レッドブル、翼を授ける!
のは良かったけど、またもウェバーだったのがなんとも。
いや、今週もウェバーは完全無欠だったので結果に異論は微塵も無いのだけれど、ヴェッテルが精彩を欠きまくっていたので、がっかりと言うかなんと言うか。
肝心のレースは、4回もSCが入ったとは言え、概ねいつものモナコらしいトレイン状態だったけど、序盤のリタイヤ祭りと、ピットスタートだったアロンソのオーバーテイクショーと、ファイナルラップ最終コーナーでのシューマッハの逆転劇が面白かったので、それなりのレースだったんじゃないかしら。
中盤、眠くなった事は否定しないが。
以下、その他雑感。
その1
ウェバーの完璧な週末。
微塵も文句のつけようがない速さでモナコを席巻してしまったのは、前述のとおりウェバーだった。
フリーでは特に目立った速さを見せていなかったのに、予選でコースレコードをあっさり破る驚速タイムをたたき出して、決勝もそのまま脅威のペースで危なげなく優勝を攫っていってしまった。
バレンシアに引き続き完璧にレースを掌握してみせたウェバーを見て、もしかするとこのままチャンピオンシップまで攫っていってしまいそうな気がしてきた。
昨年の後半みたいな状態に陥らなければ、その可能性は十分にあると思う。
その2
低迷するヴェッテル
辛うじて2位フィニッシュを果たしたヴェッテルだが、まったく精彩を欠いたレースだった。
良かった点と言えば、スタートでクビサを交わして2位に上がった事のみ。
それ以外の内容については全く評価する事ができない。
4回もSCが入ったレースだったにも拘らず、ウェバーの影すら踏む事ができなかったどころか、逆にクビサに噛み付かれる有様。
モナコで無ければ、確実にクビサにオーバーテイクされていたことだろう。
ウェバーが完璧すぎるほど完璧な内容でレースを制しただけに、今回のパフォーマンスには落胆を覚えざるを得ない。
その3
今週のMVP
今週のMVPは間違いなくクビサである。
トップ4に劣るはずのR30を駆り、予選でRBRに割ってはいる2位獲得。
決勝では、スタートでヴェッテルに交わされこそしたものの、そのヴェッテルに勝るとも劣らない素晴らしいペースを刻み続けて、見事に3位フィニッシュを果たした。
ドライバーズサーキットたるモナコで見せたこのパフォーマンスに、最大限の賞賛を贈りたい。
クビサが持つ非凡な才能が遺憾なく発揮されたレースだったと確信できる、本当に素晴らしいパフォーマンスだった。
その4
災難続きのアロンソ
FP3で起こしたクラッシュによるモノコック破損で、予選をまるっと棒に振った時点で、今週のアロンソが駄目っぽい感じはしていた。
予選に出走できなかったお陰でピットスタートになってしまったが、最初のSC導入の際にタイヤ交換を済まして、あとは順位を上げていくだけの状況に持ち込めたの幸運だったし、その後のオーバーテイク連発もステキだたけど、最後の最後でシューマッハにやらちゃったので全て台無しである。
審議対象になったのでリザルトは確定していないし、仮に確定したとしても6位が7位になるだけなのだけど、最後の最後でしてやられた姿は、ぶっちゃけカッコ悪かった。
せっかく途中までは、自らの腕で逆境を挽回する(元)チャンピオンみたいでかっこよかったのに、画竜点睛を欠くとは、まさにこの事だ。
その5
今週の見せ場
というわけで、今週最大の見せ場は、ファイナルラップ最終コーナーで、シューマッハがアロンソを交わすシーンだと思うんだ。
SCインになった直後、チェッカーまで僅か数百メートルと言う短距離で行われた逆転劇が最大のサプライズであった。
もっとも、レギュレーションによるとファイナルラップでSCインになった場合、そのままチェッカー受けなくちゃいけないそうなので、恐らくこのオーバーテイクは無効になるだろうけど(実際、審議対象になったし)、まさかの展開に見ているほうとしては大満足であった。
今回もニコよりも上のポジションでフィニッシュできたし、この調子で、次回以降も(良い意味で)嫌らしい戦い方をしてくれると嬉しい。
その6
今週の新規チームの皆さん。
残り3周で絡んでしまったトゥルーリとチャンドックが完走扱いになったけど、実際にチェッカーを受けたクルマは0台と言う厳しいレースだったモナコ。
伝統のレースは、新規チームに手荒い洗礼をあたえたようだ。
そんな中、チェッカーこそ受けられなかったものの、ロータスはかなり戦闘力を上げてきたようで、もう一踏ん張りすれば、ザウバーの尻尾を捉えられそうな位置までつけてきた。
伊達にガスコインが率いている訳ではないようで、新規チームの中では、最もレーシングチームの体を成してきているようだ。
なので、ヴァージンとHRTはもっと精進したらいいよ!
全くの余談だけど、モナコでセナの名をタイムシートの一番下のほうで見るのは、いろいろと切なかった…。
その他、フォースインディアのW入賞とか、バリチェロのステアリング放り投げ事件とかは、とりあえずスルー。
次回はトルコGP。
今季、いまいちパッとしないマッサが輝く可能性が最も高いサーキットだけど、ここ最近のRBR無双っぷりを見ると、期待薄なんだろうなあ。
とりあえず、ウェバーにやられっぱなしのヴェッテルが、ここいらで挽回してくれると嬉しいなあと思いつつ終筆。
追記)
審議になっていたシューマッハのオーバーテイクは、案の定、レギュ違反だったようだ。
おまけにピットスルー相当の違反と言うことで、最終結果に20秒加算のペナルティまで貰っちゃって踏んだり蹴ったりである。
グリーンフラッグが振られていたのに、オーバーテイクしちゃ駄目というのは、よく分からないけど、スチュワードが裁定を出したんだから仕方ないよね(メルセデスは控訴する気満々だけど)。
見てた側としては、今回の裁定も含めて面白かったので、別にいいんじゃないでせうか。
ただ、よりにもよってヒルがスチュワードの時にこんな裁定出しちゃうと、至極どうでもいい疑惑が噴出しそうで、わくわくしてしまいますネ(ヒトデナシ的な意味で)。