最終戦にして、今期のベストレース。
そう断言してしまおう。
酸いも甘いもF1のほとんど全てが凝縮されたレース内容だった。
大逆転の初戴冠、おめでとう、ライコネン。
最後の大一番で、完璧にライコネンをサポートしきったマッサも素晴らしかった。
史上初のルーキーチャンプは潰えちゃったけど、ハミルトンは手放しで賞賛に値する。
グダグダな状況の中で、逆転こそ叶わなかったが、ハミルトンと同ポイントまで持っていったアロンソにの意地に乾杯。
ぶっちゃけた話、今年はライコネンがタイトルを獲るのが最適解だったと思うのだ。
アロンソかハミルトンがタイトルを獲得した場合、例のスパイ疑惑の所為で、不当なアドバンテージがあったからタイトルを獲れたと色眼鏡で見られてしまうことは避けられなかっただろう。
結果的にまるく収まったんじゃないかな。
本当に良いレースだったし。
いやあ、良いシーズンだったなあ、トラックの中だけは。
政治的な問題は最低だったけどな。
以下雑感如例。
その1
ライコネン、初タイトル。
BMWとウィリアムズの車検の問題が急に持ち上がったおかげでドキドキしたけど、
結局お咎めなしに落ち着いたので、晴れてタイトル確定おめでとう。
一時期27Pまで開いた差から、見事としか言うほかない大逆転タイトルである。
中盤くらいまでは、パッとしない状況が続いたから、ただの飲んだくれになってしまったのかと落胆していたけど、終盤戦から猛チャージ。
ラスト4戦で3勝上げるとか、やっぱりただの飲んだくれじゃなかったんだね!
でも、ブラジルの表彰式のあと、トロフィーを持たずにシャンパンを抱えて退場した辺りを見ると、やっぱり飲んだくれな気がしないでもない。
その2
マッサ空気を読みまくった。
ポールから飛び出して完璧にハミルトンをブロックし、そのままトップ独走かなーと思ってた矢先に、最終コーナーで絶妙なミスをして、その後のピットでのライコネンとのポジション入れ替わりを演出するとか、師匠のシューマッハでも、なかなか出来ることではない。
これ以上完璧にサポート役を演じたドライバーが、かつて居ただろうか。
いや、冗談でも嫌味でもなんでもなく、タイトル争いでは絶体絶命だったチームメイトを、こうまで確実にサポートするなんて、ホントに凄いことだと思うのだよ。
母国GP連勝を願ってたハズだけど、チームの為に仕事こなしたマッサに心からの賞賛を送りたい。
最後の最後でサポート役に徹したんだから、来年はタイトル争いに最後まで絡んでくれますように。
その3
タイトルの壁。
レースが始まる直前まで、私はハミルトンがタイトルを獲るものだと信じて疑わなかった。
それが、この結果である。
スタートでマッサに完璧に押さえられ、アロンソとのサイドバイサイドでブレーキミスを犯し、挙句原因不明のギアトラブルで大きく後退するなど、誰が想像出来たと言うのだ。
恐らく、最後の最後でプレッシャーに晒されたのと、運に見放された所為なのだろう。
F1、58年の歴史でルーキーチャンピオンが生まれてこなかった理由の一端を見る思いだった。
タイトルを逃したとは言え、ここまでのハミルトンの活躍は本当に見事だった。
残念ながら、今年がダメだった分、来年こそはタイトルを獲って欲しい。
最年少チャンプの記録更新を期待している。
その4
王者の意地
フェラーリの2台に完全に置いてけぼりにされたり、クビサにあっさりオーバーテイクされたり、今回のアロンソは完全に速さに劣っていたけど、それでもルーキーに負ける訳には行かないと言う意地だけは伝わってきたような気がしたのだがどうか。
なんだかんだで3位フィニッシュしたしな。
2位獲得回数でランキングはハミルトンの下になっちゃったのはご愛嬌と言うことで。
あとは、来期の行き先がどうなるか。
戦闘力のあるチームで、今年の雪辱を晴らして欲しいものだ。
その5
中嶋一貴のデビュー戦
予選19番手だった時にはがっかりしたのだけど、終わってみれば10位フィニッシュ。
ファステストラップについては、5位の速さとニコを上回って見せたし、結構良くやったと思う。
思うのだが、最初のピットでクルーを轢いちゃったおかげで、そっちの方しか印象が残っていない現実。
えっと、クルーの人が打撲だけですんで良かったと思いマス。
その6
見苦しいマクラーレン。
上に書いたBMWとウィリアムズの燃料温度の件、
マクラーレンが不服として抗議するそうである。
多くは語らないけど、見苦しいこと極まりない。
仮にこの抗議が通って、ハミルトンがタイトル獲っても嬉しいのだろうか(嬉しいんだろうが)。
タイトルくらい、トラック上の斬った貼ったで決めさせてくれ。頼むから。
その7
今週のホンダ
正直に告白するとですね、序盤からタイトル権利者3名の動向が面白すぎて、バトンがリタイヤするまでホンダの存在が完全に頭から消え去っていましたが、何か。
えーと、気温が高すぎた為に2人揃ってオーバーヒートになったとか、お陰でバリチェロにいたっては母国GPで派手なエンジンブローを喫するとか最低なレース内容だと思った。
で、バリチェロは15年のF1人生で初のノーポイントシーズンになってしまったわけだが、とりあえずホンダの中の人はバリチェロに謝るべき。
嘆息。
これで今年のF1も終了。
今シーズンを戦った全てのドライバー達に、惜しみない賞賛と慰労の念を表して終筆。
Posted at 2007/10/22 20:07:31 | |
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