
採算のことばかりで申し訳ないのですが・・・。
夢のない話となってしまいますが、「たくさんお金をつぎ込んだのに、生み出される電気は少し。しかも維持費が半端じゃない」・・・となってしまったら、一般庶民の我々が導入するのは難しくなってしまいますよね。
採算性について考えるとき、太陽光発電の2つのあり方が考えられます。
そのひとつが、独立型発電です。
自給自足の発電方式で、太陽光パネルで作られた電機について(東電などの)企業との取引はありません。小型小資金でも始められる上、計画停電などの影響もありません。その代わり、企業に売電することはできませんし、太陽光発電に関する補助金も受けることができない、自然災害によって発電システムが壊れても自己責任になるというデメリットはあります。
もうひとつが、連携型発電です。
企業(東電)の電力システムと接続し、昼間は太陽光パネルで発電して余った電気を企業に売り、夜は企業から電気を買うというシステムです。一定の条件を満たせば補助金を受けることもできますし、企業に売電できますので、初期投資費用も回収してゆけます。自然災害を受けた際にメーカーのメンテナンス・保障を受けられる可能性もあります。ただし、計画停電の影響を受けやすく、また大型化しないと売電するのに十分な発電量を確保できないため初期投資が非常に大きいという問題もあります。
私は宮城に住む親友とのメールのやり取りの中で、実際にこれらが採算取れるのか試算していますが、いずれのシステムを用いても、思ったほどの利益を上げることは難しいということが明らかになってきました。
掲載のグラフをご覧ください。これは独立型発電システムを自身で構築した場合の採算をしめしています。台湾製200Wパネル2枚での試算ですが、残念ながら採算を取ることはできませんでした。むしろ20年間で16万5千円程度(2012年8月14日訂正)の赤字です。インバーターやコントローラーが20年間壊れないという、甘めの前提でおこなった試算にもかかわらず、です。
また、グラフにはありませんが、連携型発電で、年間予想発電量が約10,400kwで、初期投資が4,250,000円、20年間の売電額が約8,600,000円の場合を試算しましたが、毎月300kwを消費する家庭の場合、補助金を使っても、銀行に預金したのと同程度の利益であることがわかってきました。
むしろ20年間塩漬けになることを考えると、投資先としての魅力は薄いということができるでしょう。
やはり現在の発電効率の太陽光パネルでは、採算を取る/利益を得るのはかなり難しいようです。
むしろ現在導入する意味としては、危機管理の一環としてや、将来の子供たちが(その家に残るとして)電気に困らないように、あるいは、宅地/マンションの付加価値を高めるためとして設置するというのが現実的なように思います。
将来的には、技術開発の発展によって太陽光パネルを初めとする発電機器の製造コストが下がり、また発電効率の向上が達成され、誰でも・・・とまではゆかないかもしれませんが、太陽光パネルをより気軽に導入できるような社会環境が実現することを強く希望しています。
そのためにも、こうした技術開発にもっともっと資金と人材を投入し、社会全体でインフラ整備する必要があるように思います。
追記:
掲載画像に一部わかりづらい表記がありましたので、より改善されたものに差し替えさせていただきました。ご了承ください。(2012年8月24日)
Posted at 2012/08/23 21:37:48 | |
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