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2012年07月08日

中華製シャレードのすべて2012

1984年にダイハツと中国の天津市微型汽車(現:天津一汽夏利汽車)との間で交わされた技術提携契約に基づき、1986年からG11型シャレードのノックダウン生産が開始されたのが、現在もロングセラーを続ける中華製シャレードの歴史の始まりでした。

シャレードは中国語で「夏利」(シャーリー)と名付けられ、その価格の安さ、丈夫さ、走りの良さから国民車として愛され、今や天津一汽豊田の一車種ではなく、「夏利」という一つのブランドとして確立された存在となっています。

そんな夏利の進化の歴史を簡単に纏めてみました。


・1990年10月14日
G100型シャレードのノックダウン生産開始


それまで生産されていたG11型シャレードに代わり、初期型ショートバンパーのヨーロッパ輸出仕様をベースとした、G100シャレードの1リッター5ドア車の生産が開始されました。


当初はエンブレム類の差異以外は、日本仕様の最廉価グレードCDに準じた12インチホイール、ビニール表皮のハイバックシートの仕様を生産。



後年、1リッターエンジンのソシアルという他の仕向け地には無い組み合わせの仕様が追加された際のマイナーチェンジで、天津独自のデザインのグリル、日本仕様では中期型の後期以降にGT-XX以外の全グレードに採用された北米仕様と共通のビッグバンパー、13インチホイール、布張りのヘッドレスト分割シートに改められます。


内装はヨーロッパ仕様がベースなのでダッシュボードの助手席側トレイ部分に時計を付ける為の穴があり、グレーの内装色以外にも北米仕様にのみ存在したブラウン系のカラーを設定。


この時代のモデルはオーナードライバーが一般的になる前でタクシー用途に大半が使われた為、北京オリンピックの際に執行された排ガス規制の強化が名目の強制廃車処理により、残存台数は少ないようです。



・1997年12月
最初のビッグマイナーチェンジ


徐々に国産化を進めた末に、ヘッドライト、コーナーライト、ボンネット、グリル、フェンダーなどが新造される天津独自のマイナーチェンジが行われるまでに至りました。


オーナードライバー向けにアルミホイール、カラードバンパーが標準装備の上級グレードを新設定。


オプションのアクセサリー付き車。


5ドアハッチバックはリアゲートとテールレンズも変更。


内装はブラウン内装の色味が明るい色に変更された他、オリジナルのシャレードの上級モデルと同じウレタン3本スポークステアリング、センターコンソールが装着され、上級グレードには木目パネルも採用。


従来の1リッター3気筒エンジンの上級版として、トヨタA型エンジンを基に、日中双方の技術協力によって 中国市場向けに新開発された1、4リッター4気筒8A-FEエンジンも設定。

当時の販売店の様子。



・2000年
夏利2000発売



旧態化したシャレードベースの夏利の後継モデルとして、当時最新型のヴィッツ、プラッツがベースの「夏利2000」の生産が開始されました。

ところが従来のシャレードベースのモデルも値下げし、廉価モデルとして併売が続けられました。



・2003年5月
2度目のビッグマイナーチェンジ


鳴り物入りで登場した新型の夏利2000は、結局シャレードベースの夏利の根強い人気には到底及ばず、プラッツ=「雅酷」→「威楽」、ヴィッツ=「威姿」として、あっさり独立した別車種になってしまいました(笑)

その抜けた穴を埋めるべく、従来のシャレードベースの夏利に156箇所に及ぶ近代化改修を加えた新型車の「駿雅」および「紳雅」が作られました。(従来の廉価モデルの夏利も「老夏利」に改称して併売が継続)


外装はエアロ形状の前後バンパー、マルチリフレクター化されたヘッドライト、クリアレンズ化されたサイドウィンカーなどで大幅に近代化。



ソシアルのトランクリッドも新造形の物になり、テールレンズもクリスタルタイプの物に変更。


内装も同じくノックダウン生産されていたL900ムーヴの部品を多数流用した新造形のダッシュボードとドアトリムに変更され、夏利で初めてパワーウィンドを標準装備。


1リッターエンジン車は従来のキャブレター式からインジェクション化。
オリジナルのシャレードの北米仕様にも1リッターのインジェクション仕様がありましたが、こちらはあくまでも天津の独自開発エンジンです。(これをベースとした1、1リッターエンジンも新開発)



2004年8月8日
3度目のビッグマイナーチェンジ


輸出を視野に入れた、「N3夏利」が夏利シリーズの最上級車種として発売されました。


「N3」は3つのN、national(国民的な)、new(新型の)、nice(良好)な車という意味です


N3夏利が発売された後も老夏利は暫く併売されていましたが2005年には廃止され、それに伴い駿雅、紳雅が「夏利Aシリーズ」として廉価モデルの座に収まる事になりました。


N3夏利はユーロNCAP衝突安全基準に対応の衝突安全ボディとする為、フロント廻りが骨格から新造されて全長が伸びて若干大型化。


中国市場専売の5ドアハッチバックはテールレンズがユーロテール風に変更され、ナンバープレートの取り付け位置がリアゲートに移動しただけなので、まだシャレードの面影が残っています。



しかし、輸出機種のソシアルは衝突安全基準に合致させる為にリア廻りも新造され、特徴的だったホイールハウスのサーフィンラインのデザインも、履けるタイヤとホイールが制限されるので普通の形状に変更されてしまいました。


内装は駿雅、紳雅と同じものですが、衝突安基準合致の為のエアバックを装備。


最新トレンドのミラーウィンカー化。


N3夏利は、中東、アフリカなどに「ヴィータ・N3」として輸出されています。



・2008年マイナーチェンジ

外装はN3夏利、夏利Aシリーズのグリルとダッシュボードのデザインが小変更される程度でしたが、天津独自の新型1リッターツインカムエンジンが搭載されました。


N3夏利に搭載された新型のCA3G2型ツインカムエンジンは、従来までのシャレードのCB型由来のTJ376QE型エンジンのシリンダーヘッドをハイメカツインカム化し、エンジンの最大効率、最大回転力は従来型と比べてそれぞれ18%、16%以上向上、燃料消費率も3.5%以上低下している。(ダイハツのCB70ツインカムとは別物)

そして従来からのシングルカムエンジンも点火方式がダイレクトイグニッション化され近代化。

無理やり感漂うイグニッションコイルの取り付け方法が萌え要素(笑)



・2009年
N5夏利発売


N3夏利の上級車として、ノックダウンではなく天津が独自に開発した「N5夏利」がシリーズに加えられました。




こういう真面目に作られたマトモな小型セダンが日本にはカローラ位しか残ってないんで本当に魅力的に見えます。



・2010年
北京モーターショーコンセプトカー出品


完全新型のN5夏利が発売されたことで、流石にシャレードベースの夏利は年貢の収め時かと思われましたが、北京モーターショーにN3夏利がベースの「TFC-H2」というコンセプトカーを出展して、まだまだ作り続けるゾと強烈にアピール!




.・2012年
ビッグマイナーチェンジ(予定)


そして今年、コンセプトカーTFC-H2のテイストが注入され、N3夏利がビッグマイナーチェンジされる予定です。






こうやって、まだまだ作り続けてほしいところですが、よくよく考えてみれば1980年代の日本で日産オースチンや日野ルノー、いすゞヒルマンなんかが最新トレンドのフルホワイト仕様になって生産されているのと同じなわけで恐ろしい話ですね~


ブログ一覧 | シャレードがいっぱい | 日記
Posted at 2012/07/08 15:34:17

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この記事へのコメント

2012年7月8日 15:51
よく調べたね~

しかし、よく化けたもんだw
コメントへの返答
2012年7月22日 2:04
かれこれ10年近く調べ続けて、ようやくお見せ出来るレベルまで情報が集まりました!

