スパウェザーすげえ。いろんな意味で。
いろいろと荒れたベルギーGPを制したのは、磐石なレースを展開したハミルトンだった。
スタートでトップに立てたのが大きかったとは言え、雨に惑わされる事なく(若干、危ない部分もあったけど)レースを組み立てて見せたのは、お見事の一言に尽きる。
今回の優勝で、2位に終わったウェバーを逆転してランキングトップに返り咲き。
とは言え、その差は3P。
ヴェッテルとアロンソとバトンがノーポイントに終わったので、タイトル争いは、ハミルトンとウェバーの一騎打ちの様相を呈してきたのではないかな。
以下雑感如例。
その1
セバスチャンの自爆。
今回のヴェッテルは酷かった。
筆舌に尽くし難いほど酷かった。
ペースが上がらないバトンに抑えられて我慢が出来なかったのかなんだか知らないけれど、ミスってバトンに激突するなど論外である。
可哀相なバトンはラジエーターを壊されてリタイヤしてしまった。
ノーズを壊しただけで済んだヴェッテルは、一応レースに戻ったけど、当然ペナルティ。
ドライブスルーを喰らって、再び追い上げを始めたと思ったら、今度は、リウッツィをオーバーテイクするときに、Fウィングに接触してリアタイヤをパンクさせ事実上レース終了。
さらにダメ押しで、最後の雨による一斉ピットのときにアロンソと接触する体たらく。
こんな状況でフォローなんかできるワケけない。
なぜ、あそこまで焦ったレースをしたのかさっぱり分らない。
一応、ランキング3位に付けてはいるが、トップとの差は31P。
残り6戦あれば逆転可能なポイント差ではあるが、今のヴェッテルにそれを期待できるだろうか。
その2
アロンソの憂鬱。
今回のアロンソは再び運に見放されたようだ。
フリーでは絶好調だったのに、予選では雨に祟られてまさかの10位。
決勝では、早々にバリチェロに激突されて想定外のピットを行う羽目になるし、やっとこポイント圏内まで上がってきたなーと思ったら、雨に足元をすくわれて単独スピン自爆リタイヤと言う語るも涙な散々なレースだった。
バトンもヴェッテルもノーポイントだったので、ランキングは5位のままだけど、トップとの差は41Pにまで開いてしまった。
今のフェラーリの競争力を考えると、ものすごく厳しいポイント差に見えるのは気のせいですか?
フェルナンド・アロンソの明日はどっちだ。
その3
バトンの憂鬱。
アロンソに引き続き可哀相なチャンピオン経験者であるジェンソン・バトンさん30歳。
予選は5位に終わっちゃったけど、決勝ではスタートを上手く決めて、2位までポジションアップ。
雨がらみの難しいコンディションの中、ヴェッテルに猛追されつつもポジションをキープし続けて、こう言うコンディションのレースになるとバトンは巧みだなあとか思ってたら、ヴェッテルに激突されてリタイヤとか、いくらなんでも可哀相すぎた。
事が上手く進めばハミルトンと1-2フィニッシュも夢じゃなかったのに、まさかのノーポイントに終わるとは。
ハミルトンとの差は35P。
同じクルマに乗ってるけど、なんと申しましょうか、すごく遠い差になってしまいましたよね…。
その4
殊勲のクビサ
ランキング上位勢がとっちらかった内容のレースに終始した中、待望のFダクトを搭載したR30を駆るクビサは光っていた。
予選3位から、一時はウェバーを抑えて2位にポジションアップ。
レースペースもマクラーレンやRBRと遜色のないタイムを刻みつづけるなど、素晴らしいとしか言いようがない。
唯一勿体無かったのは、ピットストップのときに停止位置をオーバーランしてしまってタイムロス。
折角の2位をみすみすウェバーに献上する事になってしまった。
とは言え、それ以外は、ほぼパーフェクトなレースだったし、相棒のペトロフも9位入賞を果たしたし、チームも着実に競争力を身に着けているようだ。
マクラーレンは兎も角、RBRとフェラーリはやらかし気味なので、今後も隙を見てレースを引っ掻き回してくれると、なまら嬉しい楽しい。
その5
300戦メモリアル。
前人未到のF1通算300戦目を迎えたバリチェロさん。
特別デザインのヘルメットとレーシングスーツも用意したし、予選も7位だったし、クルマも悪くないし決勝でも期待できちゃうな! なんんて思ってたら、速攻でアロンソにドーン!とか面白すぎます。
そう言えば、パトレーゼの記録を抜いたGPでも散々だったような気がする。
その6
カムイ奮闘。
予選でのザウバーの体たらくを見る限り、今回は全く期待できないと思っていたのに、見事に、それも良い方向に予想を裏切ってくれるカムイはエライ子ですネ!
予選で、インターミディエイトでいくべき所をスリックで出て行くという大失策を犯して19位だったのに、決勝では、予選で翻弄された雨を味方につけて、あれよと言う間にポジションを上げて、終わってみれば見事に8位入賞である。
レースペースも悪くなかったので、予選が上手くいけばと言う思いもあるけれど、とりあえずは良しとしておこう。
バーキンは戻ってきたし、新しいスポンサーも付いてくれたし、前半戦の苦境からは想像もつかないほどチーム自体も良い感じになってきたんじゃないかな。
この調子をキープして、鈴鹿でも快走を見せて欲しいものだ喃。
その他、スーティルが絶好調だった事とか、メルセデスが雨を上手く利用したこととか、いつもの新規チームの皆さんの事についてはスルー。
次は、イタリアGP。
超高速モンツァが舞台と言う事で、ストレートスピードがバカっ速いマクラーレンとフォースインディアに期待がかかる。
それに対してRBRは、モンツァではかなり厳しいのではないだろうか。
去年はワーストレースと言って良いくらいの散々な内容だったし。
ハミルトンにとっては、ウェバーとの差を広げる大チャンスである。
逆に言えば、万が一にもここを取りこぼすような事があれば、チャンピオンシップの天秤は、一気にウェバーに傾きかねない。
地元GPであるフェラーリも全精力を傾けてくるだろうし、レースのお膳立てとしてはこれ以上ないくらいのモノが揃っている。
今から2週間後が待ちきれません。
そんな気持ちとは裏腹に、個人的理由で相当激動の2週間になりそうなことに暗澹となりつつ終筆。