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Rosso Alfaのブログ一覧

2014年01月22日 イイね!

「ミニカーで辿るレーシングアルファの歴史」中間報告

車ネタが尽きて苦し紛れに始めたミニカーネタですが、振り返ってみると結構な数の記事を書いており、特にアルファに関してはもう少し頑張って穴を埋めていけば、戦前から90年代まで「ミニカーで辿るレーシングアルファの歴史」を完結させることが出来そうです。
今まで本や雑誌でこんな切り口の記事は見たことが無いので、この際完結まで頑張ろうと思い、完成後の姿を思い描いてみました。
なお、赤字のものは既にブログにアップ済みのもので、クリックすればその記事に飛べるようにリンクが貼ってあります

先ず本編として、
アルファGPカーの栄光と苦闘(仮題)
  ヴィットリオ・ヤーノの傑作GPカーP3を中心とした、戦前のアルファGPマシンの活躍と、メルセデスやアウトウニオンのモンスターマシンとの苦闘を紹介。
ルマン4連勝!!-Alfa Romeo 8Cの栄光(仮題)
  ルマンやミッレ・ミリアを席巻したヴィットリオ・ヤーノの傑作マシン8C 2300を中心に、戦前のアルファレーシングマシンの活躍を紹介。
F1創生期を駆け抜けた赤い稲妻(Tipo158/159 Alfetta)(仮題)
  戦後のF1創生期を席巻したTipo158/159 Alfettaの活躍を紹介。
小さな赤い宝石(Alfa Romeo Giulietta SZ)
最後のロードゴーイングレーサー(Alfa Romeo Giulia TZ, TZ2)
栄光のジュリア(Giulia GTA, GTA Jr., GTAm)(仮題)
  1960年代後半から70年代前半のツーリングカーレースを席巻したジュリアGTAシリーズの活躍を紹介。
神の造形(Alfa Romeo Tipo33/2 Stradale)
メイクス世界タイトル奪取への道(Tipo33 シリーズ)(仮題)
  打倒ポルシェを目指して1967年に開発されたアルファ初のミッドシップマシンTipo33/2が進化を続けて、1975年にTipo33/TT12で悲願のメイクス世界タイトルを獲得するまでの苦難の歴史を紹介
あまり陽の当たらないアルファですが・・・・(Alfa Romeo Montreal)
混迷の時代のレーシングアルファ(不遇なトランスアクスル アルファ達)
F1への復帰と挫折(仮題)
  1976年にブラバムへのエンジン供給という形でF1復帰して以来、オールアルファマシンでの参戦、1985年のF1撤退までの報われなかった戦いぶりを紹介。
迷走から復活の予感へ(アルファ155大活躍前夜の物語)
アルファの復活 その1(DTMで大暴れ)
アルファの復活 その2(BTCCでも大暴れ)
 
番外編として、
バロッコの守護神
  バロッコテストコースで使用されていたアルファの消防車を紹介。
裏方で活躍したアルファ達 その1(アルファのサポートカー達)
裏方で活躍したアルファ達 その2(アルファのトランスポーター達)

完結まではまだまだ長い道のりですが、ボチボチ穴を埋めていきますので、気長にお付き合い下さい(笑)


 また、アルファ以外の特集記事もこの際整理しておきますと、今までに以下のようなものを書いてきました。
ご興味があれば、お時間のある時にまた読み返してみてください。

美しきイタリアンレーシングボートの世界(その1)
  1/43スケールの美しいイタリアン クラッシック レーシングボートを紹介
美しきイタリアンレーシングボートの世界(その2)
  1/18スケールの美しいイタリアン レーシングボートを紹介
My best レジンモデル作品
  私の最高傑作作品1/12スケールMaserati Tipo 61 Birdcageの紹介
Team Lotusの小間使い
初荷~!!
  1970年代後半から80年代前半のTeam Lotusでサポートカーして使用された、ホンダの軽トラTN360の紹介
Nardiの双胴ルマンカー
  ステアリングホイールで有名なナルディーが開発した、特異な双胴レイアウトのルマンカーNardi Bisiluroとそれを運搬するFiat 1100/103TVの紹介
スペインの宝石ペガソ(Pegaso)
  1950年代のスペインに突如として現われ消えていった超弩級スポーツカーPegaso Z-102とそのレーシングカー、それらを運搬する美しいトランスポーターを紹介
2013年11月29日 イイね!

