• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

caliusのブログ一覧

2012年09月20日 イイね!

波佐美物語 4

波佐美物語 4このようにして、ようやく生まれた鋏は羊毛を刈るための鉄製の握り鋏であった。
しかし、あまり実用に耐えられなかったであろう。おそらく、曲げたところから折れてしまったに違いない。(金属疲労による破断。)それは現在のように、曲げるところを平らに伸ばすという知恵もなく、鉄も粗末な物であったからだ。

ある時、折れてしまった鋏を見て、これを真ん中で留めればまた使えるのではないかと閃いた。しかも、折れる事はない。
あるいは、既に火箸も矢床(ヤットコ/扉絵)のように2本の金棒を鋲留めした形に発展していたので、またヒントを得たのかもしれない。

ここで少し話しは逸れるが、この火箸の発達にはある原理の発見が見てとれる。それは、梃子(テコ)の原理である。出土した矢床を見ると、既に持ち手が長く、相手を掴む方が短い。つまり梃子の原理により、握る力よりも強い力で物を掴めるようになっている。

話しを戻して、こうして現在に至るX字型の鋏が生まれた。この鋲留めされた最古の鋏は帝政ローマ時代(BC27年)の鉄製である。これは刃が短く、持ち手が輪になっている。とても肉厚で丈夫にできているので、おそらく銅や鉛、針金などを切るのに用いられたのではないか。つまり、今で言うところの金切り鋏である。

この新しい鋏は、鋲を中心に刃を動かして切断する。そのため、刃の合わせ具合がとても難しい。握り鋏よりも一段高い製造技術が求められるのである。
一方、使う側も握力から指先の力加減へと、より繊細な器用さが求められるのである。前に述べた道具の発達と手の器用さの相互作用が、ここでも当てはまるのである。

その後、この形の鋏があらゆる方面に発展していく。人々の暮らしや時代の流行に合わせ、様々な形に姿を変えていった。そうしていつしか、握り鋏は姿を消した。

ところが、世界でただ一ヶ所、握り鋏を使い続けた国がある。そう、我が国、日本である。ここで話しの舞台を日本に移し、その経過を辿りたい。

と、ここまで~。 次回から、日本編です。
Posted at 2012/09/20 16:08:41 | コメント(3) | トラックバック(0) | 波佐美 | 日記

プロフィール

「@雅@マツダ  頑張れ!!」
何シテル?   06/12 18:36
2006年(H18) 3月にデミオのキャンバストップを買いました。 銀色の1500ccのMTです。屋根開けてzoom-zoom ! 純正風味でDIYしていま...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2012/9 >>

      1
23 4 5 6 78
910 1112 13 1415
161718 19 20 2122
2324 25 262728 29
30      

リンク・クリップ

リアゲートダンパー交換 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/26 17:24:06
部品の品番はこうして調べることもできる! - ① まずは新規登録!そして車体番号から検索編 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/10/05 12:52:24
ドアストライカーにビニールテープ貼付 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/03/07 10:18:04

愛車一覧

マツダ デミオ 松田 デミ雄 (マツダ デミオ)
松田 デミ雄  屋根が開くということで指名買いです。車内から空が見たかったんです! サ ...
マツダ カペラ マツダ カペラ
18歳の時に親の希望で免許を取り、中古車を買ってもらいました。 それは三代目のC B 型 ...
日産 マーチ マチ子ちゃん (日産 マーチ)
'96年当時、Dラーの中古車部に勤めていた友人から75万円で買いました。 1000ccの ...
日産 エルグランド 日産 エルグランド
友人が長期入院のため、面倒をみる事にした。 今年で10年目。でもまだ約46000kmしか ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation