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八方池の周辺

短い夏に向けて
高山植物が咲き誇っていた

冬は雪に覆われ
低音で日照時間も短い高地で咲く花を
哀れむ人も多いと思うが

植物学者に言わせれば
その植物にとっては最も快適な環境なだけ
ということらしい

たしかに他の植物よりも
ちょっとだけ低温に強ければ
他の植物と競争することもなく
地面にへばりつくほどの高さに葉を出しさえすれば

短い日照時間とはいえ太陽の光を満喫することができる

だから高山植物だからといって特別視をする必要なんて何も無い



とはいえ
汗だくになりぜぇぜぇと息を切らして
岩だらけの道を登って
周りを見る余裕も無く

次の一歩を踏み出す先に
こんな花がへばりつくように咲いているのを見つけたら
リクツ抜きで可愛い花に思えるし
高山植物は大事にしなきゃねって思ってしまうし

ガラにもなく
またそのうちにあの花を見に行きたいと思ってしまうものだね



注.写真の花が高山植物に分類されるものかどうかは知りません