(267)駅メロソング～9～

前回の続き

今回の駅メロは



春限定でJR西日本の福山駅で流れるこの曲…



1986年6月発売、加藤登紀子さんの44枚目シングル「海辺の旅」のカップリング曲「百万本のバラ」です。
後に25枚目アルバム「MY STORY/時には昔の話を」に収録され、1987年4月にA面曲として発売されました。
発売後徐々に売上を伸ばし、2年ほど後に100万枚を突破しました。

そしてこの曲は元々カバーで、オリジナルはこちら…



1982年発売のロシア(旧ソ連)人のアーラ・ボリソヴナ・プガチョワのシングル「Million Roses」です。
発売後長きに渡って絶大な人気を博し、日本でも発売されました。

そしてこの曲には原曲があり、それがこちら…



1981年にラトビア人のアイヤ・ククレとリーガ・クレイツベルガの2人が歌謡コンテストで歌ったラトビアの歌謡曲「Dāvāja Māriņa（マーラは与えた）」です。
この曲は「百万本のバラ」とは全く異なる歌詞で、大国に運命を翻弄されてきたラトビアの苦難を暗示するものでした。



そして駅メロについて。
福山駅では1998年春頃から在来線のりばの列車接近放送にメロディーを採用してます。
福山駅では季節ごとに流れる曲が変わるという、全国でも珍しい放送を行っています。
このうち春の期間では、福山市の「ばらのまちづくり」にちなみ、この曲が使われています。
福山市では第二次世界大戦の空襲による被害から復興していたとき、住民が空き地にばらを植えて育てたのをきっかけに「ばらのまちづくり」を進めています。
空き地は現在「ばら公園」として整備され、



1968年から2019年まで、毎年5月に「福山ばら祭」が開催されています。
1985年には市の花に制定され、2016年に「100万本のばらのまち福山」を実現しました。
現在は「世界に誇れるばらのまち」をめざし、さまざまな活動を展開しています。
かつては市内の備後赤坂駅と松永駅でも採用されたほか、市外の鴨方駅と里庄駅では曲を半分に短縮したバージョンも使用していましたが、現在は福山駅のみの駅メロとなっています。