十津川…それは、紀伊半島の秘境。
十津川…それは、言うまでもなく奈良県の南端。
突然ですが、
十津川に遊びに行きました。
理由?奈良県北端に住む人間として、南端まで行って、
奈良県の広さを実感したかったからです(ウソのようなホントの理由)。
本当は昨晩出発して、夜のうちに着いておこうと思ったのですが、週末にやらないといけないことをまとめてやってたら疲れて寝ちゃいました。
日帰りで十津川というのは相当無茶かとも思いつつ、父にその旨伝えたら、半ば呆れ顔でした(^_^;)
日帰りですし準備という準備はいりません。温泉があるというのでとりあえず洗面用具を持って出発です。
ナビで確認すると
R24→R168というルートが分かりやすそうだったので、それで行ってみることにしました。
○もくじ
五條まで / 谷瀬まで / 谷瀬の吊り橋 / 道の駅十津川まで
とりあえず和歌山へ… / 温泉?滝? / 笹の滝 / 帰り / まとめ
フォトギャラリー その1 / その2 / その3
○五條まで
R24バイパスと京奈和道のおかげで、新庄あたりまではすいすい進みます。
葛城山ふもとの忍海駅のあたりから混みだしました。行楽シーズンだけあって、駅にはハイカーの人がたくさんいます。おそらく葛城山を登るクルマもいるのでしょう。
途中、五條手前で京奈和道(五條道路)に入れるところがあったのですが、乗ったらどこまで連れて行かれるか分からない(もし和歌山の手前まで連れて行かれたら大変)ということで、一応下道を走りました。予習不足でした(T_T)
途中、多少混雑しましたが出発して1時間ほどで五條を通過です。結構遠いもんですね。
○谷瀬まで
五條からR168に入りました。
五條からしばらく、
「バス専用道」が併走します。これは五條-新宮間に予定されていた幻の鉄道路線「五新線」の路盤を活用したものらしいです。ネットで情報は知っていたのですが、結構、橋梁やトンネルが立派ですね。行きはバスの走る姿を見られなかったのですが、帰りはちょうど終端からバスが出てくるところが見えました。
さて、まだまだ余力はありますが、無理はいけません。途中、道の駅大塔で休憩です。
ドアを開けると…さ、寒い。アコちゃんの温度計は9℃。山の中に入ったのを実感します。
せっかくだし父にメールしようとケータイを開けると
圏外でした。外では休憩中のバスの運ちゃんが元気にケータイで話しています。やっぱり田舎はドコモが強いんですね。(ちなみに道中
「ここから先NTTドコモの電波が届きます」という看板があって驚きました。電波が届かないのは切実なんだなあ、と)。
十津川の入り口まではそう遠くはありません。入ってすぐのところで記念写真を撮りました
(画像)。
とは言っても、
十津川村は「日本最大の村」。これからが遠いんです。
まずは一番行きたい
「谷瀬の吊り橋」に向かいます。ここは十津川村でも北の方で、村境を越えて少しで到着です。意外な距離に拍子抜けでした。
○谷瀬の吊り橋
「地元民はバイクで走る」という伝説のある吊り橋が谷瀬の吊り橋です。村営駐車場にクルマを停め、早速向かいます。
確かにすごいですが、夏に餘部鉄橋を見ているせいか、「ちょー驚き」というほどではありません。でも今回は自分の足で渡らんとイカンわけで。
入口から橋の奥を見ると、観光で来たおばちゃんが叫んでいます。そんなに怖くねえだろ、
あんたのほうがよっぽど怖いよ、と思いながら橋に挑みます。
ヒュー、ヒュー(←風の音)
ユラユラ、ガタガタ(←橋が揺れます)
ヒエー(>д<)なんじゃこりゃ~!
何が怖いって、揺れに周期がないんですよ。谷を吹き抜ける風の影響をモロにうけるせいか、落ち着いたと思ったら急に揺れたり。しかも酷い時はバランスを崩さないように立っているのがやっと。
まあでも途中で止まるより先に渡っちゃう方が得策です(渡ったら戻らないとダメなんですが)。
そういや、出発前にお天気お姉さんが「今日は西高東低の典型的な気圧配置で、
低気圧は台風なみで…
等圧線の間隔が狭く風が強い」なんて言っていたのを渡ってる途中にようやく思い出しました。
風の強い日にわざわざ吊り橋渡りにいくなんて、ドMじゃね?
という考えが脳裏をかすめました。
が、
それなら絶叫マシン好きは皆ドMになるじゃないか!とあえて反論しておきます…。
○道の駅十津川まで
何だかんだ言っても谷瀬の吊り橋はスリリングで面白かったです。おすすめですね。
さて、まだ昼にもなっていないので、ここまで来て帰るのも馬鹿馬鹿しい話。まずは村役場近くの道の駅まで行くことにしました。
カーブとトンネルだけで役場までの記憶はほとんどありませんが、十津川までの道路事情を少し。
十津川温泉に行くだけなら、3ナンバー車でも余裕です。一部大雨による路盤崩落で、旧道を通らないといけないところもありますが、交互通行になってて問題ありません。
ただ、
国道を外れたら酷道になるのを覚悟してください(後述)。
道の駅十津川には
足湯がありました。100km近く使ってきた足を休めます。
足から身体全体がポカポカになったあと、ここで昼ごはんを食べることにしました。売店で買った
サンマ寿司です。もうすぐ終わる秋を惜しみつつ、美味しくいただきました。
○とりあえず和歌山へ…
道の駅近くにある
「温泉地温泉(なんて安直なんだ)
」に入って帰ることも考えましたが、ここまで来たら和歌山との県境に行くしかありません!
