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土曜日の夕方、妻が自転車で帰宅途中にタクシーと接触事故を起こした。

18時前、救急隊員から「今、奥様を乗せて近くの病院に向かっています。」という電話があった。慌てて店を閉め病院の救急外来へ行くと、向こうから救急車が来た。

邪魔にならないように少し離れていた。。。５分、10分？中々バックドアが上がらない。フロントガラス越しに妻の頭が見えた。どうやら包帯などは巻かれていない。いつもヘルメットを被っていたので、守ってくれたようだ。

いい加減イライラしてきた。よくあるドラマでは救急車が着くとすぐに患者が運び込まれるじゃん。。。何やってるんだよ！妻の容態はどうなんだ！　それに、寒くなってきたぞ。急いだので仕事着にウィンドブレーカーを羽織っただけだよ。まさか外でこんなに待たされるなんて。（｀ε´）ﾌﾞｳ

やっと開いて妻の顔を見る間もなく、隊員から「こちら奥様の荷物になります。」と上着や鞄、ヘルメットを渡された。両手に抱えながら慌ててついて行くと、ご主人はこちらです！と看護師さんに言われるまま待合室に連れて行かれ、お待ち下さい。と言い残して彼女は処置室に戻った。

一息ついて辺りを見回すと、荷物を抱えたお婆さんが座っていた。そういえば、妻の隣りの部屋にもベッドの上に人影があったなぁ。暗く静かな待合室で処置室からの声や音が、何となく聞こえる。
手持ち無沙汰なので、先ほどの荷物を広げてみた。ヘルメットには何となく傷が増えているように見える。。。が、普段あまり見てないから自信がない。
なんと、その中には靴が入っていた。左足の外側が少し削れているようだ。もしかすると、左側に倒れたのかな。だとすれば、右からぶつけられたのかなぁ。

ダウンジャケットを広げたら、黒っぽい何かが落ちた。持ち上げるとズボンだ。そうか、足を怪我したのか。（だから脱がされたのだろう。）
バンパーに当たったのかなぁ。よく見ても汚れたり破れている所はなさそうだ。裏返してみたら、右膝付近に少し血が付いていた。黒地だし、薄暗いから分かりづらかったけどね。

ダウンジャケットの方も下の縁が白くなっている。やはり左側だ。黒地なのでよく分かる。その内側に着ていたセーターには、特に違和感はない。鞄も同じ。スマホも無事だ。
ふと、自転車が気になった。もしかすると、もう乗れないかも。。。でも古くなってきたからさ、新しくなってラッキー？。。。（ｗ）

あの自転車は妻のお母さんのもので「通勤に使うなら持っていきな。」ともらったんだよな。今も事故現場に置き去りにされているのかなぁ。たぶん鍵は掛けてないよなぁ。（そんな余裕はないよな。）もし自走可能なら（そんなに壊れていないなら）誰かに乗り逃げされる、、、のか？　その場合、タクシー会社側から補償されるのか。ｳｰﾝ

しばらくすると処置室からストレッチャーで妻が出てきた。レントゲン室へ向かうそうだ。エレベーター前で妻に声を掛けると、ごめん。ごめん。と繰り返してきた。扉が閉まり、待合室に戻った。時計を見ると、19時手前だ。そうか、まだそれしか経っていないのか。

今度は警察官が来て、事故について説明してくれた。現場は大通りに面する公園の脇道で横断歩道上で起きた。（扉絵はグーグルのストリートビューから。）タクシーが大通りに合流しようと（左折しようと）して、奥様の自転車とぶつかった。そうだ。
運転手に聞いたところ「一時停止してからの徐行中で、左からの自転車には気付かなかった。」と見落としを認めています。との事。一方、奥様は「タクシーが止まったので、大丈夫だと思って走ったら、急に出てきて避けられなかった。」と。
そして、大通り上で倒れたまま動かない妻を、たまたま通りがかった人達が助けてくれて、警察や消防に連絡してくれた。と。

