昨日の続き。
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警告したところで、何事もなかったかのように各チームの総括と言う名の妄言を投下。
1.Brawn Grand Prix F1 Team
前身がホンダだったとは思えないほどの圧倒的な強さを見せたBGP。
存続すら危ぶまれたチームが、終わってみればWタイトルを掻っ攫うなど、開幕前に一体どれだけの人間が予想しただろう。
これだけ圧倒的なパフォーマンスを持ったクルマを作り出せる人材を持っていながら、それを微塵も生かすことの出来なかったホンダのマネージメント能力の低さって、ある意味奇跡だったのかもしれない。
このBGPの奇跡のようなパフォーマンスを支えたものの一つに、メルセデスエンジンの存在があることは明白である。
頭一つ抜け出たパワーを発揮しながら燃費も良いと言う夢のようなエンジンがなければ、果たしてここまでの結果を残せたかどうか。
圧倒的だった序盤に比べて、後半に勢いがなかったのは事実だが、一説によると、6月の時点でBGP001の開発をほぼ終えて、以降は来シーズンに向けての開発に傾注していたそうである。
これが事実なら、RBRやマクラーレンに追いつかれたのも納得がいく気がする。
指摘されていた資金面も、ダイムラーの資本が入ったおかげで、ほぼ心配がなくなった。
バリチェロがウィリアムズへ移籍し、
バトンもマクラーレンに移籍しちゃったけど、ドライバーが変わっても、メルセデスGPとなる来期の競争力は磐石だと思う。
2.Red Bull Racing
大躍進の年。
ヴェッテルはその輝く才能を遺憾なく発揮し、ウェバーは今までの鬱憤を晴らすかのような速さを見せてくれた。
開幕前、F1RACING誌で、すでに終わった人間であるかのような記事を書かれたニューウェイ先生がデザインしたRB5は、今期のグリッド上最速の傑作マシンだった(予断だが、F1RACING誌は、我々の認識が誤っていた旨の記事を後日誌上に載せている)。
他にない個性を持ったクルマが、どこよりも速いと言う図は、まさに痛快の一言。
BGP独走で終わると思われたシーズンを救ってくれたのはRBRのおかげと言っても過言ではあるまい。
ただ、惜しむらくは圧倒的な速さを持ちながら、総合的な強さでは遂にBGPに適わなかったこと。
ルノーエンジンが壊れまくった事も確かだが、ヴェッテル、ウェバーともに肝心な場面でのミスが目立ったのも否めない。
また、チームのストラテジーも、BGPに比べ劣っていたと言わざるを得ない。
この点を踏まえて、来期は雪辱を果たして欲しい、
と願いたいところだが、最終盤までRB5の開発を続けちゃったので来期のリソースの割り振りに不安が残るし、いまだにエンジンが正式決定していない(ルノー搭載だと思うが)し、RB6と呼ばれるであろう来期のクルマの出来が超心配です。
それでも、ニューウェイ先生とヴェッテルなら何とかしてくれる…はず!
3.Vodafone McLaren Mercedes
開幕戦からMP4-24のあまりの駄馬っぷりに、今期はもうだめかもしらんと思ったのも今は昔。
モノコック自体の変更(たしか4回は変更しているはず)を含む、ほぼ毎戦ごとに大幅なアップデートを施された駄馬は、遂には駿馬に生まれ変わった。
すごいよ、マクラーレン。
テストが禁止されたにもかかわらず、圧倒的な開発能力を見せ付けたのは流石名門。
後半戦だけ見れば、最もポイントを獲得したのはハミルトンであり、如何にマクラーレンの開発能力が図抜けているのかが分かろうというものだ。
最初から、後半戦並みの速さを発揮できていればタイトルはマクラーレンとハミルトンのものだったかもしれない。
しかし、現実にはそうならなかったわけで、その要因はKERS搭載にあったと判断せざるを得ない。
本来、補助的な役割を果たすはずのKERSの開発にリソースを割かれちゃった所為で、肝心のクルマの開発が滞ったのでは本末転倒である。
それでも、最後までKERSを使い続けて、一級品の戦闘力を持つデバイスにまで育て上げた点は評価してあげないといけない。
まあ、来年からKERSは搭載しないんだけどね。
4.Scuderia Ferrari Marlboro
05年以来の低調なシーズンを送った跳ね馬。
前年のコンストラクターチャンピオンチームがトップ3から転落するのは、88年のウィリアムズ以来である。
低迷した原因は、マクラーレンと同じくKERSの開発に手間取ったことが挙げられるが、レース戦略の拙さこそが最大の要因だった気がする。
