2023年06月11日
ポルシェの試乗会へ行ってきました。いつもの担当は接客のため,ベテランの方が対応してくれましたが・・・・彼は,イマドキ珍しい「熱いセールスさん」でした。
もう話が終わらない。ポルシェのスバラシサを延々と語ってくれます。
「多くの車にはボディにプレスが入っていますよね。あれは強化のためなんです。ポルシェの車には,ほとんどプレスが入っていません。そういう強化が必要ないからなんです。次にこちらの写真をご覧ください・・・・・」
などとにかく熱い・・・。ひたすら耐えておりました。笑
セールスさんはAMGが好みらしく,AMGにはこりた私は,少し論争してみましたが,勝てそうもない・・。
「718か911でも良い」と言ったのですが,試乗車は
パナメーラ4S 440馬力 V6 2.9リッター 1500万円
です。
作業服姿の小汚い格好ですが,店員さんはみんな親切。ドアの開閉までしてくれるのには恐縮です。
ただ,お客のみるからに金持ちの皆さんは,「貧乏人が」という汚いものを見るような視線が刺さります。。あのぉ,視線が痛いです。
■内装
車幅が2メートル近いですから,車内は大変広いです。実に快適です。これ,やばい。広い車になれてしまうと,戻れなくなってしまいそうです。
ただ,内装の作りは,メルセデスよりも落ちるなぁ。やはり,なんか「硬派」という感じがします。しかし,シートは,スポーツシートとはいえないゆったりしたもの。
パナメーラのナビは,ポルシェの中では一番だと思います。ただ,メーターパネルはいただけない。特に左側にある速度計は,小さくて,しかも円周の3分の2ぐらいしかつかっていないのに,そこに300キロまで刻まれていますから,全く実用的ではないです。幸い,中心の回転計の下に速度がデジタルで表示されますので,そればかり見ていました。でもスポーティじゃないな。
右側には,水温,油温などの棒グラフが縦に並んでいますが,ぱっと見てどれがとれだがわかりにくいなぁ。色を変えるとかしてほしい。
ハンドルコラムの左側にACCのレバーがでているのもちょっとなぁ。ハンドルにスイッチでつけてほしい。
シートは電動だけど,操作がとてもしにくい。シート横の前方に操作スイッチがあって,使いにくい。やはりシート調整はメルセデスの圧勝ですな。
シフトレバーは,もはやクラッシックなボタンを押して操作するタイプ。なんか懐かしい。
■走行性能
エンジンをかけると,元気な排気音が響き,これは期待できるぞと思わせますが,なんといい音が聞こえるのは,アイドリングの時のみ。
遮音性が良いためなのか,走行中はエンジン音も排気音も走行音に紛れてかすかにしか聞こえません。なんだこの車??? とてもV6の440馬力とは思えない。なんでこんな車を作るのか???
またハンドルが軽くてビックリ。しつこいけど440馬力の車のハンドルではない。スポーツプラス・モードにしても全然重くならない。
マシンガントークのセールスさんは,試乗ではとたんに静かになってビックリ。行き先を明確に指示してくれないのでこまります。突然「このインターで降りてください」とか言われるし・・。もっと先に言ってくださいよ。
なんか免許を取ったときの自動車学校の担当に似ているなぁ・・。彼もいつも指示を出さないので,ボクが適当に走って,「おまえ,どこ走っているんだ! さっきの交差点左折っていっただろ!!」「いえ,言われてません」という漫才をやっていたのを思い出しました。
料金所を過ぎて,スポーツプラスでフル加速を試みましたが,なんだかなぁという加速。まあ車重が2トンちかくありますけど,間違いなくゴルフRの方が速いぞ。
ただ高速を100キロで走れば,エンジン回転はたったの1100ほど。燃費も考えているのね。
ただ,風切り音が気になりました。空力はいまひとつかな。
ただ乗り心地は最高です。全然ガツンときません。ダンパーを一番硬くしても,全然良乗り心地。
高速の後はヒルクライム。ただこの山道は,もっぱら冬用の道路のため,ひどい状態。両側からは草が延びてきていて,路面は穴だらけ。パナメーラは,乗り心地が良いので,良かったですけど,これAMGとかBMWで走っていたら,死んでいたわ。
