今日からオフシーズンテストが始まった(BMWのハイブリッドカーが
エライ事に!)ので、良い機会だし、昨年に引き続き今シーズンのF1の総括をしてみようかと思う。
今年は、一気に各チームごとの総括まで行う。
個人的な妄言の垂れ流しなうえ、クソ長い駄文なので、無理して読まないほうが身のためですよ。
◎08年の主要トピックス
・ルイス・ハミルトン、最年少タイトル獲得
・フェラーリ、二年連続コンストラクタータイトル獲得
・セバスチャン・ヴェッテル、イタリアGPで最年少PP獲得記録、優勝記録をポールトゥウィンで更新
・ロバート・クビサ、カナダGPでポーランド人ドライバーとして初優勝を飾る
・ヘイキ・コヴァライネン、ハンガリーGPで初優勝を飾る
・BMWザウバー、スクーデリア・トロ・ロッソ、チーム初優勝を達成
・キミ・ライコネン、年間最多ファステストラップ獲得数(10回/年)タイ記録をマーク
・ルーベンス・バリチェロ、最多出走回数記録を更新
・F1史上初のナイトレースをシンガポールで開催
・デイビッド・クルサード、15年間のF1ドライバーキャリアに幕
・スーパーアグリF1、シーズン途中で資金難によりGP撤退
・マックス・モズレーFIA会長のスキャンダル問題
◎ワールド・チャンピオン:ルイス・ハミルトン
史上最年少チャンピオンである。
ネット上で、いろいろと叩かれていたりするけど、現在のF1のシステムでは、年間で一番多くポイントを獲ったドライバーがチャンピオンになるルールで、そのドライバーがハミルトンだっただけの話に過ぎない。
そこには、ドライバーのパーソナリティが介在する余地は微塵も無いのである。
それに、まだ若いんだからさ、テングになってしまったりするのも当然じゃない。
てゆうか、一時期のアロンソが、ハミルトンと同じような叩かれ方をしていたのを思い出した。
ともあれ、来年はディフェンディングチャンピオンとして迎える初めてのシーズンになるわけだが、変に気負わず良いレースを見せていただきたいものだ。
◎コンストラクターズ・チャンピオン:Scuderia Ferrari Marlboro
あれほどとっちらかった内容が多かったにも拘わらず、よくもコンストを死守できたものだ。
フェラーリのエライ人たちは、マッサとライコネンに感謝したら良いよ!
最速マシンを持ちながら、コンスト死守がやっとと言う有様では話にならない。
特に、マッサに対しては額が擦り切れるまで謝罪するべき。
トッドが前線から身を引いた途端にこの体たらく。
大丈夫か、来年。
☆マン・オブ・ザ・イヤー:マックス・モズレー
去年に引き続きドライバー以外から選出。
だって、件のSM騒動があまりにも面白かったんだもの。
そのうえ、騒動が治まった途端、訳のわからないレギュ改悪を叫びだすしね。
今季、これ以上印象に残った人物はいない。
無論、悪い意味で。
☆カー・オブ・ザ・イヤー:ルノー R28
純粋なスピードやリザルトで言えば、F2008かMP4-23が適当だと思うのだが、シーズン当初の駄目っぷりから、見事に2連勝を果たした、その大幅なパフォーマンスアップに敬意を表して選出。
と言うのは建前で、Fウィングの造形(特に初期型)が個人的に大好きだから。
あと、アロンソは、このクルマでシーズンを戦ったお陰で男を上げたと思う。
☆ルーキー・オブ・ザ・イヤー:ティモ・グロック
ぶっちゃけ、該当無しにしようかと思った。
去年がルーキーの大当たり年だったので、それと比べると今年はどうにもパッとしない。
でも、それだとあんまりなんで、消去法で考えていったらグロックが残った。
あんまりにも失礼な言い方になってしまったけど、凄く良いドライバーだと思うよ、グロック。
2位表彰台も果たしたし、なにより新人の中では、最も多くポイント稼いでいるし。
グロックを新人に分類していいか問題が残る(04年にジョーダンから4戦出場しポイントも獲得している)けど気にしてはいけない。