予選通過タイムを見誤ってQ1落ちすること2回、燃料搭載量を誤って手にしていたはずの4位をみすみす逃したこと1回、その他細かいミスを上げたらキリがない。
ブラウンが去り、そしてトッドも去ってアングロイタリアン化が進むにつれて、どうしようもないミスを連発するようになったのはどうなのか。本当にどうなのか。
また、マッサの事故の影響も無視することは出来ない。
あの事故は実に不運であったとしか言い様がないが、その後の代役2名が揃いも揃って0Pだったのは痛恨だった。
代役のバドエルとフィジコを擁護するためにドメニカリが言った「F60は乗りにくいクルマ」と言う発言は、今期のフェラーリのダメさ加減を象徴している発言ではなかろうか。
あまりのダメさ加減に早々に開発を打ち切られたクルマで、乾坤一擲の勝利を挙げたライコネンにマラネロのお歴々は感謝するのを忘れないように。
でもって、貴重な勝利を挙げてくれたライコネンを放出(悲しい事に
来期は休養らしい)して、来期はアロンソとマッサのコンビとなる。
早々に開発を打ち切ってまで、来期のクルマの開発に賭けてきたんだから、アロンソとマッサが悲しい思いをすることのないパフォーマンスを発揮して欲しいものだ。
5.Panasonic Toyota Racing
バーレーンで勝ちきれなかった。
それが全てである。
開幕前から勝てなければ撤退と言われていたトヨタにとって、バーレーンは千載一遇の大チャンスであったし、勝てるだけの速さもあったと思う。
それを消極的なタイヤ戦略で掴みかけていた勝利を逃したときに、この結果は決まっていたのかもしれない。
あるいは、勝利できていたとしても結果は変わらなかったのかもしれないが、少なくともF1の歴史にトヨタの名を良い意味で刻むことが出来たはずだ。
02年の参戦時に、3年で初勝利を目指すと言っていた過去は遥か遠く。
140戦0勝。
09年11月4日、世界の巨人は勝利の美酒を味わうことなくF1から姿を消した。
6.BMW Sauber F1 team
昨年終盤までタイトル争いに喰らいついた速さは、年が明けた途端になりを潜めてしまった。
どのチームよりも大きな声で導入を推進してきたKERSは、皮肉にも重い枷となってF1.09から速さを奪い、遂にはそれを放棄せざるを得ない状況にまで追い込まれるなど、タイセン博士を始めチームの誰しもが予想しない結果だったに違いない。
しかし、KERSをはずし大改良を施したF1.09で挑んだイギリスでは結果を残せず、その1ヵ月後にF1からの撤退の決断を下す事に。
KERS搭載の道を選ばなければ、おそらくF1撤退の道を選ぶ事はなかっただろう。
事実、撤退表明後に漸くKERS無しでのバランスを見出したF1.09は、今までの低迷が嘘だったかのように快走を始めたのだから。
BMW最後のシーズンは、ニックとクビサが1回ずつ表彰台に上ったことがベストリザルト。
08年に見せた煌くような速さを遂に見せることなく、BMWのF1プロジェクトは幕を閉じた。
BMWの名はF1から消えるが、チームはカドバックに買収され存続の道を探っている。
チームの名はどうあれ、来期のグリッドに元BMWザウバーのクルマが並んでいる事を切に願う。
7.AT&T Williams F1 Team
事実上、1台体制で参戦していたシーズンとなってしまった。
BGPとRBRの速さが頭抜けていたため陰に隠れがちだったが、FW31の速さは決して捨てたものではなかった。
フリーや予選で発揮した一発の速さがその証拠。
決勝でも、あともう少しだけ運があれば、ニコが一度くらいはポディウムにあがれていたと思う。
その運を拾いきれなかったことが、今のウィリアムズの全てだと言われたらそれまでだが。
ともあれ、コンスト7位と言う結果は、FW31の速さから考えれば、ありえない順位なのだが、その理由は冒頭に記したとおりである。
ニコがたった一人で戦い抜いたシーズン、今年のウィリアムズを表すのに、これ以上相応しい言葉は無いのではなかろうか。
一貴がニコの半分でもポイントを稼ぐ事が出来る能力を持ったドライバーであれば、BMWを逆転しトヨタに肉薄できたかもしれないが、残念ながら彼にはそれだけの能力がなかったようだ。
今季限りでニコが離脱し、来期は大ベテランのバリチェロとルーキーのヒュルケンベルクのコンビとなる。
FW32と呼ばれる筈の新車が背負うのは、トヨタではなくコスワース。
