空中に舞い上がるほどの大クラッシュしたウェバーが無傷で本当によかったです。
無事だった事を確認した上で、不謹慎な発言をするけれど、彼のクラッシュのお陰で、超面白いレースになったことを感謝。
と言う訳で、レッドブル、いろんな意味で翼を授ける!
ヴェッテルが超久々PPから一度もポジションを譲ることなく優勝してくれて、なまら嬉しい(ファステストを取り損ねたのが残念)。
しかし、今日の主役はグランドスラム寸前だったヴェッテルではなく、コース上のデブリを全力疾走で回収してくれた勇気あるマーシャルさんでもなく、カムイだったと思うのですよ!
兎にも角にも、今回のカムイはファンタスティックすぎた。
今年のザウバーで、アロンソをオーバーテイクしての7位は値千金どころか値万金くらいの価値がある。
ヴェッテルは勝ったし、カムイは大活躍だし、圧倒的じゃないか今回のヴァレンシアは!
本当に、過去2年のクソレースが嘘みたいに良いレースだった。
レースのカミサマに感謝を捧げつつ以下雑感。
その1
カムイ超覚醒
正直、18位と散々だった予選の時点で、どうひっくり返っても今回は駄目だろうと思っていた。
しかし、その予想は見事に裏切られた。それもとんでもなく良いほうに。
冒頭のウェバーのクラッシュのよるSC導入の際、ほとんどのドライバーがピットインする中で、タイヤ交換をせず走り続けたカムイ。
一気に3番手まで順位を上げた後は、前を行くヴェッテル、ハミルトンと遜色のない素晴らしいペースを刻み続けて周回を重ねたことが、なにより素晴らしい。
このまま残り1周まで引っ張れば、タイヤ交換を行ってもブエミとアロンソの前、7位に入れると思っていた54周目でピットに入ってしまったときはガッカリしたが、本当に凄いのはここから。
アロンソの真後ろに戻った後は、新品オプションのグリップを武器に、アロンソを見事にオーバーテイク。
これだけで、拍手喝采モノだが、今回のカムイはまだ終わらない。
前を行くブエミを猛追し、ファイナルラップ、それも最終コーナーでオーバーテイクして見せるなど、余りに凄すぎて鼻血が出そうになるほど興奮した。
断言する。
このカムイのパフォーマンスだけで、過去2回のレースの100倍くらいの価値がある。
カムイのパフォーマンスが素晴らしすぎて、わたくし胸がいっぱいデス。
その2
帰ってきたヴェッテル
ここ数戦、精彩を欠いていたヴェッテルだったけど、今回は久々にらしいレースを見せてくれてほっとした。
見事としか言いようのないアタックで、中国GP以来のPPを獲た時点で今回の結果は見えていたようなものだ。
PPからスタートした後は、ほぼ独壇場。
SCが導入されても何処吹く風。
ピットインしてもまったく危なげなくポジションキープ。
あとはペースコントロールしながらクルマをチェッカーまで運ぶ簡単なお仕事状態である。
あまりにも、圧倒的過ぎて勝ったのに空気状態と言う有様は、応援している身として喜ぶべきなのだろうか。
ともあれ、今回の勝利でチャンピオンシップを3位まで戻せたのはなにより。
次のシルバーストンはRB6向きの高速コーナーがあるコースなので、次も期待しても良さそうだ。
その3
SCにまつわるエトセトラ。
ウェバーのクラッシュによるSC導入の際に、よくわからない順位の変動が起きたのだった。
例えば、2位走行中にSC導入されたハミルトンは、SCインした後も2位をキープできたのに、ハミルトン真後ろを走っていたアロンソはSCインしたあと、何故か10番手前後に落ちちゃったり、おや?と思う事態になった。
なんでこんな事態になったかと言うと、抜いちゃいけないSCを抜いちゃったりとか、SCが出た直後にピットしちゃったりとか、なんかよくわかんないけどイロイロあったらしい。
因みにSCを抜いちゃったハミルトンは、ドライブスルーペナルティを喰らったけど、後続とのギャップが大きかったため実質ノーペナで2位で戻れたと言う、なんだかなあと言う状況に。
でもって、SCラン中にやらかしたと思しきドライバー達がレース後審議に掛けられることになった。
対象のドライバーは、バトン、バリチェロ、ヒュルケンベルグ、クビサ、ペトロフ、スーティル、リウッツィ、ブエミ、デ・ラ・ロサの計8名。
もし、全員にピットスルーペナルティに相当する違反が認められた場合、レースリザルトに20秒のタイム加算がされることになる。
要するに、どう言うことになるのかと言うと、カムイの前でフィニッシュしたドライバー、バトン、バリチェロ、スーティルにタイム加算されるわけだ。
なので、ことによるとカムイは4位になれちゃう可能性があるわけですよ!
バトンとのギャップがもう少し小さければ、最終結果3位なんてのも夢じゃなかったのだが、贅沢を言っても仕方ない。
仮に全員ノーペナだったとしても、今回のカムイの7位と言う結果が色褪せる事はないし、いっこでも順位が上がったらラッキーくらいに考えておくのが良い感じじゃないかしら。
その4
メルセデス撃沈。
今回、ビッグアップデートをおこなったメルセデス。
たぶん、中の人たち的には、よーし、これでトップ3との差を詰めちゃうぞー!くらいに考えていたのだろうが、これがもう清々しいほどまでに大外し。
クルマが思うように走ってくれないのが、素人目にも分るくらい苦労しまくっていた予選は、シューマッハは兎も角、ニコまでQ2落ちと言う散々な結果に。
決勝でも、特に印象的なパフォーマンスは発揮できず、ニコがなんとか12位に入るのがやっと。
シューマッハに至っては、散々どころか暗澹とでも言うべきひどい有様で悲しくなっちゃう。
最終的にはレースを捨てて(たぶん)タイヤテストに移行しちゃうとか、どうしちゃったのセブンタイムスチャンピオン!
意地で一瞬だけファステストをマークしたのが、せめてもの救いかな…。
その5
今週の新規チームの皆さん。
まず言っておきたい。
ロータスが500戦メモリアルとか言ってるけど、チーム・ロータスとロータス・レーシングは別物だから。別物だから!
等と言いつつ、500戦メモリアルマークをつけたT127のステキさにクラクラ来てしまう情けないわたくし。
もっとも、500戦メモリアルと嘯くレースは、コヴァライネンがウェバーと絡んで(これがウェバーの大クラッシュ)リタイヤ。
トゥルーリもトラブル(ギアがスタックしたっぽい)で、なんとかフィニッシュしたものの2ラップダウンの最下位フィニッシュと言う残念な結果になっちゃったんだけども。
でも、予選では相変わらず新規チームではトップの仕上がりだし、自称501戦目に向けて頑張ればいいんじゃないかな。
HRTとヴァージンについては、特に進捗が見られなかったので言う事はありません。
その他、クビサがQ2までバカっ速だったとか、地元GPのアロンソがちょっとアレだったこととかについてはスルー。
次回はイギリスGP。
大改修されたシルバーストンが24台のF1をお出迎え。
噂によると、モンツァ以上のアベレージスピードを誇るコースになったっぽいので、ちょっと楽しみ。
マゴッツ、ベケッツ、チャペルの高速S字が健在なのは嬉しい。
おそらくRBRとマクラーレンの一騎打ちになると思われるが、できればRBR(それもヴェッテル)に勝って欲しいものだ。
そう言えば、ロータスはホームGP扱いで挑むのかなあ、なんてどうでも良いことを考えながら終筆。