最新型は全然古さを感じさせないので、格安で日本に導入したら結構売れそうですね~
2012年7月8日 16:19
来週は夜会に備え色々なネタ・資料頼みますわ(^^)
漏れ会の時の泊まり会に持ってきたイカ氏のまちかど写真をもう一度見たいので頼みます!
コメントへの返答
2012年7月22日 2:07
今ごろになってまちかど写真集発掘!!

面識が無い時代にイベントで某氏のカリーナやコロナの写真を撮っていたのが感慨深いです(爆)
2012年7月8日 19:26
この国の車両資料の外部流出品は少ない気がします。
自分も販売店でカタログもらってきたことがありますが、ペラモノかそれに近い品しか無いと言われて『観光客だから買う気無しは最もなんですが)。
確かに80年代の車をまだ作ってるってのはある意味すごい。
アチラの国は少し前まで濃色&屋根開き&ホワイト系内装が好まれていたようですね。
コメントへの返答
2012年7月26日 18:43
自分も夏利のカタログを探してるんですが、向こうのオークションにも中々出て来ないんで、本当に購入する人にしか配布しないみたいですね~

つい最近まで作られていた世界各国の80年代マイナー車(スペインのセアトや韓国製初代フェスティバのコピー車がツボです)も、昨今のグローバル化の波には逆らえず、どんどん絶命していってるのが嘆かわしいです…

そんな中でも、ブランドとして認められたサンタナ(昔のまんま仕様と超近代化仕様の2本立て)とシャレードだけはいつまでも作り続けてくれそうな希望の星です(笑)

2012年7月8日 19:30
最初の赤いやつ,ほとんど廃車されちゃったんだ…北京に行った時に乗ったけど,もうほとんどないわけか…しかしまぁ,前後は取り繕っても,ドアは変えないわけですね.セットでピラーから変わってしまうから,なかなか手が付けられないのかもしれませんが,ヘタすると世界一生産台数の多い同型ドアになってしまいそう.
コメントへの返答
2012年7月26日 18:52
残念ながら北京のタクシーは2008年に全てエアコン付きのカローラとヒュンダイに入れ替えられてしまいました…(泣)

ドア数は、夏利の年産は15~20万台らしいので単純に×20年でも300万セット。
そして中華の文化ともいえる多数の怪しいコピー車、オリジナルのシャレードも合わせれば500万セットを超えるかもしれないので、ビートル当たりと良い勝負かもしれないですね?
2012年7月8日 20:37
高校の修学旅行で北京行きましたが確かにこの型のシャレードがいっぱい走っていました♪


しかし延命治療が凄まじいですね…パキスタンで作ってる2代目アルトや2代目カルタスも強烈です…


ダイハツで金の掛かった3台はアプローズ、L200ミラ、G100シャレードと聞いた事あります(笑)
コメントへの返答
2012年7月27日 18:41
調べてみたところ、パキスタンはカルタスだらけみたいですね~

元オーナーとしては夢のような光景です。

これは聖地として崇め、奉らなければ!

中華でもエスティームが現役ですが、夏利ほど魔改造されておらず安心して見る事ができます(笑)

ダイハツ高コスト3車種はひょっとしたら当方が言い出しっぺかもしれないです(爆)

2012年7月8日 20:44
こんばんは!すっかりシャレードの虜です!
コメントへの返答
2012年7月27日 18:56
先日ブログに載せられていた秩父山中の当時モノダイハツ販売店には痺れました~!!