☆テクノロジー・オブ・ザ・イヤー:シャークフィン
イナーシャにしようかと思ったけど、外から見ること出来ないし、何より私自身がそのメカニズムを理解しきれていないので、誰の目にも明らかなシャークフィンにした。
RB4が最初に採用した時は、まさかこんなに流行るとは思ってもいなかった。
しかし、気が付いたら、ほとんどのチームが採用している有様。
その割りに実際に効果があったにか不明確だったりするのがが釈然としないところだが、来期からの空力規制前の最後の仇花として覚えておきたい。
☆オーバーテイク・オブ・ザ・イヤー:ハンガリーGPのマッサ
オーバーテイクというより、スタートと言ったほうが適切かもしれないが、スパでのスタート直後、1コーナーマッサがハミルトンに仕掛けたオーバーテイクは見事の一言だった。
思わずモニターの前で立ち上がりそうになったくらい会心のオーバーテイク。
でもエンジンブローでリタイヤと言うオマケは要らなかった。
アレさえなければ、今年のタイトルは(略)
ベスト・グランプリ:イタリアGP
ヴェッテルの初優勝。
これに尽きる。
なにしろSTRの前身はあのミナルディ。
そう思うと、万感の思いが胸に込上げると言うものだ。
私のF1視聴暦のなかで数少ない本当に心の底から喜べたGPの一つになった。
ワースト・トピック:ブレまくったスチュワード裁定の数々
かなり由々しき問題。
同じ事象なのになぜか裁定が異なる場面がしばしば見られた。
各GPごとにスチュワードが異なるとは言え、いついかなる場合でも裁定の公正さが求められるのがスチュワードの仕事であろう。
こんな様では、スチュワードの腹積もり一つでタイトルを左右されかねない。
来年から、各GPでのスチュワード担当の制度が変わるらしいので、改善を期待したいが、果たしてどうなることやら。
続いて、今年のコンストランク順に各チームごとの総括、
と言う名の妄言。
1.Scuderia Ferrari Marlboro
コントラクタータイトルだけは何とか死守したものの、マシンの信頼性の欠如と、お粗末極まりないピットワークで、本来なら獲れていたであろうドライバーズタイトルをつかみ損ねた。
信頼性の欠如は昨年も同様だったが、少なくとも給油が終わっていないのにピットアウトさせるような愚挙は犯さなかった。
シーズン中も散々書いたことだが、アングロイタリアン化が明らかに悪いほうに働いているとしか思えない。
09年に向けてのKERS開発の大幅な遅れは周知の事実だし、かつての暗黒時代への回帰が緩やかに始まっているのではないかと言う懸念すら覚える。
マッサもライコネンも一級品のドライバーだし、来期も同じようなミスを繰り返すチームではないと思うのだが、どうにも不安が拭いきれぬ。
テストで不安を払拭してくれる事を祈るのみだ。
2.Vodafone McLaren Mercedes
9年ぶりのタイトル獲得は素直に祝福したい。
昨年のスパイ騒動で開発が制約されていた中、MP4-23は跳ね馬に勝るとも劣らないパフォーマンスを示し、ハミルトンを史上最年少王者へと導いた。
だが、欲を言えば、フェラーリがアレだけミスを繰り返したのだから、コンストラクタータイトルも獲って然るべきだった筈。
コヴァライネンのパフォーマンスが、ハミルトンと比較して不足していたと見る向きもあるかもしれないが、個人的にはチーム自体がハミルトンへ偏向していたように思えてしてならない。
もう少しコヴァライネンに注力してあげれば、結果は違ったものになったのではないか。
まあ、ロンがハミルトンLOVEだから仕方ないっちゃあ仕方ないんだけども。
来期に関しては、どのチームより見通しが明るい気がする。
懸念のKERSについては、搭載型と非搭載型の2種類のシャシーを用意するとも噂されているし、空力に関しても不安の種は見当たらない。
よほど下手を打たない限り、好調なパフォーマンスを維持するのではないか。
という訳で、がんばれ、コヴァライネン!
