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2008年12月08日 イイね!

今更ながら、ホンダのF1撤退を思う。

そして桜井淑敏が新レギュレーションについてこまかに説明すると本田宗一郎はいった。
「そのレギュレーションは、うちのエンジンだけに適用されるのか」
「いや、顧問それはちがいますよ。全部のエンジンに対してです」
「なんだ、そうか。うちのエンジンにたいしてだけそうするんだったら頭のいいやつらだと思ったが、やつらバカだな。どんなにレギュレーションを変えたって変えれば変えるほどうちが有利になるだけじゃないか。短期間でどこよりもいいエンジンを作ってしまうのがうちの特徴だということを、やつらは知らないらしいな」

~海老沢泰久 著 「F1 地上の夢」より引用~

こんなやり取りが、青山本社で交わされることは、もう無いんだろうねえ。

閑話休題。
ホンダのF1撤退報道から、少し時間も経って、いい加減落ち着いてきたかしらと思っていたのだが、ネットをうろつくと未だ喧しく、その騒ぎは収斂を見せておらぬ。
金曜日に撤退速報を聞いたときは、無論驚いた。
何が驚いたって、予想より大分早かったなと言う感慨しか感じなかった自分に驚いたのだが。
私の予想では、

シーズンオフのビッグマウス連発。
      ↓
新車発表、あまりにもアレなデザイン(とカラーリング)に悪い意味で絶句。
      ↓
案の定、テストでもタイムシートの下位をうろうろ。
      ↓
開幕戦では、テストよりは上向くものの、競争力不足が露呈。
      ↓
首脳陣、開発が遅れているだけでヨーロッパラウンドまでには持ち直す発言。
      ↓
ヨーロッパラウンド突入、ビッグアップデートされるも泣かず飛ばずのままシーズン進行。
      ↓
イタリアGPあたりで、それらしい理由をつけて撤退発表。

と言うのが最も有り得るシナリオだと思っていたのだが。
こんな予想を立てる事自体が、私の中でのホンダの存在がいかに小さくなっていたかの証左であろう。

とは言え、私にF1、ひいてはモタースポーツの面白さを知るきっかけを与えてくれたのはホンダであり、流石にスルーしてしまうのもアレかと思ったので、個人的な見解をまとめてみようかと思う。
もっとも、私の言いたい事のほぼ全てをけんさわさんがブログで書いてくれたので、あんまり書くこと無いんだけど。
てゆうか、けんさわさん以外にも、既に大勢の人が、この件について鋭い考察をされているし。
まあでも、せっかくだから投下。
例によって駄文なので、スルー推奨。

1.第3期ホンダF1から見た撤退の意味
撤退の意味と言うか、撤退の理由と言ったほうが正しいのだが、一応発表ではアメリカを発端とする昨今の著しい景気の悪化の影響となっている。
このあたりの詳細は、F1キンダガーテン内の質疑応答を見ていただきたい(参考リンク:1 2 3 4 5)。
たぶん、この発表は嘘ではない。
だが、理由として最も大きいのは二年続けて成績不振にある事は明白である。
成績は関係ないと会見で言っていたが、仮に今年の成績が06年並であったら即時撤退を決断しただろうか。
早い話が、今回の撤退はホンダの自滅なのである。

2.ホンダがF1から撤退すると言う意味。
もうちょっと視野を広げて、足掛け40年近くに及ぶF1からの撤退(休止ではなく)すると言う意味について考えてみる。
実際は64年から68年の5年間、83年から92年の10年間、そして00年から08年の9年間と合計24年にプラスして、ホンダが復帰するまでの間、無限ホンダの名でエンジンを供給し続けてくれた無限の活動期間を含めると、実に31年間(活動が被っていた時期を除く)もの間、F1マシンの車体のどこかにホンダのエンブレムが輝いていた事になる。
F1GP、58年間の歴史の内の31年間である。
そこからホンダの名が消える事の意味は、自分で書いていてびっくりするぐらい大きい。
今でこそ弱小ワークスの名を欲しいままにしていたホンダではあったが、世界を相手に戦い続けてきたのだ。
たかが1ワークスの撤退であるが、モーターレーシングの歴史の一つが終わったのかもしれない。