最後のロードゴーイングレーサー(Alfa Romeo Giulia TZ, TZ2)

最後のロードゴーイングレーサー(Alfa Romeo Giulia TZ, TZ2)前回の記事でご紹介したGiulietta SZは、プライベートドライバーがZagatoに依頼した改造車SVZが発端となって誕生した車でしたが、SZのデビューとほとんど同時期の1959年から、アルファの正式プロジェクトとして新しい本格的レーシングGTの開発がスタートしました。
今回はその結果生まれたGiulia TZシリーズについてご紹介しましょう。



Giulia TZ
SZが量産車ジュリエッタのシャシーを利用したものであったのに対して、TZは重量わずか60kgの専用鋼管スペースフレームを持った、より高度で本格的なコンペティションマシンであり、この鋼管フレームにちなんでTZ(Tubolare Zagato)と呼ばれることになりました。


足回りもSZから進化し、ブレーキはドラムから4輪ディスク(リアはインボード配置)に、サスペンションも後輪リジットから専用設計のフロント・リアともダブルウィッシュボーン/コイルの4輪独立懸架になっています。


ボディーはSZと同様にZagatoがデザイン・製造した軽量アルミボディーで、SZ2でその空力有効性が実証されたコーダ・トロンカ(Coda Tronca)をさらに進化させたものになっています。








エンジンはジュリア用の1570cc 直4 DOHCエンジンを流用していますが、後にGiulia GTAにも用いられることになるツインプラグヘッド、2基の45DCOEウェーバーキャブ、圧縮比9.7へアップ等により、市販状態でDIN表示112hp(レース仕様では160hp位)の出力を発揮し、660kgの軽量ボディーと相まって216Km/hの最高速を誇りました。


重心位置を出来るだけ下げるため、エンジンは排気側に約18°傾けて搭載されています。


ダッシュボードの中央にまだちゃんとスピードメーターが付いている所がロードゴーイングレーサーですね。


以上のように、TZはGiuliaの名称は付いていますが、エンジン以外はジュリアとは何の関係もない純コンペティションカーといえます。
TZの生産モデルは1963年に完成し、3月のジュネーブショーでデビューしました。
GTとしてFIAの認定を受けるためには、この量産し難い車を連続した12ヶ月間に100台以上製造する必要がありますが、ボディーの製造はZagato、組立は後にアルファのレーシング部門を担うことになるAutodeltaが担当という分業体制で、1965年までに112台のTZが製造されました。




当時はまだアルファがワークス活動を行っていなかったので、プライベーターによりレースに参戦しましたが、セブリング12時間、デイトナ24時間、ルマン24時間、ニュールブルックリング1000km、タルガ・フローリオ等でクラス優勝を果たし、ツール・ド・コルスのようなハイスピードラリーでは総合優勝さえ遂げるなど、GT1.6クラスでは無敵の強さを誇りました。
但し、当時の国際格式のレース(FIA国際マニュファクチャラーズ選手権)は、Div.1(1L以下、64年以降1.3L以下)、Div.2(2L以下)、Div.3(2L以上)の3クラスにそれぞれチャンピオンシップを与えるという規定であり、2L の車特にミッドシップのPorsche 904という強敵と争わないといけないというハンディがあったため、チャンピオンのタイトルを獲得することはできませんでした。








以前「初めてのタイピン、初めてのミニカー」というタイトルの記事の中で、私が幼いころに初めて買ってもらったミニカーFerrari Dino 246SP(仏Solido社製)のことを書きましたが、その次に買ってもらったミニカーがこの伊Politoys社のTZです。
もちろん当時はTZという車のことは全然知らず、その形とガバッとボンネットが開いてエンジンが見える所がカッコいいと感じて買ってもらったと思うのですが、当時からちゃんとアルファの血が流れていたようです(笑)






もっと現代的な1/43ミニカーとしては、伊Best社から色んなレースに出場したTZが発売されていますが、私が所有しているのは、以下の2台です。

Giulia TZ, #53 Jim Kaser/ Chuck Stoddard, Sebring 12hrs 1964
1964年のセブリング12時間にScuderia Saint Ambroeusから出場し、総合13位、GT1.6クラス優勝を遂げた車です。




Giulia TZ, #57 Roberto Bussinello / Bruno Deserti, Le Mans 24hrs 1964
1964年のルマン24時間に、同じくScuderia Saint Ambroeusから出場し、総合13位、GT1.6クラス優勝を遂げた車です。