ここまで聞いたら、処置室から呼ばれた。どうしよう？と迷ったら、お巡りさんが「あちらにどうぞ。」と手振りで示してくれた。
医師の前に座ると、画面には左足のレントゲン写真だ。ペンで小指側の骨を差し、左中足骨（第5中足骨）が折れています。それと右膝の下が裂けていたので３針縫いました。他には特にありませんが、もし気分が悪くなったり、何かありましたらすぐに連絡して下さい。と言われた。　これから左足を固定するのでしばらくお待ち下さい。と退出を促された。

出るとお巡りさんが待っていて、月曜日に病院で診てもらったら診断書をもらって下さい。奥様に書いてもらう書面があるので、、、署に来るのは難しいですよね。後日、私が伺います。と言い、小さな紙片（名刺サイズ）を渡された。そこには事故の日時、現場の住所、相手の名前と連絡先、警察官の名前と連絡先などが書かれていた。

なんと、自転車は車に積んであると言い（もちろんパトカーではなく、ワンボックスカー。）自宅前に置いておきますか。と聞いてきた。もちろん、お願いします。ちなみに鍵は？と問えば、施錠して奥様に渡しました。との事。

お巡りさんを見送り、待合室の隅で母に電話していたら、呼ばれた。振り向けば、車椅子の妻がいた。そうか、帰れるのか。
違った。出口で受付を済ませて下さい。だって。荷物を妻に抱えてもらい、出口まで押した。

受付の方から「5000円ほど預からせてもらいます。」との申し出があった。慌てて来たので手ぶらだ。妻を見ると、鞄から財布を出した。お札と預かり証を交換したら、月曜日の予約表も渡された。10時30分　整形外科に予約済みだ。

すると、看護師さんが松葉杖を持って待っている。てっきり車椅子で帰宅できると思ったけど、貸せないと言う。代わりにこれを、とね。ｲﾔｲﾔｲﾔ、両足怪我してるじゃん！　左足は折れてギプスだし、右足は縫ったばかりじゃん！　無理だって！

すかさず「車持ってきますので、少し待たせてもらえませんか。」とお願いし、自宅に走った。走れば１分の距離だけど、さすがに息が上がったよ。
そしてシャッターの前には妻の自転車が。。。でした、でした。鍵を持っていないから、そのまま車庫にしまいました。パッと見、どこも壊れていない。前籠も無事だ。　さすがにエンジン掛けてから車内で一息ついたよ。時計を見ると、19時30分でした。

助手席に妻を乗せ、ようやく帰宅。なんとか松葉杖をつきながら玄関へ。不思議と痛くないと言う。（きっと麻酔が効いているのだろう。）そのまま何とか階段を上り、居間へ。
服を脱がせて、ホットタオルで全身を拭いた。どこかに打ち身などはないか確かめたけど、どこにも怪我はなさそうだ。本人も平気そうだ。（心底安堵した。）
何か食べるか？と問えば、バナナでいいと言う。食後に痛み止めを飲ませて、トイレへ。そしてベッドへ。妻も疲れた様子で、すぐに目を閉じたよ。

ようやく自由になったので、シャワーを浴びた。ついでに妻のズボンもね。早く洗わないと血は落ちないからね。
冷蔵庫から残り物を出して、ご飯をチンして、やっと晩ご飯だ。生まれて初めての事ばかりで、全然空腹感はなかったよ。

P.S
月曜日も色々あって疲れたよ。
病院であちこちたらい回しに合うし、タクシー会社、保険会社、警察署から電話があったけど、まだ病院だし、いつ終わるか分かんないから帰宅後に掛け直します。と返事した。だから、ランチ後は電話対応に追われた。（妻の勤め先にも、ね。）
タクシー会社からは、運転手とその上司が手土産持参で謝罪に来たし、もうクタクタです。＿|￣|○
ほんと、事故って百害あって一利なしだね。