2009年03月20日
クルマのネタも溜まってきてるのですが、いつ出してもいいような内容なので、もう少し暖めておきます。
最近は半ば鉄ブログ化してる今日この頃ですが、傍から見ると、なんでそこまで熱くなる?と思われてしまうかもしれません。
特に今回の富士/はやぶさについては、時間の許す限り撮っていたので、たしかにそうだろうとも思います。
もちろん、東海道線から寝台列車がなくなる。という理由は大きいのですが、それ以上に、今後、JR東日本の南関東エリア(特に小田原~熱海間は東海道線の名撮影地ばかり。)で客車列車(電気機関車などの機関車が駆動力を持たないの列車を牽引する姿)が見れなくなる可能性が非常に高いので、少しでも写真に残しておきたかったという思いがあります。
話はちょっとズレますが、以前から鉄道事業や鉄道ビジネスについての著書をいくつか読んでいるのですが、ブルートレインを含む優等列車の廃止の多くは、車両の老朽化や利用率の低下の理由と同じくらい、JR各社間の協力や調整ができていない。というのがあるとも言われています。(富士/はやぶさは静岡空港開港という大義名分もあったけど、静岡空港ってそれほど多くの人に利用されるのでしょうか?)
ブルートレインのような長距離列車はJR各社を跨いで運行されることが多いのですが、深夜時間帯の運行エリアは乗客の昇降がほとんどありません。 しかし、通過するだけでも各駅には駅員を配置するだけでなく、駅の照明を点灯しなければならないので、その経費はバカにならないものになります。
さらに車両使用料や線路使用料といった費用も嵩んできます。
例えば、富士/はやぶさの客車はJR九州、本州内での電気機関車(EF66)はJR西日本管理。 昨年廃止された銀河は、客車はJR西日本、電気機関車(EF65)はJR東日本管理でした。
そこにJR東海の方針なのか、機関士(電気機関車やディーゼル機関車の運転士)の養成をしなかったらしく、定年退職により機関士が減り、現在では機関士不足とも噂され、昨年廃止された銀河は乗車率がそれなりに高かったのにも関わらず、その煽りをモロに食らったとも言われています。
富士/はやぶさについては深夜にJR西日本管内を運行するので、JR西日本も存続にあまり乗り気でない上にJR東海の機関士減少が重なり、利用者減少がさらなる追い討ち・・・。
でも、サンライズ瀬戸、サンライズ出雲は電車寝台特急なので今のところは大きな問題は出てないようです。(10年前に車両を新規更新しオール個室化して設備やセキュリティ面も充実してるので利用率が高い。)
こうしたJR各社間の事情で東海道ブルートレインが追い込まれていったというのが、廃止になった表に出てこない理由とのことです。(500系のぞみが、東海道ラインから来春に引退するのも、表向きには乗客からの不満(狭い。揺れる等。)などが言われてるけど、裏事情はJR東海とJR西日本の御家事情によるところのようです。)
話を戻して、今後JR東日本が開催する鉄道イベントがあったとしても、JR西日本所有のEF66型ブルートレイン牽引機が機関士不足のJR東海を越えてJR東日本エリアに姿を見せることはもうない・・・と予想したので、それならば・・・という思いで撮り続けていたのです。(JR東海を回避し交流電源の北陸本線経由で、わざわざ機関車だけを引っ張ってくるだけみたいなことも考え難い。)
EF66型でなく別の機関車(直流機だとEF64かEF65)を使い、JR東日本所有の客車で団体専用列車や臨時列車して南関東エリアに・・・という期待がない訳ではないですが、JR東日本の団体専用列車(通称:ジョイフルトレイン)もほとんどが電車か気動車化してるので、客車が充当されるというのはよほどのことがない限りないと思っていいのかもしれません。
一方、JR東日本の鉄道博物館が予想を上回る来場者数になり、JR西日本も京都の梅小路公園に2014年開業を目指した鉄道博物館、JR東海も名古屋に2011年開業予定の鉄道博物館を予定してるようです。 常設の博物館/美術館業界が風前の灯の中、鉄道に関する博物館が賑わう(=収益が望める)けど、JR各社を跨って運行する長距離列車が廃止/減少されていく・・・という皮肉な結果を招いてます。
線路は日本中繋がっていて物理的には今も変わらないのですが、実際には気持ちが通いにくくなっているのが実情で、今後はその傾向がさらに強くなるんじゃないかと予想してます。
