
東京消防庁 消防防災資料センター(東京都新宿区)
消防の歴史や活動 装備品などを展示している博物館です
東京メトロ・丸ノ内線「四谷三丁目駅」2番出口に直結してます

博物館は四谷消防署と併設
国道20号線 新宿通りに面してます

入場は無料ですが 受付にて入館証を渡されます 帰る際には返却します
案内のリーフレットはもらえます

1階 エントランス
馬牽き蒸気ポンプ (1899年)
馬車に蒸気で作動するポンプを載せ現場に急行
石炭で火をおこし放水に必要な蒸気圧力が得られるまで約20分かかりました
出力 20馬力
最大加圧 17kg/平方センチメートル
放水量 1000L/分
放水距離 45m

シュド・アビアシオン アルウェットⅢ (1967年)
東京消防庁に航空隊が出来たのが1966年
その翌年 フランスのシュド・アビアシオン社(現 エアバス・ヘリコプターズ)から
1号機を購入 「ちどり」と命名
空からの人命救助 消火活動 人員や資材の輸送
現場映像の電送 救急患者搬送などで活躍しました
搭乗人員 7人
出力 550馬力
最高速度 210km/h

いすゞ・メッツ 梯子自動車 (1925年)
いすゞ製バスシャーシにカール・メッツ社の梯子を搭載
路面が傾斜してても梯子を水平に伸ばせる
制御装置が組み込まれてて安全性に考慮
梯子は木製 動作は機械式
現在の油圧式よりも伸ばす速度は速いそうです
出力 135馬力
最高速度 75km/h
全伸長 24m

トヨタ 救急自動車 (1988年)
高規格救急車が導入されるまで標準的な救急車として活躍
消防車と同じサイレン音だった「ウー音」が搬送中の傷病者や
沿線住民の騒音軽減のため「ピーポー音」に変わったのは1970年から
搭乗人員 8人
出力 88馬力
排気量 1998cc
トランスミッション 4AT
3階 現代の消防
消火 救助 救急の活動を映像や模型により知ることが出来ます

黄土色の防火服はポンプ隊員用
左:酸素呼吸器と 右:空気呼吸器
空気呼吸器は消火活動の際に使用する
ボンベの中身は圧縮空気です
酸素呼吸器は
呼吸が循環されていて
吐いた呼吸の炭酸ガスを浄化し
小型ボンベより不足した酸素を補うもの
大きく重いけど空気呼吸器より活動時間を長く出来ます

ホースにつなぐ菅鎗(かんそう)
先端に付ける各種ノズル
霧状に拡散し放水する噴霧ノズル
先端が絞ってあり遠くまで棒状に放水するスムーズノズル
持ちやすいピストルグリップ(ガンタイプ)ノズル
少量の水量で霧状に放水し水損を防止するフォグガン
高圧大量放水の放水銃 など

建物に破壊・侵入する際に使用する
バール
(のようなもの)
斧
クリッパー
投光器など
黒色防火服にゴールドのヘルメットは
特別消火中隊
北海道苫小牧の石油タンク火災や栃木県黒磯のブリジストン工場火災など
近年 火災形態が複雑・特殊になり消火活動が高いリスクを伴い困難さを増している
こうしたことから東京消防庁は消火体制を強化し
専門的知識や技術を有する隊員と高機能で先進的な機械を集中的に配備した
特別消火中隊(A-one Fire Unit)の配置を進めています
現在 特別消火中隊は東京消防庁にしかありません

特別救助隊(レスキュー隊)
火災 交通事故 労災事故 自然災害などから
人命救助活動を主な任務とする専門部隊
高度な専門知識と救助技術を備えたエリート達により構成
暗い中でも目立つオレンジ色の「救助服」は消防官の憧れだそうで
救助資機材を積んだ専門の救助工作車を装備
セントバーナード犬の紋章を付けてます
救助資機材
手動の可搬式ウィンチ
隙間に挿し込みこじ開ける油圧・電動スプレッダー
車のピラーやハンドル 建物の鉄筋などを切る油圧カッター
ストライカー
5種類の先端歯先を交換することで
コンクリートや錠前の破壊 自動車や建物のドアや窓をこじ開けたり破壊したりする
ロープ降下などに使用するカラビナなど

救急隊員
救急救命士
かつては「救急隊員は医師でないため医療行為を行うことはできない」
という法律により救急搬送時の医療行為が一切禁止されていました
しかし目の前で苦しんでいる人間がいるのに法の壁によって
手を差し伸べることができず苦悩する現場救急隊員の実情などが
テレビで放映されたり消防庁の職員が雑誌などに投稿し世論が動き
1991年 「救急救命士法」が制定されました
救命器具類
血圧計 聴診器
のどに物が詰まってないかを確認する喉頭鏡
点滴セット
気道確保用器具 エアウェイ ラリンゲアルマスク
自動体外式除細動器(AED)
人工呼吸器
自動式心マッサージ機
酸素マスク
下肢に圧力を与え下肢への血流を止めることにより
主要臓器を守る「ショックパンツ」 など

