えぼかぁごのブログ一覧

海鳥達の食事が終わる頃

定置網はかなり巻き上げられて
いよいよホタルイカを船に引き上げる


そのタイミングで
観光船の照明と漁船の作業灯が
一斉に消されあたりが闇に包まれる

遠くに陸の灯りと
漁船の計器の小さな灯りだけが目に入る


巻き上げられた定置網の
残された小さな面積の海面のさらに一部が
突然鮮やかに青く輝く

定置網からタモでホタルイカを掬いはじめたようだ

わぁっと観光船から歓声が上がる

急いでカメラを向けてシャッターを切るけど
シャッターが切れない

感度は事前にかなり上げてあったから問題は無いはずなのだけれど

暗闇に慣れた目には鮮やかに光って見えるとはいえ

元々弱い光だから
どうもピントが合焦しなくてシャッターが切れないらしい

合焦しなくてもシャッター優先にするのはどうやるんだったっけ？
と思ってカメラの背面ディスプレーのメニュー画面をチェックするけど
そういうメニューが見当たらない

仕方が無いのでズームレンズをワイド側に切り替えて
陸地の灯りや漁船の計器の灯りで合焦させて
何度かシャッターを切ってみたけどうまく撮影できないまま
数分で照明が点灯して撮影タイムは終了


オートフォーカスの切り替えレバーを
マニュアルフォーカスにすれば良かっただけなんだけど
それに気付いたのは陸に帰って来てから


リベンジしたと言えるかな？


眠いし寒いし
まぁリベンジその１は終了したということにしておこう

夕食後
ホテルにチェックインし
ちょっと話をして早々に床につき

携帯電話の着信で起こされたのは
午前２時半

ベッドサイドの時計のアラームが
鳴ったんだか鳴らなかったんだか

言い訳はおいといて


今回の旅のメインイベントは
一年前のリベンジ


昨年は悪天候で出港しなかった
ホタルイカ観光船

昨日の朝の雨は上がって
風も無いので出港間違い無し


ほたるいかミュージアムに集合し救命胴衣を渡されて
観光船に乗船

３時出港

見事に凪いだ海を沖合いに進むと
ホタルイカの定置網が有る

産卵のために深海から浅瀬に上がって来たホタルイカが
沖へ戻る時に網に入り込む仕掛けになっている

漁船が定置網を片側から巻き上げて行くにつれ
真っ暗な海の漁船の灯りめがけてたくさんの海鳥が集まって来ては
海面に上がって来るホタルイカをくわえては飛び去って行く


その時
やや暗闇に慣れた目には

まるで小さなスパークのような青い光が
海鳥の口元に光る


それはまるで
声を出せないホタルイカの
断末魔の叫びのようにも見えた