何度も登場していますが、Scuderia Saint Ambroeusのトランスポーターとのショットです。



Giulia TZ2
TZの競争力をさらに高めるため、より低く軽量なFRPボディーを持ったTZ2が開発され。1965年から実戦投入されました。
ボディーだけでなく、シャシーももはや時代遅れになった15インチホイールの細いタイヤからワイドな13インチタイヤの使用を前提としたものに変更されています。
エンジンもさらに搭載位置を下げるためにドライサンプ化され、より高出力化(170hp)が図られており、TZよりさらに40kg軽量化された620kgのボディーを245km/hの最高速まで引っ張ることが出来ます。

少々腰高でころんとした印象のTZに比べて、地面に伏せて獲物を狙う猛獣のような低く精悍なTZ2はめっちゃカッコイイですね。
















TZ2はわずか12台のみが製造されましたが、TZと異なり市販されることなくAutodeltaによるワークス体制でレースに使われました。
しかし、すでにミッドシップの時代に入ったレースの世界では、熟成の進んだPorsche 904やその発展型906に対抗するのはなかなか難しく、あまり目立った戦績を残すことはできませんでした。






Giulia TZ2, #41 Roberto Bussinello/ Jean Rolland, Le Mans 24hrs 1965
1965年のルマン24時間にAutodeltaから出場し、217ラップでリタイアに終わった車を再現した、伊BBR製の1/43ミニカーです。
さすがにハンドメイドミニカーの雄BBRの製品だけあって、なかなか良い出来です。




Giulia TZ2, #48 Enrico Pinto/ Carlo Zuccoli, 1000 km Monza 1966
1966年のモンツァ1000kmにAutodeltaから出場しリタイアに終わった車を再現した、同じく伊BBR製の1/43ミニカーです。




以前の記事でもご紹介した、当時のAutodeltaのトランスポーターやサポートバンとのショットです。



おまけとしてTZ3
時は流れて2010年、ドイツのアルファロメオ・コレクター、マルティン・カップ氏の依頼によりZagotoが製作したワンオフのレーシングカーに、アルファ創業100周年を記念してTZ3 Corsaという名が与えられました。
オリジナルシャシーにマセラティ用の4200cc V8 420hpエンジンを搭載し、往年のTZを思わせるロングノーズ、コーダ・トロンカテールのアルミボディーを架装しています。




翌2011年には、公道バージョンのTZ3 Stradaleも発表され、9台が製作されました。
ベースは、フィアットと提携しているクライスラーのダッジ・バイパーACRで、V型10気筒8400ccエンジン(600馬力)を搭載し、往年のTZ2を思わせるCFRP製のボディーを架装しています。
いずれの車も、Zagatoのチーフデザイナー原田則彦氏の作品です。


どちらの車もなかなか美しいですが、個人的にはStradaleの方が好みかな。


いずれも、伊MR Collection (Look Smart)から1/43ミニカーも発売されています。
TZ3 Corsa (2010)




TZ3 Stradale (2011)




現在のレーシングカーは、完全にサーキットのみに特化し、ロードカーとは全く異なる特殊な車となっていますが、TZの頃まではロードカーとレーシングカーの境界はまだ不明瞭で、一般公道を走ることも可能な車でありました。
そういう意味では、TZ, TZ2はFerrai 250 GTOと並んで、古き良き時代の終わりを告げる最後のロードゴーイングレーシングカーということが出来るでしょう。

その後のアルファは、大成功したGiulia GTAによるツーリングカーレースに注力すると共に、ポルシェに対抗できる2L ミッドシップ レーシングカーTipo 33の開発に励むことになりますが、そのお話はまた別の機会に・・・・。
2013年11月22日 イイね!

小さな赤い宝石(Alfa Romeo Giulietta SZ)

小さな赤い宝石(Alfa Romeo Giulietta SZ)前回の記事で、私の一番好きな絶世の美女Tipo33/2 ストダラーレをご紹介しましたが、これより少し前のZagatoとのコラボ作品Giulietta SZやGiulia TZ, TZ2も私の大好きなアルファ達です。
8頭身美人のTipo33とはちょっと違って、トランジスタグラマー(死語?(笑))な彼女達もなかなか魅力的な良い形をしています。

