しか無い

第二の問題は燃料の水素

昔、燃料電池車が話題になり始めた頃に
私の大嫌いな自動車評論家がＴＶに出て
「水素は海水を太陽電池で電気分解すれば無尽蔵に手に入ります」
って言ってたけれど

地球は水の惑星と言えるくらいに水は大量に有るけれど
水は水素の燃えカスだ

大量に水が有るから水素がエネルギー源として有効というのなら
ＣＯ２が大量に有るんだから炭素を取り出して石油を作ろうってのと
同じ意味になる

効率の悪い太陽電池で水を電気分解するくらいなら
その電気を貯めておいてクルマを走らせた方がはるかに早い

「無尽蔵」って言葉は
エネルギーや資源の消費量が小さかったはるか昔には意味の有る言葉だったけれど
現在の地球環境では
有るには有るけど使い物にならないって意味に変わってしまっている
使える物は何年分とか何十年分とか消費限界が予測でき
使えないものだけが使われないから無尽蔵に残る

他にも色々々々々問題が有るのに
いつまでも燃料電池車を将来技術の頂点に据えていたのは
日本では政府の顔を立てていたのもあるけれど

それに替わる具体的な技術が無かったからだろう


農作物を大量に輸出しているアメリカは
バイオエタノールに傾注している
地味ではあるけど自国のエネルギーは賄えるのかもしれない


ヨーロッパでは
天然ガス車が再び表に出て来た
天然ガスは化石燃料ではあるけれど
地球上に広く分布していて埋蔵量も比較的豊富
ロシアやカスピ海沿岸から発電や都市ガス用に大規模なパイプラインを確保している

CO2の排出量という見方ではとりあえずガソリンハイブリッド並み
気体燃料だから燃料タンクが厄介で
スペース効率が悪くて航続距離が短めになりがちだけど
構造上ガソリンを併用することも可能


電気自動車もリチウムイオン電池のおかげで
シティーコミューター的に使うなら
かなり実用化の目処も付きつつあるようだが

リチウムは白金のような貴金属ではないにしろ
中国が一番の産出国だし
電池技術者がリチウムは海水に無尽蔵に含まれますなんて言い出してるから
やっぱりちょっと不安だったりする

資源の無い日本はどういう選択をするのだろうか？
いや、先ずちゃんと選択してくれるのかどうかが一番心配だ


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