可能性は霧の中

可能性は無限大だ。

馬鹿なことをいうな。

この有限の存在の人間。地球をバレーボールにたとえれば、大腸菌に過ぎない人間の

能力の何が無限大か。

お釈迦さまの手のひらでもてあそばれる孫悟空を知れ。



某大衆紙の大手予備校がガラス張りの自習室を作ったところウケているとか。

その見出しが、可能性は無限大。



実際は、目の悪い人間が、ただ視覚だけに頼って、その霧に包まれた未来の行く先を知らず、無限だと思い込んでいるだけ。

ある人はその先少しにとても越えられない壁あることを知ったり、

あるものはその先の大きな崖に気づかず転落したり。



人間とはこうしたものだと、なぜ若人に解いてやらないのか。

経験から知っているくせに。



絶望は死に至る病とも知っているから？



いやいや、若人はたとえその事実を知っても、いや知るからこそ、

打ち破ってやろうと野望を抱くものなのだが。



若人に根拠なき安楽を与えるな。