今回はその中から、小さな赤い宝石Giulietta SZをご紹介しましょう。

SZはGiuliettaのシャシーにZagatoお得意のアルミボディーを架装したコンペティションカーですが、最初から計画されたものではなく、瓢箪から駒的に生まれた車でした。
SZの物語は、1956年のミッレ・ミリアに出場したブリオーロというドライバーが、このレースでクラッシュして大破させてしまったGiulietta Sprint Veloceを修復のためZagatoに持ち込んだことから始まります。

Zagatoは単に元通りの形に修復するのではなく、お得意のアルミボディーに置き換えることにより、オリジナルより空気抵抗が少なく150kg近く軽量化した車に仕上げました。
エンジンも有名なチューナーのコンレロ(Conrero)によりチューンナップされたこの車は、その後のレースで活躍して一躍注目を集め、5年間で17台がZagatoの手により改造されました。
正式なアルファのカタログモデルではなく非純正の改造車ですが、これらの車は後にGiulietta SVZと呼ばれています。
SVZはオーダーメイドの注文生産品なので、Giulietta Sprint Veloceの面影を残したものから後のSZに似たものまで車ごとに形は色々違うようです。










このSVZの活躍に注目したアルファが、GiuliettaのコンペティションモデルとしてZagatoに正式に発注して造らせたものが1959年にデビューしたGiulietta SZです。
SZはSVZと違ってSprint Veloceではなく、よりホイールベースの短いSpiderをベースにしており、Sprint Veloceの880kgから785kgまで軽量化されています。
また1,290cc 直4 DOHCエンジンも、Sprint Veloceの90hpから100hp(コンレロチューンのレース仕様は120hp)にパワーアップされており、高い戦闘力と200km/hの最高速を誇りました。

まさにイタリアの小さな赤い宝石といえる美しい姿ですね~。
特に前期型の丸いお尻は、思わずナデナデしたくなる可愛さです。


















1961年までに約210台作られたSZの内最後の約30台は、さらに15kgの軽量化を図り、空力特性改善のためフロントオーバーハングとリアエンドを延長し(全長3,800mm→4,060mm)、コーダ・トロンカ(Coda Tronca)と呼ばれる断ち切られた形状のテールを持つ後期型です。
これにより、最高速が220km/hまで向上したといわれています。
性能は後期型の方が良いかもしれないけど、個人的には思わず触りたくなる可愛いお尻の前期型の方が好みだな~。














Giulietta SVZ, #36 Georges Ubezzi/ Eric Catulle, Le Mans 24hrs 1958
SVZのミニカーはTronからいろいろな車体のものが発売されていますが、私が持っているのは、この1958年のルマンにコンレロから出場しリタイアに終わった車です。




Giulietta SZ, #44 "Kim"/ Alfonso Thiele, Targa Florio 1960
SZ前期型のミニカーの決定版は、Tipo33/2ストダラーレの記事でもご紹介したTechno Modelのレジンハンドメイドモデルです。
最初に発売されてから20年くらい経つミニカーですが、Tipo33/2と同様小さな宝石のような素晴らしい出来です。
私が所有している物は、主にアルファを使って活躍した有力プライベーター スクーデリア・セント・アンビュロス(Scuderia St. Ambroeus)から1960年のタルガ・フローリオに出場した車(7ラップ目にリタイア)を再現しています。




1/43にしては珍しくボンネットが着脱式で、エンジンもちゃんと再現されています。




Giulietta SZ, #16 Renzo Sinibaldi/ Claudio Castellano, Targa Florio 1962
量産ダイキャストミニカーとしては、Bangからもなかなか良い出来のSZが発売されています。
私が所有しているのは1962年のタルガ・フローリオに出場した車(結果はリタイア)です。




Giulietta SZ, #39 Giancarlo Sala/ Marcello de Luca, Le Mans 24hrs 1962
プロバンス・ムラージュ(Provence Moulage)のレジンキットを組んだこのSZ後期型のミニカーは、Scuderia St. Ambroeusから1962年のルマンに出場し、10位でフィニッシュした車を再現しています。




Giulietta SZ, #34 Giancarlo Sala/ Romolo Rossi, Le Mans 24hrs 1963
このダイキャストミニカー(Metro製)は、翌1963年のルマンに同じくScuderia St. Ambroeusから出場した車(165周目にリタイア)ですが、盾のグリルが無くFerrari 250GTOのようなノーズ形状をしています。




前にもご紹介しましたが、Scuderia St. Ambroeusのトランスポーターとのショットです。


Giulietta SZ, #35 Giampiero Biscaldi / “Kim", Le Mans 24hrs 1963
上の#34と一緒に出場し、同じくリタイアに終わった車です。




SZは60年代初頭の色々なレースで活躍し、アルファのスポーツイメージの向上に大きな貢献をしました。そして同じくZagatoが製作した後継車Giulia TZにバトンタッチするわけですが、そのお話はまた次回に・・・・。
2013年11月17日 イイね!

神の造形(Alfa Romeo Tipo33/2 Stradale)

神の造形(Alfa Romeo Tipo33/2 Stradale)アルファに限らず古今東西の車で好きな車は色々あるのですが、世界で一番好きな車は何かと問われたら迷うことなくTipo33/2ストラダーレと答えます。
Tipo33/2ストラダーレは、打倒ポルシェを狙ってアウトデルタが開発した2L以下クラスのGr.6レーシングカーTipo33/2のドライブトレインに、フランコ・スカリオーネ (Franco Scaglione)がデザインした世にも美しいアルミボディーを架装したロードバージョンです。
細かい話は後にして、まずは1967年から69年の間に僅か18台だけ製造された、この珠玉のスポーツカーの実車写真をお楽しみください。
どこから見ても完璧な美しさの、まさに神の造形です。






















Tipo33/2のシャシーは、φ200のアルミチューブを組み合わせたH型フレーム(サイドチューブ内は容量100Lの燃料タンク)を基本に、その前方にフロントサズやステアリングギアボックスを取り付けるためのペリメーターフレーム(鋳造マグネシウム合金製)とオイルクーラーやラジエターを支えるパイプフレームを取り付け、後方にサイドチューブを内側に曲げながら延長したような鋳造マグネシウム合金製のフレームを取り付けてエンジンやリアサスを支える、という構成になっています。
なお、これらの鋳造マグネシウムフレーム部品はカンパニョーロ製のようです。
ストラダーレのシャシーも、ホイールベースを伸ばすため100mm延長されていることと、チューブの材質がアルミからスチールに変更されていること以外は基本的に同一です。




コンペティションマシンのボディーはFRP製のようですが、ストラダーレの方はカロッツェリア・マラッツィの職人がアルミ板から叩き出したものです。

エンジンは、コンペティションマシンと同様90°V8 1995cc DOHCエンジンをミッドシップに搭載していますが、270hpから230hpにディチューンされています。
重量はコンペティションマシンよりは重くなっていますが、それでも700kgしかなく、空力的なボディーと相まって260km/hの最高速を可能にしています。






ストラダーレには、豪華な内装のデラックスモデルと、よりスパルタンなライトウエイトモデルがあったようですが、この写真はデラックスモデルのインテリアのようです。


Tipo33/2ストラダーレのミニカーは、1/43ではMinichampsとM4から、1/18ではAUTOartからダイキャスト製のものが発売されていますが、私が最も好きなのはこのTechno Modelのレジン製ミニカーです。
最初の発売は20年位前だと思うのですが、今でもこれが決定版だと思います。
プロプーションや塗装もばっちりだし、特にウインドウ周りの繊細な感じが実車のイメージを上手く再現していて、実車と同様何時まで見ても見飽きない珠玉の一品です。





話のついでに、Tipo33/2のコンペティションマシンの方も簡単にご紹介しておきましょう。

Tipo 33/2 Fleron, #66 Roberto Bussinello/ Nanni Galli, Sebring 12hrs 1967
最初に実戦に投入された潜望鏡のようなエアインテークが特徴的なTipo33/2は、デビュー6日後にベルギーのフレロンで行われたヒルクライムレースで優勝したことから、Fleronと呼ばれています。
丸っこいノーズが高速でリフトを発生させるという空力的な欠陥があり、フレロン以降のレースでは目立った戦績を残すことはできませんでした。
Provence Moulageのレジンキットをアマチュアモデラーが組んだこのミニカーは、1967年のセブリング12時間レースにアウトデルタから出走し、リタイアに終わった車です。




Tipo 33/2, #26 Andrea de Adamich / Nanni Galli, Mugello 1967
1967年7月のムジェロのレースから、空力的な改善を図ったバージョンが投入されましたが、はかばかしい戦果は得られませんでした。
MG Model製のこのミニカーは、このムジェロのレースでリタイアに終わったマシンを再現しています。




