
先日乗ったポルシェ718ボクスターがとても良かったので,それを忘れないうちに,ずっと気になっていたもうひとつのミッドシップである
ALPINE A110
を見に行きました。
ディーラーはルノーです。つまり日産系列ですね。
駐車場に駐めても,誰も出てきません。
ふむ,外車ディーラーでは,アウディと同じだな。
店に入っていっても,声をかけられないので,受付で
「すみません。予約とかはしていないのですが,車を見させてもらってもいいですか」
受付嬢の答えは,なんと
「いいですよ」
だった。許可かよ。
ちょうどA110GTが展示されていたので,
「座ってみてもいいですか」
と声をかけてドアを開けてみる。
718と比較して,ものすごくおしゃれ。ドイツ車とフランス車の違いがすごい。
「先日乗った718が良かったので,比較してみたいと思いまして」
と言うと,とたんに食いついてきてくれた。
ざっくり見積もりをだしてもらうと,A110で718ケイマンよりは200万円ぐらい安い。ポルシェのように気の遠くなりそうなたくさんのオプションがないのも良い。ただボディカラーは,アホみたいにたくさんあった。有料でないのは白だけ。
多くの色は特別色で74万円も追加となる。ただブレーキキャリパーの色とかも選べる。ゴールドのキャリパーがちとまぶしい。
ただ,ガラス張りのショールームは夏の日差しでとても暑い。それなのに飲み物を出してくれないので,喉がカラカラになる。どうも客にサービスしないディーラーのようだ。
「A110GTの試乗車がある」ということで,試乗させてもらうことにした。
まあ,一般道の試乗では何もわからないだろうけど・・。と思っていたら
「おすすめのコースがあるのです。ぜひ峠を走ってきてください」
となんと峠走行を提案された。その峠は,新しい道路の開通により,交通量がほぼ皆無になったところである。キツイカーブも多く,これは最高だ。車の魅力を引き出す方法をセールスさんはわかっておられる。ポルシェディーラーと似ている。
一見の客なのに,ポンとキーを渡してくれた。キーはカードキーであり,助手席のグローブボットクスに見えるスロットに差し込む。
爆音の718と比較して,エンジン音はとても静か。もちろんミッドシップだから,うるさいといえばうるさい。
718との大きな違いは,収納のなさである。グローブボックスやドアポケットは皆無。ドリンクホルダーすらない。
運転席からの視界はとても良好。シートの位置が高い気がする。シートの高さはボルトで3段階に変えられるそうだ。
前方視界は良いけど,後方視界は悲劇的。ほぼ何も見えません。718では後方視界もそれなりに確保されていたので,これは718の圧勝。
でもリアカメラがついているので,車庫入れには苦労しません。
シートが718と全然違う。大きくてやわらかいのである。タイトで硬い718とはまるで違う。ボクには身体が動かない718のシートの方が好きである。
走り出して驚くのは,サスの硬さ。おお硬い・・・。しかし718と違って上下にはねることはない。しかし718と同じく段差通過でもショックが来ることはない。カネかけているなぁ。段差通過ではやはりポルシェのサスが一番良い。
ボディはオールアルミである。A110Sだと屋根はカーボンになる。徹底した軽量化。
エアコンはなんとマニュアル!!! マニュアルエアコンの車に乗ったのは何十年ぶりだろうか・・・。
そして,驚いたのはナビがついていないこと。現段階ではオプションでも用意されていない。Carplayを使うしかない。ナビがないと道路の曲率とかがわからないので,かなり不便だなぁ。
ラジオが流れていたが,音量調節の方法がわからなくて苦労した。どこにも音量調節のボタンがないのである。いろいろやってみてわかったのは,画面に放送局を出して,画面の中のスライダーで調整だった。物理ボタンをつけろよ。
パドルシフトも,ハンドルの根本に固定されていて,ハンドルとは一緒には回らないタイプなので,操作に苦労した。
「SPORT」というボタンがあるのだけど,それを押すとスポーツモードになるのだが,同時にマニュアルモードになってしまう。これはおせっかい。
DCTのシフトは,気持ちよく決まる。ベンツのだめだめDCTとは全然違う。でもこれも718のPDKには敵わない。でも全く不満はない。
峠では,とにかく軽いのに驚く。1100キロのボディは,まるで軽自動車みたいだ。
タイヤはパイロットスポーツ4。718は4Sだったが,車重を考えれば,ただの4で十分ということだ。Rで4をはいたときは,グリップ不足にいやになったけど,こいつではまるで不満を感じない。
718でも「ゲームのようにコーナーを曲がっていく」と感じたけど,A110は,さらにその感じが強い。特に下りのコーナーでは軽量故,軽々と曲がっていく。
ステアリングは718のように重くないのがちと不満。インフォメーションは718の方が良い。A110は本当にゲーム感覚。限界がどこにあるのかさっぱりわからない。
300馬力のエンジンは,718のような高回転型ではないので,とても使いやすい。ちとパンチには欠ける気がするけど。
全開加速すると「シューっ」という音がする。吸気音のようだ。
それ以外は,718のような元気なサウンドは聴かれない。すると,ミッドシップゆえのただのうるさい車になっているのが残念。
1時間ほど乗らせてもらって,ディーラーに戻って駐車しても,やはり誰も出てこない・・・。
中に入っていって,座っているとようやく来てくれて,ようやく,ようやく飲み物を出してくれた。もう喉はカラカラですよー。
ポルシェと同じく値引きはゼロ。
納期は半年から1年。
ただポルシェと同じく展示車なら早い。
A110Sなら来月にも納車できるという。A110Sの値段は718と同じになってしまいますが・・・。
さらに718には,ACCもナビもついています。
A110にはクルーズコントロールのみ。また安全装備も皆無。718はブラインドスポットモニターがあります。
A110の最低地上高はRと同じ130ミリ。これは冬も乗れると言うことです。
ただスタッドレスセットが高いなぁ。ポルシェは50万なのに,アルピーヌは70万近くします。しかもポルシェはキャンペーン中なら「スタッドレスセット プレゼント」なのに・・・。
A110は本当におしゃれな車でした。
718とどちらが良いかと聞かれると困りますが,その方向性は全く似ていません。無骨なのが718,おしゃれなのがA110です。
86やロードスターに乗るなら,やはりミッドシップのA110かなぁ。
やはりドライでの718にも体験してみなければ・・・。
帰るときはお見送りをしていただきました。
「A110の魅力を語る会」に招待もされました。
ありがとうございました。
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Posted at
2022/08/06 09:20:30