
実車でうだうだと結構長々と測定交えて実験やりながら、L5ECUの点火時期取り出しで感じたことを纏めてみる。
まあ題して、L5ECUから点火信号取り出し問題点。
ECU自体の問題。
○そもそもそういう風には設計されてない。
どう考えても、これが一番の問題。内蔵イグナイター手前からの信号取り出しを大発の人は想定してないから、当然この部分から取り出せる信号は弱い(電圧が低い)。更に基板は金属ケースの中に収められての使用が前提だから、そこを無理に外に引き出せば当然ノイズに晒される危険性も高まる。
ECUから取り出せる点火信号は家のECUの場合で、アイドリング時で-0.2V~1.2V幅だった(因みに、片電源のオペアンプ非反転1倍増幅回路を挟むと0V-1.4Vになる)。回転数が上がれば、パルスを発生させる為の電圧の貯めの部分の時間が減るので、当然アイドリング時よりも信号は弱くなる。
ECUから強引に取り出した信号をe真似に入れて点火時期を弄くると、高回転時に失火を起こすといわれているのは、如上が強く関係していると思われる。
因みに、内蔵イグナイターはベースに最低0.8Vを掛けてやてばドライブしてくれるが、e真似に入れる信号が0V-0.8Vの電圧幅のパルスでは明らかに弱過ぎる。
○ECUが古いので、半導体が経年劣化している。
L5のECUなんて下手すればもう製造から20年くらい経過している訳で、当然中の半導体も古さ故に劣化している可能性は大である。
半導体が劣化すれば、当然出力が下がる。となると、取り出せる信号も弱くなる。更にECUに因って劣化の度合いにも違いが出てくるだろうから、そうなるとECUそれぞれでの個体差が大きくなる。
e真似(アルテメットな)の問題
○どうもe真似は製造時期、ロットなんかによる個体差が大きいような感がある。
喩えばロングヒットの家電品は同じ品番の商品でもその製造時期によって、中の基板のパターンが違ったり、使われている半導体が異なったりする。どうもe真似もそんなような傾向が強いようである。
一昔前のe真似は、L5のような内蔵イグナイター式ECUの内部から取り出した点火信号を特に増幅しないでそのまま入力してやっても信号を感知したようだが、家で使っているような比較的最近製造されたe真似(家のは2013年冬製)は、信号を増幅してからでないと、そのままでは全く感知してくれないようである。(ECU個体差による取り出せる信号の強弱も関係しているかも)
少なくとも、2013年の9月、10月頃、一時e真似は在庫切れを起こしており、その後に作成されたロットでは、その傾向が如実であるようだ。他の時期のは持ってないので知らない。
とまあ。上記なような点を踏まえ、自分なりに試行錯誤の後、安定した点火信号取出しの方法として、以下のような結論を導きだしてみたりする。
○オルタからのノイズは出来る限り取りましょう。
○信号安定化の為に『入力インピーダンス』を出来る限り高めで。まあ基本ですが、インピーダンスは入力>出力に。
○e真似に入れる信号は、ECUから取り出された状態での強弱如何に関わらず、電圧0V-5V幅に固定したパルスに変換する。
○e真似から返ってくる信号は電圧0V-5V幅なので、これをECUに戻す前に0V-1.5V幅に降圧固定したパルスに変換する。
そんなこんなで出来た最終安定版(?)の回路が図の奴です。
なんかずいぶんごちゃごちゃしたもんになってしまいました。
しかも図の回路は1ch分なので、実際には電源部分除いて、同じのを2回路作る必要があります。
非常に面倒臭いですね。
しかしまあ、自分の知識と実力では、安定版を作ろうとすると、こんなのしか思い付きませんでしたとさ。
注意:回路図はβ版ですので、時間と共に部品の数値なんかが変わって行くこともあります。それを修正はしませんので悪しからずご了承を。
Posted at 2014/11/16 05:35:45 | |
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