跳ね馬復活の1-2フィニッシュ。
アロンソが通算22勝目を飾り、復帰戦のマッサが2位でチームとして最高のスタートを切ったけど、今日の主役は、フェラーリじゃなくてヴェッテルなんですよ!
トップ走行中、残り15周でまさかのエキゾースト割れ。
一気に5秒近くタイムを落として、一時はノーポイントの恐れすらあったのに、見事すぎるドライビングで4位フィニッシュ。
エキゾースト割れの所為でトップパワーが出なくなってしまった分、S1、S3で失ったタイムを、中低速のS2で取り戻すパフォーマンスは、素晴らしいの一言。
恐らく勝てたはずのレースを取り損ねたのは痛いが、被害は最小限に抑えたといって良いだろう。
なんてゆうか、今日はヴェッテルのパフォーマンスだけで胸がいっぱいデス。
とりあえず、最初のレースなので、各チームごとの雑感を簡単に。
・フェラーリ
今日のレースは、ほとんど完璧と言って良い。
去年の開幕戦に比べたら雲泥の差であり、月とスッポン。
ヴェッテルが後退してからのペースが異常な速さだったので、もしかしたらヴェッテルにトラブルが無くても、勝てていたかもしれない。
少なくとも、開幕戦終了時点ではスキが見当たらない。
アロンソが開幕戦勝利の勢いそのままに、あっさりタイトル獲得になりそうな雰囲気すらある。
もちろん、マッサにもタイトルのチャンスは十分にあるよ。
いきなりエンジン交換を実施したのは不安要素だけど、昨年のヴェッテルみたいに、たぶん何とかなるんじゃないかな。
・マクラーレン
ヴェッテルのお陰で、ハミルトンが3位ポディウムフィニッシュ。
去年も開幕戦3位(例のライゲートでフイになったけど)だったけど、内容は遥かに良い。
フェラーリとRBRにはちょっと劣るけど、その速さは一級品。
開発が進めば、間違いなくタイトル争いに絡んでくること請け合いである。
因みに、見事に7位入賞を果たしたディフェンディングチャンピオンのあの人については、温かく見守ってあげてください。
・メルセデス
ニコ、シューマッハの順で5-6位フィニッシュ。
フェラーリ、RBR、マクラーレンよりも、レースペースで僅かに劣るようだ。
ブラウンGPだった昨年が異常に速かったので、ちょっと肩透かしな気がしないでもない。
今のままでは、ポディウムは狙えても、勝つのは難しいかもしれない。
注目のシューマッハは、なんだか、うーんと言う感じ。
ニコと比較して、レースペースでも0.2~0.5秒遅い。
たまに、上回る事があるけれど、全盛期なら、常にリードを築けたはずだ。
やっぱり衰えは隠しきれないのだろうか。
それとも、まだレース勘が戻ってないだけで、暫くしたら昔みたいに速くなるのかな。
・レッドブル
結果的に4位だったが、ヴェッテルの速さは昨年以上に鋭さを増したように思える。
速さは間違いなくトップクラス。
フェラーリに比肩し得る唯一のチームと言って良い。
だが、ヴェッテルのエキゾースト割れに見られるように、今年も肝心なところでトラブルに悩まされそうだ。
いくら速くても、最終的に壊れたら意味が無いのだ。
今日も勝てる公算が高いレースを落としてしまった。
また、ウェバーの8位と言う順位は、クルマのポテンシャルを考えると、少し低すぎる。
チームメイトが苦戦している時に、もう一人がフォローできなかったのは厳しい。
・フォースインディア
今年のフォースインディアは、相当速い。
リウッツィが開幕から9位でポイントゲット。
スーティルは12位だったが、スタート早々にウェバーが吹き上げたエンジンスモークに巻き込まれなければ、最悪でもウェバーと8位争いをできたと思われる。
昨年は高速コースだけだったが、今年はコンスタントに入賞を狙っていけそうだ。
ただし、逆に言えば、コンスタントに速くなったけれど、昨年のスパのような大立ち回りは出来ないかもしれない。
・ウィリアムズ
