ようやく市場が上向きになってきました。証券取引所では株価の急激な反発上昇基調に色めきだっていますが、この乱調はもう少し根深いように思います。公的資金・・・つまり税金投入によって金融業界全体をバックアップする体制作りが始められていますが、それぞれの国が現実問題として、どの程度まで深く市場に介入し救済するのか/できるのか、まだ不透明な状態は続いています。アメリカ発のローン問題は、不良債権が各国にばら撒かれたことによって、世界中に飛び火する可能性を残してもいます。まあ、だからこそ協調体制での公的資金導入なワケですが。それに、金融業界だけを保護する、それも先見性に乏しい企業の乱脈経営を保護するという見方もできるわけで、納税者としてはあまり気分の良いものではないでしょう。国家財政への負担も大きく、ますます国民の福祉は削られる可能性が高まります。かといって、世界経済が低迷しては、徴税そのものが危うくなりますし。卵と鳥の関係ですね。市場には「神の見えざる手」が入るのだから、人々の暮らしは市場さえ守られていれば自然と安定・向上するのだとする市場原理主義的な発想も一方にはありますが。しかし現実的には、それは人が自らの心象や都合によって描き出した「手」であり、「テ」でもありますから、神様にとってはいい迷惑(笑)。しっかりと自分たちで管理してゆかねばならないこと、自由を担保しつつも最低限度は調整せねばならないことを、今回の件は改めて私たちに教えてくれているように思います。何はともあれ、経済が安定して成長してくれることを望みます。補足:修正が必要なか所を見つけました。(2008.10.15)「世界経済が低迷しては」→「有効需要を失い国民経済が低迷しては」