Tipo 33/2 Dytona, #20 Udo Schütz/ Nino Vaccarella, Dytona 24hrs 1968
翌1968年型は、100kg近く軽量化を果たしたクーペボディーのマシンで、フロントに有ったラジエターとオイルクーラーをボディー両サイドに移し、空力的な改善も施されています。
世界スポーツカー選手権の初戦デイトナ24時間レースで総合5位、クラス優勝を遂げたことから、Dytonaという呼称が付きました。
Best製のこのダイキャストミニカーは、上記のデイトナでクラス優勝したマシンを再現しています。




Tipo 33/2 Long Tail, #39 Ignazio Giunti / Nanni Galli, Le Mans 24hrs 1968
1968年のルマンで総合4位に入賞した、ロングテールのTipo33/2を再現したミニカー(Best製)です。




Tipo33はその後、総合優勝を狙うべく3L V8エンジンを搭載したTipo33/3、F1 エンジンと同様の3L水平対向12気筒エンジンを搭載したTipo33/TT12へと進化し、1975年に悲願のメイクス世界タイトルを獲得するのですが、そのお話はまた別の機会に・・・・。
2013年11月15日 イイね!

あまり陽の当たらないアルファですが・・・・(Alfa Romeo Montreal)

あまり陽の当たらないアルファですが・・・・(Alfa Romeo Montreal)アルファロメオ モントリオールは、ベルトーネが製作したプロトタイプが1967年のモントリオール万博に出品されたのにちなんで名付けられました。
のちにカウンタックやストラトスをデザインしたマルチェロ・ガンディーニ(Marcello Gandini)がデザインしたこのプロトタイプは、ジュリア スプリントGTのシャーシーと1,600ccエンジンを流用した2+2クーペです。





3年後に登場した市販車は、ジュリア1750/2000GT系のシャーシーをベースに、Tipo33/3プロトタイプレーシングカーの3L V8エンジンをディチューンした、2,593cc V8エンジン (230PS/6,500rpm、27.5kgm/4,750rpm)が搭載され、当時のカタログモデル最速の最高速度220km/hを誇りました。
日本に輸入された車が大卒初任給4万円の時代に770万円したそうなので、現在なら3~4,000万円級の超高級スポーツカーといえます。












モントリオールは1970年~77年の間に約4,000台生産されましたが、商業的には成功したとは言えないし、アルファのフラッグシップカーの割には何故か人気もイマイチで陽のあたらない可哀相な存在です。
当時日本では空前のスーパーカーブームで、モントリオールも一応スーパーカーの一員として紹介されていましたが、あくまで主役のカウンタックやフェラーリ365BB などの引き立て役というか刺身のつま的な扱われ方だったような気がします。

あくまで個人的な見解ですが、モントリオールが不人気な原因はスタイリングがビミョーなせいではないかと思います。
かっこ悪くは無いんだけど、あの天才ガンディーニの作品にしては、ミウラのような完璧な美も無いし、カウンタックやストラトスのような車の概念を超越したような突き抜けた美もなく、なんか平凡で凡庸な感じがするので受けないのではないでしょうか?

私の中でもモントリオールはあまり魅力的ではないアルファの方に分類されていたのですが、6年位前にたまたまヤフオクで入手したBBRのミニカーを見て少々考えが変わりました。
これは20年位前にBBRから発売された” Alfa Romeo Montreal London Show 1973”という1/43ミニカーです。
CG1973年3月号に掲載されているLondon Racing Car Showの紹介記事にこの車が載っていますが、アウトデルタがこのショーに出品したGr.4仕様のモントリオールで、エンジンが3Lに拡大され370ph・9,000rpmまでパワーアップされているようです。




さすがアルファの一員だけあってレース装束に身を包んだモントリオールはなかなか精悍でかっこいいです。
英国で展示されたのでブリティッシュ・レーシンググリーンに塗ったのかもしれませんが、濃緑の塗装も凄みを感じさせます。








モントリオール君ごめんネ!
今まで気が付かなかったけど、
君は結構カッコよかったのね~!!

プロフィール

「4Cで広域農道攻めてたら、ミッションのオーバーヒート警告が出て(ミッション油温計は130℃😱)セーフモードに入ってしまい、パドル操作を受け付けなくなった😰 クールダウンして再始動したら正常に復帰したけど、暑過ぎです😓」
何シテル?   07/13 16:41
セクシーな赤いイタリア娘をこよなく愛するRosso Alfaです。 ちょっと古めのレーシングカーとそのサポートカー、トランスポーターのミニカー収集も趣味の一つ...
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