とはいえ、蜘蛛の糸くらいしかない期待を持ち、何かのイベントで東海道ラインを客車列車が走るときや、近場の路線でレアな機関車が運用されるときがあれば、できる限り時間を作って観にいきたいと思います。
Posted at 2009/03/20 13:30:43 | |
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鉄分補給? | 日記
2009年03月18日
年度末の追い込み、そして私事でもバタバタな毎日で、みんカラ離れな日々が続いています。
もう先週のことですが、3月13日(金)、富士/はやぶさ号のラストランを見送ってきました。
ラストラン以降、いろんなTVニュース、web上の記事や個人の雑感、画像、動画を見て万感の想いを受けたのですが、自分なりに見送ったときの想いを書き留めておこうと思います。
当日は仕事を定時で終え職場最寄駅の田町に着くと、ホームはもちろんのこと、ホーム上の自由通路も数え切れないくらいにカメラを構えてる人ばかり。
何時間前から待っているのだろう?・・・と思いつつも、自分は横浜駅で見送る予定だったので、東海道線に乗るために品川へ向かいました。
品川に着いても、どこかカメラを持ってる人が多く目に入ってきます。 乗り換え用の跨線橋で東海道線の旅客ホームが臨める場所、そして東海道線下りホームに面した臨時ホームにも隙間なくカメラを構えてる人がいます。
正確には数えられないけど、臨時ホームだけでも5百人くらいはいたのでしょうか。 この様子だけでも、ただごとではないというのが分かります。
品川で富士/はやぶさの一本前を行く下り普通列車を待ってた18時03分、東京方からハッキリと聴こえる機関車の警笛音。 品川まで聴こえるほど長く、そして強く鳴らしてくれたようです。 それもあってか臨時ホームの人たちがざわめきます。 いよいよ九州へ向けてのラストランが始まったみたいです。
富士/はやぶさの一本前に乗ったのは、多摩川での最終下り富士ぶさお見送り隊を見るため。
普通列車の先頭車の扉脇に乗り、窓から外を見てるとフラッシュ?らしきのが何度も光るのに気付きました。 目線を下にすると、沿線で列車を見れる場所ごとに、老若男女問わずホントに多くの人が見送りに来てるようなのです。 踏み切り毎に10人以上。 金網越しに見えるところでも数人。 それがずっと続いているので品川~川崎間の進行方向に向かって左側だけでも数百人いるのではないでしょうか。
ちょうど夕方5時すぎの各局のニュースで「これから東京発最後のブルートレイン「富士/はやぶさ」のラストランが始まる。」というのが大きく取り上げられたようで、この一大イベントが鉄道ファンだけでなく沿線の人たちも動かしたようです。
そして多摩川を渡るとき・・・最終下り富士ぶさお見送り隊の人たちは普通列車にも手を振ってくれてました。 最後のリハーサルなのかもしれませんが、とても感動。
後で動画を見たのですが、富士/はやぶさもこの見送りに応えるかのような特別?な警笛だったようです。 今までいろんな警笛を聴きましたが、この見送り隊への警笛音が最高に感じます。
横浜駅に着くと・・・朝の通勤時以上に混雑していました。 例えていうなら、超満員の列車に乗ってる車内の人混みをそのままホームに降ろしたような感じとでも言いましょうか。 東海道線の横浜駅のホームをご存知の方は想像して頂きたいのですが、下り(小田原方面)の6番ホーム、上り(東京方面)の7番ホームは完全にロープで規制して、富士/はやぶさ以外の列車を入れないようにしてあります。 (下りは待避ホームの5番、上りも8番を使っての運用。) 後でニュースで知ったのですが、見送りに来た人の数は東京駅で3千人超、横浜駅でも2千人超だったとか。
18時30分、定刻よりも3分遅れで富士/はやぶさがゆっくりと入線してきて停止します。 人混みで列車の傍には行けないので、後ろの方で人混み越しに見るのが精一杯。 機関車も列車も上1/3くらいしか見えません。 停車時間を惜しむかのように隙間がないくらいのフラッシュが光ります。 私は撮影することよりもこの場にいれることで十分でした。
