予選でのマッサのアクシデントの所為で重い気分で迎えたハンガリーGP決勝。
どうせ面白みに掛けるレースになると思っていたら、存外に面白いレースで得した気分。
ただし、終盤は眠い事甚だしかったけれど。
ともあれ、
マクラーレンの華麗な復活に驚くと共に、惜しみない賞賛を贈りたい。
前回、やっぱり駄目かもと書いたけど、私はマクラーレンというチームの底力を見くびりすぎていた。
失敗作MP4-19をウィニングマシンに仕立て上げたマクラーレンの開発能力は健在だったのだな。
さすが、マクラーレン!
某バイエルン発動機にできない事を平然とやってのけるッ!
そこにしびれる、憧れるゥ!
今、なにげにヒドイ事を書いた。
以下雑感。
その1
がんばれ、フェリペさん!
予選Q2のマッサの事故は、今季最悪どころか、過去10年で最悪の事故だったのではなかろうか。
Q2の最終アタック後に、バリチェロのクルマから外れたパーツ(サードダンパーのスプリングらしい)が280km/hで走行中のマッサのヘルメットに直撃。
その衝撃で意識失ったマッサは、辛うじてブレーキを踏んだものの、スロットルを戻す事はおろか、ステアリングすら切ることもできない状態でタイヤバリアへ吸い込まれるように直進していってしまった。
あまりにもシリアスなぶつかり方で見ていて血の気が引いた。
先週のF2で起きてしまったヘンリー・サーティースの死亡事故の例があっただけに、一時は、最悪の結果も考えられたが、重傷をおったものの命に別状は無いと分かって、ほっと胸をなでおろす。
とは言え、頭蓋骨骨折と脳内出血が見られるようで、未だにICUから出られないようだ。
残りのレースでの復帰は難しいかもしれない。
前回の結果が良かっただけに非常に残念だが、ここはしっかり療養してもらって、万全な状態で復活して欲しい。
11月には子供も生まれるんだから、がんばれマッサ。
世界中のファンが復活を待っているぞ。
その2
名門の復活。
前述のとおり、マクラーレンが華麗に復活。
開幕当初、トップから2.5秒も遅かったマシンを、ウィニングマシンに仕立て上げた開発能力は驚嘆に値する。
前回のアップデートでその兆候は見られたとは言え、ここまで速いクルマに仕上げていたとは予想だにしなかった。
いくらマクラーレンに膨大なリソースがあるとは言え、箸にも棒にもかからなかったクルマを、ここまで立て直すには想像を絶する解析と開発が繰り返されたはずだ。
見事である。
見事としか言いようが無い。
こう言う、素晴らしい仕事を見られるF1は、やっぱりモーターレーシングの最高峰なのだ。
その3
跳ね馬がんばる
マッサの不幸なアクシデントが落とした暗い影を払拭するかのごとく、ライコネンが今季最高の2位フィニッシュ。
RBRとBGPとアロンソが崩れた要因があったとは言え、今回の結果は値千金。
最後のピットで、上手くリスタートできなかったのはご愛嬌と言う事にしておこう。
やれば出来るじゃないか、スクーデリア。
今季は、今までマッサががんばってくれていたけれど、残りのシーズンはそれに期待する事も難しくなりそうなので、今日のようなレースを毎回出来るように研鑽していただきたい。
その4
嗚呼、ルノー
アロンソが二年ぶりのPP獲得で、ものっそい期待していたんだけど、結果はリタイア。
原因は、最初のピットでの右フロントのロックが終わる前にスタートさせたことが原因で、タイヤが外れて終了とかお粗末にも程がある。
完璧な作業でグロックを僅か5秒で送り出したトヨタのピットを見習ったらいいよ! 見習ったらいいよ!
そりゃあ、ブリアトーレじゃなくてもレース終了前に帰るさ。
なお、ブリアトーレが帰った時点では、まだネルシーニョが(例によってポイント圏外を)走っていたという事実は気付かないフリをして欲しい。
マッサは不幸な事故で長い夏休みになってしまいそうだけど、ネルシーニョには終わらない夏休みが待っていそうで、おじさん、ワケも無く涙が止まらないよ。
その5
RBR失速
前回まで、翼を授けられまくっていたRBRがハンガリーでまさかの失速。
予選では、軽タンのアロンソにPPを奪われたとは言え、ヴェッテル、ウェバーの順で2-3グリッドを獲得したので、決勝では大丈夫だろうとタカを括っていたら、ハミルトンの速さにについていけない。
さらには、ヴェッテルにまさかのトラブル発生、そのままリタイヤ。
なんてこった!
ウェバーが踏ん張って3位フィニッシュを果たしたけれど、前回までの勢いはどこに行ってしまったのだ。
てゆうか、明日は4回目の祝勝会やる気満々だったのに。
BGPもパッとしなかったお陰で、傷は浅い(むしろコンストポイントは縮まった)けれど、良くない兆候である。
ウィリスが抜けた影響が早くも出始めたなんて事態は勘弁して欲しい。
その6
BGP大失速。
マッサの事故に自らのチームが絡んでいたと言う事実がチームに動揺を起こさせたと言うわけでもなかろうが、今回のBGPは前回に増して不振。
マッサに事故原因となったサードダンパーの脱落の所為なのか、バリチェロがQ2で敗退。
バトンも事故調査の影響で、まともにアタックできず今季最悪の予選8位スタート。
決勝でも精彩を欠き、バトンが踏ん張ってなんとか7位に入ったが、もはやチームの失速は明らかであろう。
前半戦で稼いだ貯金を使い果たすのが先か、ホンダの資金を使い果たすのが先か、どちらにしても後半戦に向けて厳しい状況になってきたのは間違いない。
その7
ニコの良い仕事。
ニコの走りが素晴らしく良い。
今回も、4位でフィニッシュ。
燃料等裁量のアヤで4位に終わったが、ともすればウェバーを食いかねない素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
今年のウィリアムズのクルマの出来はここ数年で最も良い出来だが、悲しいかな開発資金が限られているため、最近は他チームに追い越され気味。
それでも、しっかりとポイントを持ち帰ってくるのは、流石エースドライバー。
出来れば、どこかで表彰台に乗って欲しいなあ。
チームもニコのがんばりに応えるべく、可能な限り開発を進めていただきたいものだ。
え、もう一人のドライバー?
スルーしてあげることも優しさの一つなんだよ、うん。
次回はヨーロッパGP。
昨年、ワーストと言って良いほどの退屈なレースを見せてくれたバレンシアが舞台。
多少はコースを見直したとの事らしいが、今年は少しはマトモなレースが見られるのだろうか。
昨年の惨状を鑑みるに、甚だしく期待薄だが。
ちなみに、F1は夏休み期間に入ってしまうので、次は4週間後である。
レースに出られなくてもいいから、元気なマッサの姿を見られるといいな。
マッサの快癒を心から祈って終筆。