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三つ峠からの帰り

噂に聞いていたけど
来たことなかった
ほったらかし温泉に立ち寄る


甲府盆地の北斜面を駆け上がり
フルーツ公園を通り抜けたところ

途中で連なった数台の車両は
皆目的地が同じ

広い駐車場にはすでに数十台の車両

午前中から盛況みたい



入場が別の「あっちの湯」と「こっちの湯」が有って
最初にほったらかされていたちょっと小さめの「こっちの湯」は
１０時半からの営業で少し待たないといけないとのことで

ちょっと待って「こっちの湯」に一番乗りをすることに

待つ間に売店で天ぷらそばと温玉揚げで朝食

温玉揚げは半熟玉子を粗めのパン粉を付けて揚げたもの
ザクザクとしたコロモととろりとした玉子の食感がなかなか美味しい



食事を終えるとちょうど「こっちの湯」がオープン

甲府盆地を見下ろす露天風呂はたしかに絶景
たぶん日の出も夕日も夜景も楽しめそう



ただ
三つ峠から富士山を見て来た直後なので
頭だけの富士山ってのはちょっと・・・・・


甲府盆地からであれば
アルプスの山並みが見える方が好みなんだけど
ここからはアルプスは視界に入らない



料金は７００円だったけど
いまどき珍しくコインロッカーの１００円は帰って来ないし
ドライヤーも有料だし

何より
洗車難民になったばかりだというのに
客の出入りの激しい駐車場が未舗装ってのは耐え難いなぁ


次はアルプスが眺められる露天風呂でも探してみたい

三つ峠からの帰り

とりあえず温泉にでも寄って行こうと
ＮＡＶＩをセット

山梨側の温泉をセットしたら
御坂トンネルの旧道を
来た時とは反対方向へ抜けろという指示

なんとなく違和感を感じつつ
登山口からの細い道を下り
旧道に出て右折


旧道の峠付近には
「天下茶屋」という老舗の茶屋が有る
というかこの道にはそれしか無い

かつて太宰治が滞在し
「富士山には月見草がよく似合う」の碑が有るとか

たしかにこの店の前からの眺めはなかなか良い
クルマで来れる場所としてはという条件付きだけど

こんな景色のいいところが
こんなところに有ったんだねぇと写真を撮って

店が開いていれば「ほうとう」でも食べるのだけれど
残念ながら営業時間ではないらしい


店の脇から旧道のトンネルに入る

旧道のトンネルは
照明は無く１車線の幅しかないが
対向車もめったに来ないだろう

なんて思っていたら
トンネル内の漏れ出した水が
高さ最大２０ｃｍくらいの氷の塊になっていて
クルマが跳ね上げられて
危うく壁にぶつかるところだった



峠を抜けるとまたつづれ折りの道を下るんだけど
何故かカーブの部分だけに真っ白な厚い雪が残っていて
直線部だけは乾燥

カーブでパワースライドっぽいことや
タックインっぽいことをして遊びつつ
下まで降りて行くと

もう少しで新道に出るというところで
何故か工事通行止め

道が無い



ん～
そういえば昨晩
反対側から旧道に入る時
「天下茶屋までは行けます」とか電光掲示板に出ていたような

と思いだして
ちらりとＮＡＶＩを見ると
さっきとはルートの指示が違う

「こっちのルートは通れないからＵターンしてね」って
指示になってる

なんだそれ

知りませんでしたなら分かるけど
ここに近づいてから新しい情報を受信でもしたんだろうか


まるで
新しい撮影スポットに導いて
遊び場も教えてくれたような


分かっててやってんのか？

朝日が昇ったのを見届けたところで
カメラの予備バッテリーも
寒さで悲鳴を上げ
残量警告の状態となったので

荷物をまとめて一目散に下山


頂上を降りかけたところで
入れ替わりに二人上がって来た

ヘッドランプが不要な明るさになってから
登り始めて一番乗りって感じのタイミングだろうか

その後は下るにつれ
つづれ折りの道を曲がれば
誰かが登って来てるってくらいに
明るくなってからの登山者は多い



帰りはただ下るだけなので
約１時間で登山口へ

駐車場はすっかり満杯になっていた



クルマに戻ってザックを降ろし

一番上に着ていた防風用のヤッケを脱ぐと
パラパラと白いものが落ちた

赤いヤッケの内側は
一面真っ白に薄い氷の膜が覆っている

ネックウォーマーを口元にかぶせていたから
吐いた息がネックウォーマーに回った後に
ヤッケのフード部分に流れ
そこからさらに胴体部分まで流れ込み
そこで凍ってしまったらしい

氷はおそらく断熱効果を発揮して
頂上になんとか踏みとどまれたってところか

素晴らしい機能？



パジェロの排気管の下にも大きな氷の塊

今朝がた暖機した時に出て来た水が地面に落ちた後直ぐに凍ったようで
数ｃｍの高さの見事な氷筍になっている



服を着替えて靴も履き替えて
ようやく人心地がついたところで

無駄に山頂まで運んだコーヒーセットを取り出して
ザックの中でも殆ど凍りかけのペットボトルから水を絞り出し
バーナーでお湯を沸かし
熱～いコーヒーを胃袋に流し込んだ





さて
温泉でも寄って帰りましょ

朝日が昇り始めて
相変わらずの素晴らしいパノラマが
山頂を中心に広がった

東の空には朝焼け

南にはなだらかに広がる裾野の
端から端までをきれいに見せる富士山

西から北西にかけては
延々と連なる雪を頂くアルプス

木々にさえぎられて
視界が利かないのは北から北東方向のみ




富士山だけですら
普通の広角レンズ程度では収まりきれない

α５５のスイングパノラマでも
朝日と富士山を１枚に入れるのはかなり苦しい

１８０度以上のパノラマ撮影ができたなら
登る朝日と富士山と沈みかける月とアルプスが１枚に収まるところ




富士山だけならば
三つ峠からのライブカメラで見ることができて
これだけでも日々色々な時間帯で感動的な映像が見れるのだが

実際に山頂に立って
自分の目でここからのパノラマを見るのとでは
まるで次元が違う




到底写真には収まりきれないし
寒さのあまりに微調整なんてやっていられず
あちこちの方向を撮るのに三脚なんか使っていられず
高感度の手持ち撮影で画像も粗く
とりあえずシャッターを切ったというだけの写真だけれど
フォトギャラリーはこちら
その１
その２

６時前になると
東の地平線付近が白み始め
一部がぼんやりと赤く染まりだす

たぶん
東京近辺の空気が汚れているせいで
次第に赤が強烈に濃くなって行く

その赤い光を見つめているだけで
かなり暖まる気分



カメラのバッテリーを交換して
残量１００％を確認

さぁこれから本番
バッテリーはどこまでもつのやら