アエロスパシアル AS365N1 ドーファンⅡ
フランス アエロスパシアル社(現:エアバス・ヘリコプターズ)が開発した
中型双発ヘリコプター
ドーファンとは イルカ=ドルフィンのフランス語読み
1階にある初代消防ヘリコプター「ちどり」の後継
二代目「ちどり」として導入
機体記号 JA9569
1982年~1997年まで運航
運航時間:4605時間30分
875件もの災害に出場し526名を搬送しました

テールローターが垂直尾翼内に内蔵されたダクテッドファン「フェネストロン」
シュド・アビアシオン(アエロスパシアルの前身)が開発
ローターブレードの露出が少ないため人や物との接触の危険性が低い
騒音低減のため不等ピッチでローターブレードが並ぶ
全長 13.46 m
重量 4000kg
発動機 チュルボメカ・アリエル1C1 (715馬力) × 2基
最大速度 315km/h

チュルボメカ(フランス) アリエル1C1 ターボシャフトエンジン
チュルボ=turboのフランス語読み
発生した出力は
メインローター82% テールローター10% トランスミッション8%へ伝達されます
メインローターの回転方向は上から見て
米国製ヘリは反時計回り(左回り)
欧州製ヘリでは時計回り(右回り)のことが多いです

面体
火災等で一酸化炭素や有毒ガスが発生し
隊員が呼吸困難な場所へ進入し消火活動や救助活動を行う際に着用します

油圧式スプレッダー
油圧で開閉し 車のドアなどの隙間に挿し込みこじ開けたり潰したりして
交通事故などで車内に閉じ込められた人を救助するために使います
重さ 約20kg

エンジンカッター
動力源に小型エンジンを用い
災害現場で障害物切断に使います
鉄 木材 コンクリートなどを切断できます
重さ 約13kg

わが家の安全チェック コーナー
家庭での子供の事故が多発してる場所を再現
危険箇所を探し 事故予防に役立てるコーナーです

窓際にクーラーボックスなどの箱類を置いておくと
子供が上に登り 窓から転落する危険性があります

ベビーベッドの柵を上げ忘れると転落する危険性があります
家の中でもあぶない箇所がいっぱいです
5階 消防の夜明け 江戸時代の火消しなどを模型やジオラマで再現

「まとい」
町火消の各組が用いた旗印の一種
各組さまざまなデザインで消火活動中は屋根に上がり組の目印になるとともに
仲間の士気を高揚させました
江戸の火消しは「いろはにほへと・・・」の順に48組とプラス16組で構成されました
「め組のひと/ラッツ&スター」やマンガ「め組の大吾」などで
「め組」が有名ですね
5階 展望デッキ

アエロスパシアル アルウェットⅢ (1972年)
1階にある「ちどり」と同じアルウェットⅢ
3号機として導入 「かもめ」と命名
16年間活躍し運航時間 4957時間50分でした

コクピットに座ることが出来ます
ヘリコプターの場合は固定翼機と違い
右側が機長席になることが多いです
6階 特別展示 夏の特別展として「家庭で出来る浸水対策」
ゲリラ豪雨など床下床上浸水が多いので 身近なものを使った浸水対策です

ゴミ袋に水を入れて土嚢代わり

水を入れたゴミ袋をダンボールに入れると
強度が増し 積み上げて高くすることも出来ます

プランターにレジャーシートを巻いたものを置き浸水対策

土嚢

長い板と土嚢で止水板を作りせき止める

ロープワークのコーナー
「もやい結び」や「一重つなぎ」など
キャンプや登山などのアウトドアにも役立ちますね

「もやい結び」
係員に教わりながら10分近く掛かりやっと出来ました
難しい・・・
消防士なら必須の結び方です

山岳救助隊
遭難者を救助するために設置
さらに山岳救助隊内には中州に取り残された水難事故を機に創設された
スイフトウォーターレスキュー隊(急流救助隊)があります
セントバーナード犬の背景に山が描かれた紋章を付けてます

水難救助隊
河川や海で発生する水難事故に出動し潜水検索などの救助活動を行います
セントバーナード犬と浮き輪がデザインされた紋章を付けてます
10階 展望休憩室

眺めのいい休憩室
持ち込んだお弁当などはココで食べることができます
飲料の自動販売機があります

高級ふりかけ 錦松梅の本店かんばんが見えますね・・・
東京スカイツリーや

新宿の超高層ビル
富士山が見えることもあるそうです
再び地下

記念撮影用に子供用防火服があります
黒 特別消火中隊
黄土色 ポンプ隊
オレンジ レスキュー隊
ガッツあるぜ! 小さな消防士クン!

グッズやお土産の売店があります
奥の自動ドアの先には地下鉄の駅です
火の元に注意して火事には気をつけましょう
ブログの炎上にも注意ですね・・・
東京都新宿区四谷3丁目10番
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」2番出口直結
開館時間 午前9時30分~午後5時
休館日 毎週月曜日
入館料 無料