3.BMW Sauber F1 Team
初優勝を達成するなど、序盤から中盤にかけては、ある意味、トップ2より勢いのあるチームであった。
F1.08も良い感じに変態マッスィーンだったし。
だが、後半に入った途端に勢いがガクッと落ちたのはいただけない。
前身であるザウバー時代からのパターンと言われればそれまでだが、中国GPまでクビサがタイトルの芽を残していたのだから、後もう一踏ん張りが欲しかったところだ。
後半失速した分、来期の開発が進んでいるに違いないさと思っておけば良いのかしら。
実際、早速ハイブリッドカーを登場させてテストをしているし、来期は今年よりやってくれるのではないかな。
唯一気になるのは、KERSの重量が大柄なドライバーに不利に働くという予想。
もしこの予測が真を得ているのであれば、F1屈指の大柄なドライバーであるクビサにとって、KERSの問題は無視できないだろう。
逆を言えば、来年はニック活躍の年になる可能性も無きにしも非ず。
おお、遂にニック初優勝の年になるか。
4.ING Renault F1 Team
今年のルノーはアロンソの一人舞台であったように思う。
チームが獲得した80P中、61P(トヨタの獲得ポイントより上!)をアロンソ一人で獲得しているところを見ても、いかにアロンソ無双なシーズンだったかわかると言うものだ。
無論、この結果はアロンソ一人の力ではない。
シーズン開幕当初、明らかに競争力不足だったR28を、不断のエンジニアリングでウィニングマシンにまで仕立て上げたテクニカルチームの、想像を絶するであろう努力のお陰である。
こう言った開発を出来るところが、F1の頂点を極めた経験を持つチームたる所以であろう。
アロンソも無事残留する事が決定しているし(ネルシーニョのことも忘れてないよ、為念)、後期後半の勢いそのままに09マシンを仕立て上げれば、再びトップコンテンダーに返り咲く事も不可能ではない筈。
と言うか、極めて高い確率でタイトル争いに絡んでくると思う。
アロンソの3回目の戴冠が見たいです、フラビオ先生。
5.Panasonic Toyota Racing
結果的に、ルノーに後塵を拝したとは言え、今季に関しては成功のシーズンと見て良いだろう。
陳腐な言い方になるが、トヨタ流のやり方が漸くF1でも実を結びつつあるのかもしれぬ。
特に、今季中盤でのTF108の競争力の高さには目を見張るものがあった。
トゥルーリ、グロックのコンビは、チーム創設以来のベストラインアップだし、ぶれることなく開発を進めていけば、来期こそは、未だ掴めぬ勝利を得る事が出来るかもしれない。
気になる点としては、予想に反してKERSの開発に手こずっている事だが、たぶん大した問題にはなるまい。
来年は、トヨタにとって勝負の年になると踏んでいるがどうか。
6.Scuderia Toro Rosso
ルノーがアロンソ無双なら、STRは間違いなくヴェッテル無双であった。
シーズン前半は、思うようなリザルトを残せていなかったが、フェラーリエンジンとのマッチングが進んだ後半から、目を瞠らんばかりの快進撃。
初優勝を果たしたイタリアGPでのパフォーマンスは、まるで王者の如き堂々たる走りであった。
ここまでの躍進を果たしたのは、ニューウェイデザインのSTR3のポテンシャルの高さと、GP随一のパワーを誇ると言われるフェラーリエンジンのお陰でもあるが、やはりヴェッテルの才能を無視することは出来ない。
翻って、来期はそのエースがチームを離れる。
マシン自体はニューウェイデザインである事に変わりが無いが、エンジンは親チームのRBRとスワップされてしまう可能性があり予断を許さない。
来期のドライバーがどんなラインアップになるか、現時点では未だ不明だが、ヴェッテルのような活躍を期待する事は難しいのではないか。
チーム自体も、今季ほどの活躍が出来るかどうか微妙な線だろう。
7.Red Bull Racing
今年も期待はずれの終わってしまった。
RB4自体は、Jr.チームのSTRの活躍を見る限り、優秀なシャシーであったことに疑いは無い。
すでに巷間広く指摘されている事だが、ネックになったのはルノーエンジンのパフォーマンス不足にあったことは間違いない。
STRとエンジンが逆だったら、少なくともSTRに負ける事は無かった筈だが、ニューウェイ先生が爆熱(らしい)フェラーリエンジンを嫌ったと言う話なので、ルノー以外の選択肢はなかったと言う事か。
あと、忘れちゃいけないのが、クルサード先生の引退。
今季の先生のクラッシャーぶりは目を覆いたくなるばかりだったが、今季唯一のポディウムフィニッシュを果たせたのは先生のお陰であることを私は忘れていない。
また、チーム設立以来、若いチームスタッフを纏め上げてきた功績は計り知れない。
目に付かない部分ではあるが、クルサード先生の存在はチームにとって大きかったのだ。
それゆえに来期は全戦、チームに帯同することになったのだろう。
その来期は、新たにヴェッテルが加入することになる。
RB5と呼ばれることになるであろうシャシーはニューウェイ先生がデザインするので、大きな失敗は無いだろうし、今年以上の活躍を期待できるだろう。
てゆうか、個人的に応援してるので、活躍してもらわないとこまる。
8.AT&T Williams