すばらしきはPDK。実に気持ちよくギアが入ります。DSGじゃこうはいかないなぁ。パドルシフトでのギアチェンジがカイカンです。エンジンブレーキも気持ちよく決まります。ただここで破裂音が欲しい・・・。
だめなのは,まずブレーキ。とまりません。思い出すのはGLA45Sという420馬力のAMGのブレーキとよく似ていること。結局400馬力オーバーのパワーも,ブレーキが効かないので出せませんよ。まあこういう車は,200キロ以上の高速から止めることを考えてブレーキを設計するからでしょうね。ワインディングでは使いにくいです。ただ,エンジンブレーキが強力なので,なんとかはなります。
ふたつめのダメなところは,ステアリングがダメダメなところです。インフォメーションも伝えず,とにかく軽いだけ。最初の内は「あれ? 曲がらない?!!」と叫んでいました。ポルシェなのに曲がらないです。718とは雲泥の差です。C220dの方が,はるかに鼻が良く入って,はるかによく曲がりますぞ。なんか昔の四駆に乗っているみたいな感じ。これ,狭い道は恐怖でしかないな。
ESCの介入も早いなぁ。
さて,山を下りてきて,インターが近づいたので
「ここから高速乗りますか」と聞いたら
「そうですね」という,また曖昧なお返事。
ディーラーの方向とは逆方向に乗ってやろうと一瞬思いました。すいません。
■評価
なんでこんな結果となったのか。
セールスさんによると,「ポルシェではパナメーラとカイエンは,スポーツカーではなく,ラグジュアリーカーという位置づけでフレームから違う」ということ。
たしかに,ラグジュアリーカーと思えば,その通り。でもラグジュアリーカーに440馬力もいらんでしょ。
さて,またセールスさんのマシンガントークにさらされます。
「お客様の走りでは,サーキットが最適です。今度,弊社でサーキット走行会をやりますので,ぜひご参加を」としつこくしつこく誘われました。
そんなイベントは聞いたことがありませんでしたが,ポルシェのオーナー向けのイベントだそうです。「参加はポルシェでなくとも良い」とのことでしたが,果たして,サーキットでゴルフRは,ポルシェに太刀打ちできるのか? 無理だなぁ。
しかし,押し切られてしまう私。まあいいか,何事も経験だ。
タイムアタックなんかもありますが,タイヤがもったいないなぁ。まあ,ポルシェのサーキットでの走りを直接見るだけでもたのしそうだ。
帰りに,C220dに乗ると,あらびっくり。こっちの方が快適ではないですか。すごいぞメルセデス。機嫌が良くなって,ワインディングに走りに行きました。うん,こっちの方が全然いいなぁ。ただP7C2は,前後のウェットグリップはいいけど,左右のウェットグリップは全然ない。タイヤなきまくりですな。
■ポルシェ納入情報
ベテランのセールスさんは,さすが詳しい納入情報をお持ちでした。
パナメーラ,マカン,タイカンは順調に納入できるとのこと。
718や918は,GTSなどがたまに配車されることがある。
ただ,素の2リッター718は難しい。でも,確保する努力は可能である。
スタイルエディションなら2リッターの可能性が高い。
「ポルシェオーナーでなければ注文できない,注文してもオーナーでなければ当たらない」などの情報はウソであるともお聞きできました。
「今ある718の試乗車を販売してくれないか」というボクの問いにも,前向きな回答をいただけました。
ええーーー,すべてあきらめていたのに。びっくり。
えっ,ボク,ポルシェ買わなきゃダメ????
こりゃー困ったなぁーーーゴルフR2台分だもんなぁ。
貧乏人には買えませんよ。
素のケイマンに乗っている知人が,「ポルシェのイベントにいくと,素のケイマンはとても恥ずかしい」と言っていました。まあ,そうなんだろうなぁ。
とりあえず,ゴルフRで格差社会を見てきます。
と思ったら,R20は,700万円超えで,もうポルシェの価格です。
Posted at 2023/06/11 17:11:07 | | クルマ