18時32分、観衆に別れを告げる警笛が鳴り響き、ゆっくりと蒼い車体が動き始めます。 それと同時に、どこからともなく拍手、そして「ありがとう!」や「お疲れさま!」の声がいくつも。 自分も感謝の気持ちでいっぱいになり、目を潤わせ自然と拍手をしてました。
昨年の銀河号廃止をリアルに見送ることができなっただけに、富士/はやぶさはリアルで見送りたいという思いで、どこでどんな風に見送るかを前日まで考え、その結果としてこういう見送り方をしたのですが、ブルートレインがどれだけ多くの人から愛されてたかというのを目の当たりにした思いです。
子供の頃から何度も見に行った憧れの東海道ブルートレイン。 最盛期は夕方から15分や30分おきくらいに運行されてたのではないでしょうか。 自分が記憶してるだけでも、さくら(長崎/佐世保行き)、はやぶさ(鹿児島本線経由、西鹿児島行き)、みずほ(熊本・長崎行き)、富士(日豊本線経由、西鹿児島行き)、出雲1号(浜田行き)、あさかぜ(博多行き)、瀬戸(高松行き)、出雲3号(出雲市行き)、いなば・紀伊(米子/紀伊勝浦行き)、銀河(大阪行き)とあったように思います。
乗らないまでも、ブルートレインを見ては自分が寝てるときも走り続け、朝何時にはどこにいて、終着駅には何時に着く・・・というのを記憶してるほどの子供時代だっただけに、まさか、西へ向かう蒼き流れ星が一つもなくなる時代が来るとは思いもしませんでした。
実際に九州行きのブルトレに乗ったのはもう十年以上も前の“はやぶさ”や“あさかぜ”、“さくら”でしたが、たしかに空室が多かった記憶があります。 空気輸送列車と言われはじめた頃でもありました。
スピードや輸送力、コストパフォーマンスや企業の利益が求められる時代ですが、それらとは離れたところで時間をかけて移動し、流れる景色や時間とともに変化するその土地の風景を味わう旅情手段が少しでも残っていてほしいという思いはもう時代遅れなのでしょうか。
乗り心地が多少悪くても、飛行機やバスに比べて多少料金がかかっても、また一晩かけるほど時間がかかっても、列車での移動にしかない僅かばかりの心の贅沢さがあるように思います。
その心の贅沢を味わう時代はもう過ぎたというなら仕方ないのでしょうが、残された北行きのブルートレインがなくならないうちに・・・ということで、今年の目標の一つとして、“北斗星”に乗って北海道、もしくは“北陸”に乗って北陸へ行きたいと思ってます。
クルマの方も好きで、まだまだやっていきたいことだらけですが、鉄道好きの一人としても好きな列車に乗りに行ったり撮影しに行ったりしたいと思います。
あと、富士/はやぶさのラストラン(3/13の東京~横浜間に限定)に関する記事や動画、自分で撮影した分+拾いものの画像(こちらのフォトギャラリー)を含め紹介しておきます。(不許可転載のため、問題がある場合は削除します。)
~ 新聞記事 ~
■ 朝日新聞
■ 読売新聞
~ 動画(YouTube) ~
■ TBSニュース(東京駅入線時生中継)
■ TBSニュース(東京駅出発時生中継)
■ NHKニュース
■ 東京駅入線~出発ドキュメント
■ 東京駅出発
■ 有楽町からの最終富士・はやぶさ
■ 富士・はやぶさ お見送り隊 ①
■ 富士・はやぶさ お見送り隊 ②
■ 富士・はやぶさ お見送り隊 設営~本番のドキュメント版
■ 横浜駅到着~出発
そして、自分が撮った最後の一枚は保土ヶ谷~東戸塚間の樹源寺踏切でのワンカット。

iDingにクルマを預けに行く途中や引取り後とかに、ときどきここを訪れては、いつかここで撮ろうと思ってた場所です。
保土ヶ谷~東戸塚間は東海道踏切、大仙寺踏切、権太坂第2公園そばの跨線橋からの俯瞰、環状2号線からの俯瞰、北天院アウトカーブ、東戸塚Sカーブと東海道線の名撮影地が多く、それらの場所から撮影された画像もいろいろ紹介されてるのですが、何故か樹源寺踏切からの画像だけがほとんどなかったので、あえてここで狙ってみました。
絵柄的には単調だけど、納得のいく一枚が撮れたと自負しています。
最後に、富士/はやぶさ号に心からありがとう。そして長い間お疲れさまでした。 またなんらかの形で復活することを祈っていたいと思います。
Posted at 2009/03/18 12:29:42 | |
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鉄分補給? | 日記