開幕戦で、ニコがポディウムフィニッシュを果たしたときは、今年こそウィリアムズ復活の年だ! と思ったものだが、現実はあまりにも厳しかった。
開幕以降は、どうにもパッとしないリザルトのまま低空飛行を続け、シンガポールの荒れたレースの中、再びニコがポディウムフィニッシュを飾るものの、ついに不振から脱することなくシーズンを終えてしまった。
あの名門ウィリアムズが、どうしてこんなことになってしまったのか。
もう勘弁してくれと言うほど勝ちまくっていた往年の姿を知る者としては、なんともやるせない気分になって仕方ない。
BMWと別れてからと言うもの、資金不足に悩まされ続けているのがパフォーマンスが上向きにならない要因である事は間違いない。
かと言って、世界的不況のなか、新たに資金を提供してくれるスポンサーなど都合よく現れる事は限りなく難しい。
孤高のプライベーターにとって、現在のF1を戦い抜く事はあまりにも厳しいと言わざるを得ぬ。
それでも私は、来期こそは復活の年になると固く信じて疑わない。
ワークスが莫大な資金を投資し続ける現代F1だが、最後にモノを言うのはレースに対する情熱である。
そして、その情熱の炎を、誰よりも熱く内に秘めているのはフランク・ウィリアムズその人なのだから。
9.Honda Racing F1 Team
語るに落ちるとはこのことだ。
RA108が競争力を持っていたのは開幕戦ただ1戦のみであり、イギリスでの幸運なポディウムを得られた事以外は、論外と言う言葉すら生ぬるい名状し難き無様なシーズンであった。
RA108は駄馬であった。
シャシー剛性の不足と言う致命的な欠陥を抱えていたうえ、稚拙極まりない空力では、いくらドライバーが努力したところで、どうにもする事も出来る筈がない。
ロス・ブラウン以下、主要スタッフ達は、口をそろえて「来期のために今季は早々に開発を打ち切った」などと妄言を吐いていたが、そんな言葉は免罪符にはならぬ。
その程度の姿勢で、モーターレーシングの最高峰たるF1で戦おうなど笑止千万、おこがましいにも程がある。
どんな状況であれ、自らの手の内にあるものでベストを尽くし、一歩でも先へ進もうとするのがコンペティションだ。
自らの無能さ加減を省みることなく、ただ言い訳を言い募るだけになった今のホンダは、F1のみならず、モーターレーシングにとって最大級の害悪に堕したと言っても過言ではない。
こんなチームに来期を期待するだけ無駄である。
KERSの開発はどのチームより進んでいるらしいが、果たしてそれは、1周当たり1.5秒遅いクルマを大きくゲイン出来るものなのか。
答えは否だ。
KERSは、あくまで補助的なデバイスに過ぎない。
大幅なテクニカルレギュレーションの変更が実施される来期、もっとも重要な要素は空力解析であり、それはホンダが最も立ち遅れている分野なのだ。
それに目を瞑るように、120億円とも言われる莫大な投資をし、必死になってKERSの開発している姿が愚かであることに気付いていないのはホンダだけだ。
来期は、今季よりリザルトが悪くなる事があっても、良くなる事は恐らくあるまい。
シーズン途中にF1撤退の報がでても、私が驚く事はないだろう。
10.Force India Formula One Team
モナコで某酔っ払いに追突さえされなければ、ノーポイントで終わる事はなかった。
返す返すもあのアクシデントが悔やまれる。
フォースインディア最初の年は、残念ながらポイントを得る事はできなかった。
だが、実質二年落ちのマシンで、時には中段を走ったりと、そのパフォーマンスは決して低いものではなかった。
むしろ、そんなマシンで良くぞ戦ったと賞賛を送りたい思いだ。
フィジコとスーティルが、マシンの持てるパフォーマンスを最大限に引き出して走ったお陰だろう。
そんなフォースインディアだが、来期はメルセデスからエンジン供給を受けることが決まった。
今回の契約は、エンジンだけでなく、KERSを含めた包括的な技術提携になる模様だ。
一時、報道されたマクラーレンのカスタマーシャシーを使うと言うことはなくなったようだが、かなりのパフォーマンスアップが果たされると踏んで間違いないだろう。
いきなりトップ争いができるほどになるとは思えないが、上手くいけば常時ポイント争いが出来るところまでは来そうな感じがする。
ただ、ガスコインとコレスが離脱してしまったのが気がかりと言えば気がかり。
このあたりに今回の契約の裏が見えそう気配が。
あと、メルセデス絡みで、ここに来てドライバーチェンジの話が出てきているのが嫌な感じ。
フィジコのシートをとらないで!
×.Super Aguri F1 Team
遅かれ早かれ、撤退する事は目に見えていた。
あのタイミングでと言うのは予想外だったが、仮に生きながらえたとしても、シーズン終了まで持つ事はなかったろう。
今季に関しては、これ以上、SAFについて語るべきことはない。
それに、私なんかより遥かにSAF思い入れのある人が多く居るしね。
そんなファンを得られたというだけで、SAFは幸せなチームだったのだろう。
以上、妄言了。
迂闊にも、全部読んでしまったという暇人がいらっしゃったら、お疲れサマでした。
08シーズンは終わったが、オフシーズンテストと言う、ある意味本シーズンより面白く熱い時期がやってきている。
F1ファンは眠らないのだ!