「和歌山県」の標識を撮るべく、再び南下を始めました。
ナビ通りに進んで残り約1km、もうすぐ県境だなと思っていたら…、
急に場違いなバイパスが登場!
みんなすごいスピード出してるよ!
…ということで、「和歌山県」の標識を撮るヒマはありませんでした(T_T) 帰りに「奈良県」の標識でリベンジだ!
しばらく進むと
「道の駅ほんぐう」があったので、ここで休憩&Uターンすることにしました(実は白浜回りで帰ることも考えたのですが、いくら何でもそりゃ無茶です)。
熊野本宮は平安後期、上皇たちが熊野詣を行ったところで、都から相当の日にち(忘れた)をかけていたようです。
道が悪いと言っても一日で本宮まで行ける今の世の中を当時の人(藤原定家)とかが見たらどう思うのでしょうか。
○温泉?滝?
まずは「奈良県」の標識を撮るべく準備。トンネルを抜けてすぐなのでチャンスは一瞬です。
…う~ん、
失敗したかも。フォトギャラリーに写真を載せますが、奈良県の県章がかろうじて見える程度のものになっちゃいました。
とりあえず道の駅まで帰り、「温泉地温泉」の場所をチェックします。
その後、その場所に行ってみると…、
クルマクルマくるまくるま車車凸凸…。
停める場所ねえ~!
山間部だけあって、いくら田舎でも駐車場の確保は難しいようです(そういえば谷瀬の駐車場も有料で驚愕しました)。
仕方ありません、
帰れってことでしょう。
ただ、
「吊り橋見て、和歌山に出て、帰った」というのはあまりにもバカなので、途中の観光案内で見かけた
「笹の滝」に行ってみることにしました。
これが悲劇の始まりだとは知るよしもなく…。
○笹の滝
誰が見ても「ああ、ここが笹の滝への入口か」と思うほど大きな看板がR168沿いに立っています。
それだけ見ると、さも車で簡単に行けそうに見えるのですが、
騙されてはいけません。
R168を曲がるとすぐに、車一台分くらいの幅になってしまいます。いつかは太くなるんだろうと思ったら…
約12km、そのまんまです。
しばらく走ると山の中に入りますが、約100mおきにある退避スペース(…つうか、ただの空き地)以外、絶対に行き違いできません。つまり、
中間地点で鉢合わせたら、どちらかが50m下がるしかない、ということです(私も一度かなりバックしました。バックカメラがなければ絶対事故ってます)。
強く言います。
よほどクルマの運転に自信がない限り、笹の滝はバイクで行きましょう。まかり間違っても、セルシオやフーガやベンツで行く所じゃありません。
帰りに看板が立ってました。
「まだいける 思う心が 事故起こす」
せめて滝への道に入る前にそれを教えてくださいよ!
「もうダメだ 思った頃には 手遅れだ」じゃあ洒落にもなりません。
滝の行き帰りで見た&すれ違ったうちの何人が、そんな事実も知らず迷いこんだ被害者なのか…、考えると目頭が熱くなります(←言い過ぎ)。
ともあれ、無事往路を登りきり、滝の入口に到着しました。ほとんど道とは思えない森の中を進むと…見えてきました!表現力がないので上手く書けませんが、切り立った崖と滝の力強さと、美しい紅葉の対比が絶妙です。
さあ、写真を撮りまくるぞ…と思ったら、遂にデジカメの電池がなくなってしまいました。実は県境あたりから騙し騙し使っていたのですが、もうレンズが飛び出たまま動きません。
一度天川村に遊びに行ったときもカメラが無くて撮り逃してますし、滝の写真を撮るのに関してはよっぽどついてないのかもしれません。
仕方ないのでケータイのカメラと自分の目にきっちり焼き付けて、帰ることにしました。
行きは前に2台も先行車がいてラクだったので、帰りも
「金魚のフン戦略」で帰ろうと思っていたのですが、早い段階で
道を譲られました(^_^;)
もう逃げようがありません。途中譲ったり譲られたりで何とかR168に復帰できました。
滝それ自体は一見の価値ありとは思いますが、どう考えてもクルマで行くような所じゃありません。
田舎で国道から外れるとどれほど酷い目に遭うかを思い知った体験ではありました。
○帰り
あとは帰るだけです。ほぼ行きのルートをトレースしました。道の駅大塔で京奈和道(五條道路)の場所も分かったので、五條-五條北間は一区間だけですが利用しました。葛城-高田がイヤになるほど混んだので、この区間も早く開業してほしいですね。
帰ってそのまま寝ようかとも思いましたが、大分汚れた&GSでガソリンを溢されたので洗車しました。元気すぎるよ俺…。
○まとめ
十津川なら日帰りで行けるんですね。でも奈良県は本当に南北に長いです(十津川で「奈良
117km」の標識を見た時は、帰れるかなと不安になりました)。
確かにそんなに観光スポットが多いわけではありませんでしたが、景色も綺麗だしドライブも楽しいし(同乗者がいたら間違いなく酔いそうですが)、また行ってみたいと思うところでしたね。
また知らない遠くの土地に行ってみたいと思います。