やっちゃいました。
めちゃくちゃ落ち込んでいるので自虐ブログ書いています。
ことの起こりはKDP、club930turbo、新倉会などいつものポルシェ仲間で行ったFSW(Fuji Speed Way)走行会。
極端に寒くもなく、もちろん暑くもない日本晴れの日でした。
今回の目標はニつありました。今思えば、目標を三つにしておけば良かったのですが…
一つ目は昨年はタイム計測を失敗したので、タイム計測に成功すること。小さな目標ですが、1年かけて果たしたかった目標です。
これはタイム計測器をリアナンバーのところに取り付けることでたぶん上手く行くと信じての走行となりました。ちなみに昨年は助手席ドアハンドル(内側)に取り付けたら、ピットインしたときだけ計測されました(汗)
今年はたぶん大丈夫だろうと思いつつ、慣熟走行開始です。しかし、ちょ~遅いです。止まる寸前です。と思うといきなり速度が上がります。ラインがどうこう言う前に前のクルマとの距離ばかりを気にしていました。

(photo by ヘイ ジョーンさん)
そしてピットイン後コースイン。
最初の1・2周はラインを思い出しながらの走行です。
3・4周目辺りから徐々に分かってきて、ところどころ全開を交えながらの走行になりました。信じられないことに何台かのポルシェを追い抜くということまでやり、今日は行けそうな感触でした。
が、暑い!!
コースも混んでいるので一時休憩のためにピットインしました。
そっちは良いとして、もう一つの目標(というか目的)は私の友人では最速の男、ブラックバード.さんに同乗させてもらうことでした。これまで色々なポルシェに乗せていただきましたが、これだけは押さえて置きたかったとっておきの一台です。
そして、ついに乗せて頂きました!

(photo by ヘイ ジョーンさん。同乗しているのは私ではありません)
感想をひと言で書くと、
同じクルマ・同じ人間とは思えませんでした。
加速がスゴイのとブレーキが良く効くというのは想定の範囲内でしたが、良く曲がることとそれに伴うすさまじい横Gに度肝を抜かれました。
964ならばその速度で回ったら絶対に滑るよなぁという速度でもしっかりとグリップしています。そして、そのときの横Gたるや、右手でドアハンドルを握っていたのですが、腕相撲をするような感じで力を込めないと身体がもって行かれそうでした。
私の事前に抱いていたイメージではもっとヌメ~と曲がるのかと思っていたのですが、実際はグルンッと回っていました。リアヘビーなポルシェ911でもこんな動きができるのですね。クルマが特殊でドライバーの腕が良いという条件が揃って初めてなし得るワザだと思うのですが…。
脚の出来も良かったです。横Gこそ凄まじかったけれど、ジャングルジムのようなロールケージで固めた車体は暴れることもなく、しっかりと突っ張っていて安心感がありました(くろよん号の脚はやはり変だぞ!?)。サーキットだからかもしれませんが、一般道で乗せていただいたGT3よりも安定感がありました。巨大なウィングが効いているのでしょうか?
さらに驚かされたことはにそんな尋常ぢゃない状態でドライバー(BBさん)が運転できることです。並大抵の鍛え方じゃないですね。
イタリア語でいうところのクンタッシ!(びっくらいこいた~!)でした。
BBさんありがとうございました。今までにないミラクルワールドを味あわせていただきました。
しかし、それがいけませんでした。
走行時間が残り15分くらいしかなかったので、すぐにくろよん号を発進させました。
BB号の強烈なイメージが身体に残ったまま走行して、今までよりも速い速度で100Rに進入してしまったのがまずかったようです。
その瞬間のことは良く覚えていませんが、100Rの出口付近でスライドしたままコースアウト。
スピンするかグリップが回復するのを待ったのですが、どちらもせずに一直線に壁に向かって進んで行くのでアセってフルブレーキング。
しかし、時すでに遅しで左側面を擦るように壁に激突してしまいました。
壁があと2メートル、いや1メートル遠ければぶつからなかったかもしれないと・・・・・いやいや最初からフルブレーキングしていれば・・・・・いやいや・・・・
短い一瞬に色々なことが頭を駆け巡りました。
ミラーが折れていたので、走行は無理と判断してイグニッションをオフにし、車外へでました。
こういう場合は安全な場所へ避難するんだよな・・・・
壁はタイヤバリアーでした。乗り越えるには高い壁でしたが、10メートルくらい先に切れ目(ヘアピンの先端部分のようです)がありました。そこへ向かう前にコースの反対側を見たら、旗を振っている人(サーキット用語ではなんと言うのでしょうか?)が黄旗を振りながら手をクロスさせているのが見えました。たぶん、「ダメか?」と聞いているのでしょう。私も手をクロスさせて×印を作りました。旗振りの人はすぐにどこかへ連絡をしているようでした。
小雪の残る芝生の上を壁の切れ目まで歩く距離の長かったこと・・・・
壁の後ろに入ってからは放心状態でボ~と黄旗を見ていました。

