
高齢者施設の介護スタッフとなった山梨時代の同級生の話です…
身寄りのないそのご婦人は片足がありません…
そうしてもう片方の足も腐敗しています。
当然微熱が続いており抗生剤を服薬してなんとか腐敗の進行を遅らせているのが現状です。
施設での入浴は週に2回…
お元気な頃はお風呂が大好きでよく鼻歌交じりでお入りになっていたそうです。
でもね…
今はお部屋からお風呂場に行くのも車椅子に乗る事が叶わなくなり…仮に移動をされたとしてもそれだけで相当身体にご負担が掛る様で肩で息をされているそうです。
お風呂に入ったら入ったで(機械浴と言う特別な装置で寝たまま入浴ができるモノをお使いです。)
シャワーにスタッフが手を翳し直接お身体にお湯が当たらない様に配慮しているのですがそれでも腐敗した足の肉片が落ちてしまうような状況に介護スタッフは入浴を中止し体を拭くのみの対応を提案したそうです。
本来であれば…
腐敗した足も切断すれば感染症のリスクも下げられるし、何より微熱が下がり食事も召し上がる事が出来る筈…
足を失うのは厳しい現実ですが、でも彼女を第一で考えるのであればそれが一番の方法だと言えるそうです。
又、現状のままですとその高齢者施設では適切な処置が出来ない為に医療機関に入院する事が一番良い方法だと直接彼女を介護する現場の介護スタッフは常々話し合っていたそうですが、それには少し高いハードルがあるそうでして…
身寄りのいないご婦人は金銭やその他の管理を
成年後見人
と言う方にお任せをされていて…
その成年後見人も非常に親身に彼女を見守っているそうです。
そんな彼女の今後を話し合う会議が開かれた時の事…
成年後見人がこうお話されたそうです。
「彼女の年齢や様々な事を総合的に考えると『現状のまま』と言う選択が一番だと考えます。足の切断は『彼女の尊厳』を傷付ける事になるかと思いますし、年齢的に手術と言うのはどうかと…
感情的にも『可哀想』だと思います。医療機関への転院も体力的、年齢的な事を考慮するとしんどいでしょうし見知った顔のいない新たな場所へ行くのも心理的ストレスがかかると思います。以上の事から、この施設で『最後を送らせて頂きたい』と思います。」
成年後見人は本人の意思が伝えられない場合、それを代弁する事が出来ます。
つまりはそれが彼女の意思だと考えられる訳です。
現場スタッフはこの言葉を聴いて激しい憤りを感じたそうです。
「今の彼女の状態を何一つ理解していない…このままだと彼女の命を短くするだけなのに…」
勿論、施設側は成年後見人に「もう一度検討して欲しい」旨を伝えケアマネージャーにも同様の事を伝えて結論は保留にしたそうです。
友人は勿論現場スタッフですので、
「『転院と手術』を何故させないのか?」
と憤って私に訴えてきたのですが…
実は私、100%ではないのですが成年後見人さんのお話にも頷ける部分があったんですよね…
つまり…
手術をする事は本人が快適に生活をする事に必要な事ですからして頂いてその後は住み慣れた施設で過ごすのが良いのではないか?
例え手術に成功したとしても周りに知り合いのいない医療機関で過ごすのは賛成できないな…
と言う事です。
皆さんはどうお考えになりますか?
関連情報URLには成年後見人のサイトを記載しております。
Posted at 2013/05/03 00:47:02 | |
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