レッドブル、翼を授けるッッッ!!
セバスチャン・ヴェッテルさん23歳、ワールドチャンピオン獲得おめでとおおおお!!
ハミルトンが持つ最年少タイトル記録を166日更新して史上最年少王者に。
アロンソ大本命、対抗ウェバーだと思っていただけに、逆転でタイトルを攫ってみせるとは思ってもみなかった。
守りのレースをしてしまったアロンソに対して、ただひたすらに勝利だけを目指したヴェッテルに、レースのカミサマが味方してくれたのかもしれないね。
ファステストこそハミルトンに譲ったものの、この最終局面でポールトゥウィンを飾って見せたのだから、ヴェッテルのタイトルに文句をつけられるものはいまい。
肝心なところでクルマが壊れたり、信じられないミスを犯したりしたけれど、最後の最後で帳尻を合わせてきたヴェッテルとRBRにこそ、タイトルは相応しいのだと思う。
兎にも角にも、おめでとうセバスチャン、おめでとうニューウェイ先生、おめでとうRBR。
以下その他雑感。
その1
最年少王者誕生。
冒頭に記したように、ハミルトンの最年少王者獲得記録を更新してヴェッテルがチャンピオンになりました。
アロンソから16P、ウェバーから7P離されていたのに、最後まで勝利を目指し続けた姿は、見ていて感動するものがあった。
思えば、開幕戦でプラグトラブル、オーストラリアでブレーキトラブル、韓国GPでエンジンブローとトラブルに見舞われて、そのうえ、トルコで同士うち、スパでバトン撃墜後のとっちらかりっぷりと、風向きは決してヴェッテルに向いているわけではなかった。
事実、ブラジルGP終了時点で、ヴェッテルがポイントリーダーに立ったことは一度もなかった。
それでもタイトルを獲ってしまったんだから、やっぱりこの子はすごいドライバーなのだと思う。
もちろんRB6の出来が凄まじかった点は無視できないけど、クルマが速いだけではタイトルは取れないのだ。
まして、ニューウェイ先生謹製のクルマだし!(信頼性的な意味で)
その2
タイトルは夢幻の如く。アロンソさんの場合。
普通にレースをしてさえいればタイトルはアロンソが獲得していたはずだった。
2位に入れば自動的にタイトル獲得。
ウェバーが2位以下に終わればポディウムに立つ必要すらなかったほどだったのだから。
だが、終わってみれば7位フィニッシュ。
アロンソとフェラーリにしてみれば悪夢以外の何者でもない。
最大の敗因は、対ウェバーを意識するあまり、視野狭窄に陥ってしまったことだろう。
ウェバーが予想以上に早いタイヤ交換をしたのに引きずられて、まだオプションのライフが残っているのにタイヤ交換を実施して、すべてを台無しにしてしまった。
今回、マークすべきだったのは、予選から覇気のない走りしか出来なかったウェバーではなく、失うものがないヴェッテルであり、マクラーレンの2人だったのだ。
もっともこれはアロンソの責任と言うより、スクーデリアの判断ミスである。
普通にレースをすれば良かっただけなのに、自ら墓穴を掘って、アロンソを最悪の場所に戻しまった時点で全ては終わっていたのだ。
やはり、アロンソが来ただけでは、跳ね馬が変わることはなかったのだなあ。
その3
タイトルは夢幻の如く。ウェバーさんの場合。
何と言うか、ウェバーの場合、プレッシャーの押しつぶされていたのがありありと分かって、いいろいろとかわいそうな感じしかしない。
ヴェッテルが絶好調だったのに対して、フリーから覇気の無いパフォーマンスではやくも敗戦の気配が漂っていたのがなんとも。
案の定、最速RB6を駆りながら5位に付けるのがやっと。
決勝に至っては、8位フィニッシュという有様。
ここぞという大一番で、今季最悪のパフォーマンスしか発揮できないとは何事か。
チームがヴェッテル寄りだったと言う要因があるにしても、それを跳ね除けるくらいの図太さがないとタイトルなんて夢のまた夢だ。
たぶん、ウェバーにとって今季が最大のタイトル獲得のチャンスだったろうに、こんな形で終わってしまうとは。
なんと言うか、残念極まりないね。
その4
タイトルは夢幻の如く。ハミルトンさんの場合。
タイトルの権利がある4人の中では、もっとも不利な位置にいたハミルトンだけど、最終戦の内容は、少なくともともアロンソ、ウェバーとは比べるべくもないほどに素晴らしかった。
ヴェッテル同様、勝つしか無い状況で、持てる限りの力を持ってレースに挑んだ姿はそれだけで尊い。
クビサをもっと早くパス出来ていたら、もっとヴェッテルに肉薄できたかもしれないが、今となってはそれを言っても仕方ない。
やれるだけのことは全てやった。
それでも届かなかったのであれば、来年、その雪辱を晴らせばいいだけだ。
そして、ハミルトンなら、きっとそれが出来るはずだと思う。
その5
ありがとうブリヂストン、また会う日まで。
今回のレースを最後に、F1の表舞台からBSが姿を消す。
14年間、F1を文字通り足元から支え続けた日本のタイヤメーカーは、最後の最後まで素晴らしいタイヤを供給し続けた。
グッドイヤーに挑戦し、ミシュランと切磋琢磨し、一社だけになってもF1を支え続けたBS。
タイヤ戦争時代、圧倒的なレイン性能で魔法の靴と言わしめたり、独占供給になっても、性能が良すぎて面白くないなんて言われたりしたけれど、14年間、タイヤに起因する重大事故をおこさなかった事は筆舌に尽くせないほどの賞賛に値する。
BSがあったからこそ、F1はここまで素晴らしいレースを繰り広げることができたのだ。
今回で最後のレースになったBSのハミィこと浜島さんに、この14年間で最も印象にのこることを聞いたト所、自分たちが初めて勝ったレースでも、初めてタイトルを獲得したレースでもなく、00年スパでのハッキネン対シューマッハのオーバーテイクシーンを挙げたそうだ。
曰く「あれこそが本物のレーシング」
そんな発言が出てくる本物のレース屋が、今までBSを引っ張ってきてくれたことが何よりも嬉しい。
ホンダやトヨタに足りなかったのは、このレースに対するリスペクトでありアティテュードだ。
既に決まってしまったことだけど、F1からBSが居なくなってしまうのが堪らなく寂しいよ。
それでもきっといつの日か、BSがF1に帰ってきてくれることを信じて、ひとまずお疲れ様。そしてありがとう。
その6
今週の新規チームの皆さん。
ロータス対ヴァージンの対決は、ロータスに軍配が上がりました。
これでめでたくリチャード・ブランソン卿のCA姿を見るハメになって、わたくし泣きそうです。
どうして、こんな誰の得にならない賭けをやっただ…。
HRTについては、やっぱり左近が行方不明のままでした。
まったくもって残念としか言いようがありません。
来年、左近を見ることはあんのかな…。
その他、高パフォーマンで昨年王者の意地を見せたバトンのことや、タイトル決定の大きなカードを握ったルノーの二人の事や、いきなり自爆スピンしてリタイヤしちゃったのににこやかだったマイコーにいさんの事や、カムイが残念だったことは触れません。
19戦と言う長丁場だった今季もこれにて終幕。
近年稀に見る混戦模様と、数戦をを除いて質の高いレースが繰り広げられた今年は、正にヴィンテージイヤーと言うべき一年だった。
来年も今年に勝とも劣らない一年になることを期待して、この駄文の筆を置く。
きっと来年も、その先も、いつだってF1は面白いのだ。