ルーキーと久々にF1復帰のエンジンの実力は未知数だが、いい方向に向かってくれる事を祈って止まない。
8.Renault F1 team
ダブルデッカーディフューザーが合法と判断された瞬間に、R29のエアロコンセプトは崩壊したと言っていい。
合法の判断が出た後に、何処よりも早くダブルデッカーを搭載はしたは良いがトップに追いつくまでの速さを身に付けることは出来なかった。
早々にKERS搭載を諦めて開発方針を変更しても、アロンソが毎レースのように限界まで攻めても、今ひとつリザルトは上向かないまま。
それでも昨年、R28を2勝を挙げるまでに鍛え上げた開発能力を信じ、諦めずに戦い続けてきた矢先でのクラッシュゲートは、チームにとって痛恨以外の何者でもなかったはずだ。
因縁のシンガポールでのアロンソによる3位ポディウムが、今季のハイライトであったのは何かの皮肉だろうか。
ルノーがクラッシュゲートで受けた打撃の深さは、未だ不透明な来期の参戦体制が物語っている。
不動のエースであるアロンソはフェラーリへ移籍し、クビサが新たなエースとしてチームに迎えられたが、肝心のチームの先行きが不透明ではどうしようもない。
これ以上の撤退劇はもう見たくないのが偽らざる本音だ。
せめて来期だけでもチームとして参戦して欲しい。
たのむよ、カルロスおじさん。
9.Force India F1 team
昨年までグリッド最後尾が低位置だったチームは、マクラーレントの技術提携とメルセデスエンジンの力を得て大きく飛翔した。
序盤こそ、その速さを発揮するには至らなかったが、少ないリソースを決め撃ちで投入したアップデートが尽くあたり、中盤戦以降の速さは今までの認識を改めさせるのに十分なものがあった。
そしてハイライトは、もちろんベルギーGP。
チーム初のPPをもたらしたフィジコが、勢いをそのままに決勝でも力強い速さを見せ、チェッカーまでライコネンに喰らいつく様は、ある種の感動をおぼえるほどだった。
イタリアGPでのスーティルの4位もファステストラップを記録しての結果だったし、後半のフォースインディアの速さはまさに目を瞠るものがあった。
昨年まで箸にも棒にもかからなかった弱小チームが何故ここまでといぶかしむ者も居ようが、チームの元を辿ればフェラーリ、マクラーレンを相手に堂々の立ち回りを演じたジョーダンである。
10年前見せたレース屋根性は、時を超え、チームの名さえ変わりながらも、チームの奥底で目覚めの時を待っていたのかもしれない。
来期も引き続きメルセデスエンジンを搭載するし、後半戦の速さでチームに自信も付いたと思うので、ぜひもう一つ上を目指してがんばって欲しい。
小さなチームが大きいチームの鼻を明かすのを見るのは、いつだって痛快極まりないのだから。
10.Scuderia Toro Rosso
昨年はヴェッテルと共にイタリアGPで優勝するなど輝いたSTRだが、今季はどうにも地味だった印象が拭えない。
本家RBRと基本的に同じシャシーを採用するSTR4だったが、RBRほどの速さを見せることはなく、ポイント圏内ギリギリのところをうろうろするばかり。
RBR重視のシーズンだったため、アップデートパーツが数戦遅れで搭載されるなどの不利があったとは言え、もう少し目立っても良かったんじゃないだろうか。
昨年の輝きが、いかにヴェッテルと言う才能に支えられていたかが良く分かるシーズンだったとも言えなくもない。
とは言え、おおよそRB5と同仕様となった終盤戦は、ブエミがそれなりに光るところを見せたりしたのので、まだまだ捨てたもんじゃない。
来期はレギュレーションでRBRと同じシャシーは使えなくなるので、なんとしてもシャシーの自作を果たさねばならないが、たぶん、なんやかんやでRBRと同じシャシーになりそうな気がしてならない。
どういうカタチであれ、新規参戦の4チームに遅れを取る事の無いよう開発を進めて欲しいものだ。
以上、各チームの総括もどき了。
来期はUSF1、カンポス、マノー、そしてロータスと新規参入のチームが入ってくるので、久々にフルグリッドのF1が見られるはず。
もっとも、仮に問題なくフルグリッド埋まっても、見られるかどうかはフジTVが未だに来期の放送契約を締結してなので予断は許さないんだけども。
とりあえず、なんとかフジTVが契約更新してくれることを祈って来年の開幕を待とうと思う。
でもその前に各チームの新車発表があるのだった。
給油禁止になる来期、どんなデザインのクルマが出てくるのか今から楽しみで仕方ない。
シーズンが終わっても、F1は面白いのだ。