ここにシャレードで乗り付けて記念撮影してみたいです(爆)
2012年7月8日 21:19
シャレードの面影が残っているのはドアだけになってしまいましたが、基本的なところはしっかりとしていたので、今の時代でも使えるというのがすごいですね。

読んでて旧型が「老夏利」というのはすごいネーミングですね
コメントへの返答
2012年7月27日 18:47
日本だと「老」というのは悪い意味にとられがちですが、儒教文化の中華では逆に良い意味らしいです。

それでも、この魔改造っぷりは…

元々のシャレードが対サファリラリー用に10年10万キロ経っても全然ヤレを感じさせない超オーバークオリティな作りなんで今でも通用してるんでしょうが…
2012年7月8日 22:32
初めまして


自分の祖父も昔シャレードに乗っていましたw


今でも20年以上前のシャレードが中国で売っているとはすごいですね!
コメントへの返答
2012年7月27日 18:54
どうもはじめまして!

返信が遅くなってごめんなさい。

中華の夏利のサイトを見ていてGoogleに自動翻訳させたらシャレードと翻訳していたので、気になって中国語の辞典を調べたら夏利がちゃんと載っていて驚きました!

中華のお国はシャレード以外にも古い車を現役で売ってるんで面白いですよ~
2012年7月8日 23:00
シャリーについてここまで調べたコンテンツはこれまで無かったのではないでしょうか?
感動の域ですね。すごい!

鯨とシャリーは捨てるところが無いって言うくらい有効活用されてますね!
コメントへの返答
2012年7月27日 19:02
有効活用され過ぎていて怪しいコピー車がいっぱいあるのが中華クオリティ(笑)

顔面はベンツグリルでリアはシトロエンZXみたいなのや、ステーションワゴン、酷いのになるとワイドボディ化されたハイソカーとか色々あります…

一応こっちも調べてるんですが、バリエーション多いくせに圧倒的な情報不足なんで、紹介はいつになるやらわかりせぬ(苦笑)
2012年7月22日 0:27
詳しすぎてグーの音もでません(笑)

wikiより為になりました♪
コメントへの返答
2012年7月27日 19:07
まだまだ調べ足りない穴や間違いは沢山ありそうなんですが、一応これが10年近く調べ続けた集大成です。

ウィキの情報は2006年で止まってるんで、いっそ自分が書き込んじゃいましょうか?(笑)
2012年9月29日 18:24
はじめまして。おじゃまします。

日本ではついぞ忘れ去られてしまったクルマですが、
元の面影も判らぬほどの化粧直しで、もうすぐ25周年ですね!

盛大に祝ってほしいところですが、
出自がバレルのでナシかな(笑)

綿密で詳細なリサーチ、敬服いたしました。
コメントへの返答
2012年9月29日 22:34
どうもはじめまして。
こんなブログにコメントしていただき、ありがとうございます。

そういえばG100シャレードは日本仕様の販売開始から、ちょうど今年で25周年になりますね~

すっかりあちらでは国民車扱いなので、ここ最近の反日暴動でも全然破壊されていないみたいです(笑)

お褒めに頂き恐悦至極なのですが、実はリサーチは全然綿密でも詳細でもなかったようで、先週Bピラー部分を延長したコロナスーパールーミーみたいなリムジン仕様が存在していたことを初めて知って、ちょっとショックであります(爆)
2013年8月17日 9:03
はじめまして

夏利懐かしいです(汗)
仕事でこのクルマのATに絡んでましたが、2008年ごろで毎月100基ほど流れていた記憶が、、、

大半はMTだったようです
コメントへの返答
2013年8月17日 11:21
どうもはじめまして。

夏利にATの設定なんてあったんですね!!
メーカーのHPには特に記載されてなかったので驚きの新情報です。ありがとうございます。

やっぱりダイハツの使っていた3ATとは違うもものがついているのでしょうか?
2013年8月17日 12:34
私も詳細は分からないのですが、8Aと5Aエンジン用だった記憶があります。

ミッション自体は先代パッソ、ブーンにあった4ATと同じものです。
コメントへの返答
2013年8月17日 12:57
情報ありがとうございます。

4ATが搭載されてるなんて、地味にオリジナルより進化してるんですね~


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何シテル?   08/17 18:02
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