12耐の情報収集も抜かりなく進んでいた。
まず、基本として、規則集を何度も何度も読み返した。
1チームの人数は12名までである。
僕たちは最大10人にしようと申し合わせていた。10という数字はさしたる根拠はなかったが、キリが良いのでほぼ暗黙の了解で決まってしまった。そしてメンバーは一人増え、二人増え、ちょうど10人になった。
初期ガソリン量は45リットル、そして一回の給油量は20リットルとのことである。
マーチのガソリンタンクは41リットルなので初期ガソリン量は問題ない。
しかし、給油のためのガソリン携行缶の規定が良く分からない。
ワイヤー入りのホースでバルブがなければいけないそうだ。
インターネットで検索をかけても該当するような携行缶は売っていない。
アイドラーズから借りられるかもしれないという情報も入った。
また、僕が出入りをしているポルシェショップでアイドラーズ規定の携行缶を作ってくれるという話も聞いた。さっそくショップに問い合わせてみたら、値段は通常の携行缶の数倍の値段であった。買えない金額ではないが、満場一致で購入は却下された。贅沢は敵である。
結局、アイドラーズから借りられることに賭けることになった。
この他の物品についても相談を始めた。
大きなところではテント。小さなところでは筆記用具まで…
何が必要だろうか?
何でも持って行けるわけではないし、何でも用意できるわけもなかった。
昨年の12耐の記憶を呼び戻し、リストを作る。さすがに通常のサーキット走行とは違い、用意すべきものが多い。
チームメンバーが持っているものをなるべく持ち寄ることにしたら、ほとんどの備品が揃ってしまった。皆さん、意外と物持ちなようで…
それでも細かいところは分からない。レース当日に足りないものに気づいたらどうしよう?
物品ばかりではない。
当日の作戦は?
タイムスケジュールは?
トラブルがあったときには?
考えなければならないことが多すぎる。
眠れない夜が続く。
クルマの整備が表の仕事ならば、これらは裏の仕事といえるかもしれない。
表以上に手探りな部分もあり、不安も多かったが、それ以上に楽しい時間が過ぎて行った。
何から何まで全てを自分たちで準備する。
ひとつのことにこれほどまでに真剣に取り組んだことはこれまでになかったかもしれない。
貴重な体験だった。
(続く)
・12耐への道(1)【夢の始まり】
・12耐への道(2)【ようこそマーチ君】
・12耐への道(3)【お買い物ゲーム】
・12耐への道(4)【最初のチューニング】
Posted at 2010/07/05 23:07:44 | |
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12時間耐久レース | クルマ