3.ホンダ撤退が現代F1に与える影響。
本来ならば、弱小ワークスが自滅しただけの一言で済むのだが、現在の情勢は情勢だけに、何気に厳しい事態になってしまう可能性がある。
まずは考えられるのが、FOTAの発言力低下。
FIAの不可解なコスト削減案に対し、独自にコスト削減案を提示してきたFOTAであるが、そのメンバーであるホンダが
(建前の上とは言え)昨今の不況が原因で撤退を決断してしまった。
FIAとしては、それみたことか、やはりFOTAのコスト削減案では不十分なのだと、FOTAに対し、より強硬な態度を示してくるだろう。
また、単純にグリッド上から二台消えると言う事も大問題である。
コンコルド協定が失効しているので、強制力は無いかもしれないが、グリッド上に20台並ぶのがGP成立条件としてのマストであった。
それが、ホンダの撤退で、あっさり崩れてしまった。
故に、あのバーニーが「来年、ホンダは勝てた」と心にも無いリップサービスをしてまで、チームの早期の売却先決定を促している始末である。
万が一、買取手が現れなかった場合、FIAはGP開催のホストサーキットに対し違約金を払わねばならない筈なので必死になろうと言うものだ。
あと、最も懸念されるのが、連鎖撤退。
すでに、RBRが撤退かと言う報道が出ているが、今回のホンダ撤退がトリガーになって、撤退を決めるチームが続出する可能性がある。
大幅減益になったとは言え、未だ大きな利益を上げているホンダが下したF1撤退と言う決断は、我々が思う以上に大きなインパクトをF1に与えたかもしれない。
来年は兎も角、再来年になったらチーム半分くらいになってるなんて事態は避けてもらいたいが、予断は許さない。

4.ところで、本音のところはどう思ってるのさ。
とりあえず、うだうだ書いてきたが、今回の撤退に対して偽らざる私の本音を書くと、「残念極まりない」の一言である。
どういった意味で残念なのか、詳細に書くとうんざりするほどの長文になるので書かないけども、一本筋が通ったカタチで第三期F1参戦を始めてたら、もっと違う形にはなっていたんじゃないかな、とだけ書いておく。
ただ、790人の人員削減をやっておきながら、年間500億かかるF1を続けるのは、今のご時勢では許されなかったんだろうと言う事も理解できる。
実際、私の仕事でも、北米ホンダ関連の品がピークの1/3の流動になっているところを見ると相当厳しいんだろうし。
まあ、トヨタは9,000人削減しながらもF1は継続と言う、流石のタフネゴシエーターっぷりを発揮しておりますがね。

5.ホンダは倒れたままなの?
倒れたままなんじゃねぇかな。
今回の決定は「休止」じゃなく撤退だし。
仮に、戻ってくる意思があったとしても、無限が繋いでくれた第3期と違って、何にも無いところから始めなきゃならんし、そんなの無理だよ、たぶん。
第一期の時だってリソースもへったくれもなかったけど、そのとき、本田宗一郎がF1プロジェクトチームに向けて、こんな言葉を残している。
「我々に経験は無い。しかし、我々には技術がある。私は金は問題としない。どんなに金がかかってもいいから、世界最高のF1カーを作ろうじゃないか」
こんな事言って、チームを引っ張っていける人は今のホンダには居ないしね。
ここで、ホンダスピリッツがあーだこーだ言うつもりもないよ。
そもそも、ホンダスピリッツなんてものがあったとしても、それは本田宗一郎御大が亡くなったときに、一緒に天国へ行ってしまったんだよ。

思ったより長々書いてしまったので、ここいらでしめる。

おそらく、ホンダがF1に戻ってくることはもう無いだろうが、それもまたF1と言う世界だ。
ホンダが居なくなって、他のチームの未来も不透明だけど、それでもF1は続いていくんです。

最後に、私のもっとも好きな宗一郎御大の言葉でホンダF1への手向けとしたいと思う。

「来年もナンバー1のエンジン作るよ」
90年12月 FIA表彰式にて、アイルトン・セナに送った言葉より
Posted at 2008/12/08 20:18:01 | コメント(5) | トラックバック(0) | F1駄文 | クルマ

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