バリチェロが渋い走りで、10位入賞。
地味ながら、入賞争いが出来るレベルにある事を証明できたように思う。
懸案だったコスワースエンジンのパフォーマンスも、存外に悪くなさそうだ。
ルーキーのヒュルケンベルグは、まだ少し粗い走りだが、速さはありそうなので、しかっかりと走りきれれば、バリチェロ以上のリザルトを残せるだろう。
・ルノー
ウェバーのエンジンスモークアタックに巻き込まれてしまったクビサだが、終わってみれば入賞一歩手前の11位フィニッシュ。
普通に走れていれば、バトンは喰えていたかもしれない。
見た目に反して、クルマのポテンシャルはありそうなので、次戦以降に期待したい。
ルーキーのペトロフは、トラブルでリタイヤしてしまったが、磨けば光りそうな感じはある。
クビサから何かを学べるといいのだが。
・トロ・ロッソ
思ったよりは速さはあったけれど、入賞は若干厳しい印象だ。
アルグエルスアリが一瞬だけファステストを記録したりしていたので、あとは、そのペースを持続させる事ができれば、入賞にぐっと近づくはず。
問題は、どうやってその速さを持続させるかなんだけど。
・ロータス
トゥルーリがファイナルラップで止まっちゃった(一応完走扱いにはなる)けど、コヴァライネンが見事に完走。
途中、ヒュルケンベルグとやりあったり、新規チームの中では、最も見所がありそう。
やはり、ガスコイン率いるF1経験者で固められたチームは違う。
名前だけのロータスとは言え、なんだか、すごく応援したくなってきた。
・ザウバー
マシン特性がコースとアンマッチしていた為かもしれないが、開幕戦は非常に厳しい結果に終わってしまった。
デ・ラ・ロサもカムイも完走ならず。
一応とは言え2台完走を果たしたロータスよりも悪い結果には、チームも落胆を禁じえないのは無いか。
レースペースも悪く、ルノー、フォースインディア、ウィリアムズと行ったセカンドグループから、1秒弱遅れているのは痛い。
テスト結果から考えれば、ここまで悪くなるとは思えないので、やっぱりクルマとコースの相性が合わなかったためなのだろう。
メルボルンのレースに期待したいが、万が一そこでも駄目なら、今季は相当厳しくなってしまうかもしれない。
・ヴァージン
とりあえず、ロータスと同じくらいの速さはありそうだけど、致命的なまでに信頼性が無い。
ディ・グラッシが早々にハイドロ系と思われるトラブルでリタイヤし、グロックもレースを半分も消化しないうちにリタイヤ。
そして、やっぱりクルマの挙動が危なっかしい。
あれでは、ドライバーが攻めきれない。
もっとクルマのスタビリティを高めてあげないと。
前述のように、速さはロータスと同じくらいの速さはあるっぽいので、問題が解決できれば、面白い存在になりそうだ。
・HRT
開幕戦は、事実上のマシンテストの場であった。
チャンドックが、バンプに足を取られて、いきなりクラッシュしてしまったのは痛恨だったと思われる。
ブルーノのペースは悲惨を極めたが、テストと考えれば仕方ない。
何しろ、シャシーとエンジンのマッチングも出来上がっていない状態なのだから、むしろ、その状態で18周もよく走ったものである。
このチームの場合、本当にヨーロッパラウンドになるまでは、レースがテスト状態になりそうな予感がするので、競争力云々は、ヨーロッパラウンドに入るまで評価を控えたほうが良さそうだ。
心配されていた新チームのペースが、HRTを除き、あんまりレースに影響を及ぼすほど遅くは無かったのは良い意味での驚きだった。
ヨーロッパラウンドに入る頃には、おそらく誰も気に留めないレベルになるだろう。
今回のレースを見る限りでは、フェラーリとRBRがトップを走り、半歩遅れてマクラーレン。さらに半歩遅れてメルセデスが続く状態な様だが、果たしてメルボルンではどうなる事やら。
これからの展開に期待に胸を膨らませつつ終筆。