銀ぢ郎のブログ一覧

二十四節気の小寒です。
寒の入り

タイトル画像は、大学生の頃読みふけった本。
年末、J–WAVEで3時間番組を、楽しく著者の声を聴きました。

この本の中に、香港で安宿に泊まって、立ちんぼに「小寒」ってメモを渡されたくだりがあります。

そこから10数年、一時期職に溢れた私、NZへ1ヶ月行っていた事がありました。
飛行機はシンガポール航空を使ったので、シンガポール経由。
沢木耕太郎を気取って、予約も無しに安宿へ。
ストップオーバーを楽しみに行きました。

タクシーに安宿へ行ってもらう様に言うと「ノー、チープホテル、ルームスモール…」と言った後「クーニャン、クーニャンホテル、クーニャンクーニャンホテル」と言う。

イイんだ、金が無いから、と言うと渋々ホテルに連れて行ってくれた。

部屋は狭いが清潔で、ただのビジネスホテル。
不満はなく街へ繰り出した。
時間は17時、まだ陽は高い。

チャイナタウンやブギスジャンクション、ラッフルズのロングバーへ行って、当時やっていた「サントリーサタデーウェイティングバー、アバンティ」の紳士を気取ってシンガポールスリングス頼んだっけ。

帰るとホテルの周りの雰囲気が一変していて、怪しいネオン。
雨淑女…って書いてあった様な。
ホテル入り口辺りで、呼び止められる。
当然断る。

その後、ドアを朝3時ごろまで10分おきにノックされて眠る事が出来なかった。

朝8時過ぎ、朝食を屋台にお粥でも、と出かけると、女の子が小さなメモをくれた。

魚の肉片と揚げパンか載せて食べるお粥を食べ、お腹も満たされて、コーヒーを片手に公園で太極拳をする爺さんを見ながら、女の子にもらったメモを思い出す。

左のポケットからメモを取り出すと

「小寒」

と書いてあった。



沢木の本に書いてあったので意味を知っていた。
「ケチ」と言う意味らしい。
毎年、寒の入りに「小寒」の字を見ると、この景色を思い出す。