(photo by た~ちゃん夫人さん)
自分のクルマの状態を見るとか、走行中の他の人のクルマを見るとかはできませんでした。走行時間は残り10分くらいだろうからここで待っていれば良いのかなぁと考えていました。
やがて旗が黄色から白色に変わりました。
たしか、低速車両が入ってくる合図です。ちゃんと旗の意味を覚えていました。
すぐにレッカー車がやってくるのが見えたので、現場に戻りました。
「ステアリングはきれますか?」
みたいなことを聞かれて、初めてクルマの状態をチェックしました。
うわぁ、ホイールが曲がっている!
いえ、違いました。ホイールをきったままの状態になっていただけでした。
そうか、旋回の途中だったんだから当然か。
妙に納得してロクに確認もせずに
「ハイ」
と応えてしまいました。
牽引フックを持っていないことを告げると、レッカー車から取り出し手早く取り付けてくれました。手馴れた様子でした。
「8番ポストからでます」
8番と言われても分かりません。
「どこですか?」
「そこです」
指差してくれました。ホンの数十メートル先のようですが、出口があるようには見えませんでした。
レッカーの人の指示にしたがい、クルマに乗り込みハンドルを握ります。ステアリングをきると左フロントタイヤが何かに引っかかっているような感触がありました。しかし、それ以外にはおかしな様子は感じませんでした。
レッカーに引かれて8番ポスト(?)のところへ行くと確かにコースの外へでる通路がありました。コースを走っているときには全然気付いていませんでした。
駐車場に出るまでのわずかな時間・距離が無限のように長く感じました。
そこで一旦停止して、レッカーの人が
「ピットはどこですか?」
と聞いてきました。どうやら私たちのピットまで送ってくれるようです。送ってもらってもどうにもならないよなぁと思いつつも、送っていただきました。もう言われるがままです。

(photo by wildcatさん)
ピット前に到着するとすぐに何人かの方が駆けつけて来てくれました。
身体は大丈夫かと聞かれて、初めてかすり傷一つないことに気付きました。
良かったといってくれる方たちの声を聞いてようやく事故を起こしたことの実感がわいてきました。そしてヘルメットもグローブもはめたままであることを思い出し、やっとヘルメットを外しました。
その頃にはもう縞エイさん・らんたぽるさんがクルマの状態をチェックして、走れる状態にすべく作業を開始してくれていました。
この頃には集まって来てくれた方々と色々と話をし、冗談のようなことも言っていたような気がするのですが全く覚えていません。半放心状態で脊髄反射的に会話を交わしていたように思います。
クルマの方の作業もなすがままにお願いしてしまいました。縞エイさん・らんたぽるさん、ありがとうございました。たぶんお礼も言っていなかったと思いますので、ここでお礼を書かせてください。

(photo by ヘイ ジョーンさん)
とりあえずいつもお世話になっているショップに電話をし、これからショップへ向かうことを告げました。
自走で行けそうな感じもしたのですが、状態を悪化させるとまずいこと、左ミラーが取れてしまたこと、もうすぐ日が暮れるのに左ヘッドライドレンズが割れてしまったことを考えてローダーでショップまで運んでもらうことにしました。というか、なりました。

(photo by wildcatさん)
今にして思えば、半分放心状態だったのでたとえクルマが完全でも自走はしない方が良かったと思います。正しい決定だったと思います。
そこから先は特に書くことはないのですが、辺りがすっかり暗くなったころにいつものショップへ到着しました。
その後もカルロスさんたまさんが最後まで付き合ってくれました。おかげである程度気を持ち直すことができました。ありがとうございました。
帰宅後は眠る気分にならなかったのでこのブログの大半を書き上げてしまいました。
翌日にじわ~と落ち込みが来て一日中寝込んでいました。
そして、今日は諦観しています。
当分は気分が下がったり、落ちたりしそうです。何もしていないと落ち込みそうなのでなるべくブログアップしたり、色々なところに顔を出そうかと思っています(仕事も忙しい時期だけど、独りでいるとボ~としています…)。
この間に多くの方からお見舞いのメッセージや電話をもらいました。お気遣いいただき、どうもありがとうございました。皆さんには本当に感謝しています m(__)m
私自身はキレイさっぱり無傷です。
くろよん号は主治医の一見では2月中に戻ってこられそうです。詳しい状況はまだ聞いていませんが、エンジンは無傷、ボディもフレームまでは逝っていないと思います。元々翌日にメンテに出す予定でしたので、それが長引くことになったと思うことにします。
他人も巻き込むこともなかったし、まあ上手くクラッシュしたのではないかと自分を慰めています。
事故は初めてではないですが、今回は自分でミスをしたことがハッキリと分かっているのでガックリきています。でも、このままで終わらせるつもりはありません。捲土重来、必ずします!!
シクシクシクシク・・・・(TT)