きょうは、4週間前に起こった、
この、フェード?!?の検証です。
フェードが起こった後、気にしてたのは、
ローター温度。
この写真は、高峰高原でのフェードの翌日、
メルヘン街道を麦草峠から北東に向かって、
単独でダウンヒルを楽しんでた時に
ん?! またフェード?!?
という軽いフェードを感じたので、
安全なところで、フルブレーキングで停止。
すぐに、フロントローターの温度を計測した時のもの。
右ローター温度のMAXは、283℃
左ローターは、260℃。
温度的には、
昨年、初めて経験した時より低いです。
しかも、このときは、クーリング走行をした
後に計測してます。
高峰高原でのフェード時には、
計測してなかったので、このときと
同程度の温度になってたのかもしれませんが。
それと、気になったのは、ローターの
ディンプルからでてる筋です。
写真では、ピントが温度計に合ってて、
ぼやけてますが、ディンプルからの
筋が確認できます。
これ、フェード時に溶け出したブレーキパッドの
素材がディンプルに詰まって、
再度溶け出して、ローターに筋引いてるの??
こちらのブログの写真を見る限りでは、
こんな感じにはなってません。
それが、影響して、軽いフェード?!?と
感じる現象になってるの?
とか、考えてました。
帰宅後、その辺り気になって、
DIXCELの見解をきいてみようと
DIXCELに問い合わせフォームから
----------------ここから----------------
Z-typeブレーキパッドを購入し、使用したところ、ダウンヒルでフェードしてしまいました。
Z1212392 Z1258835
BMW Z4 M40i (G29) に
3' G21 320i F/R M Performance ブレーキ セット
を取り付けて、約1年、BMW純正パッドで使っていて、今回、前後ともZ-typeを取り付けました。
BMW純正パッドで、約一年前、一度だけフェードしたことがあって、それが嫌で、Z-typeを取り付けたのですが、フェードしてしまいました。
BMW純正パッドでフェードしたときは、長野県の万座峠(標高約1840m)からのダウンヒルを17km弱走行し、標高約1100m辺りで、フェードし、0.5km程度クールダウン走行。
その後、ローター温度を赤外線温度計で測ると、フロントは、320℃程度、リアは、210℃程度で、フロントがフェードしていたようです。
この件、BMWのディーラーに問い合わせると、そのくらいの温度なら、BMW純正パッドはフェードしてもおかしくないとのことでした。
その後、パッドが使えなくなることもなく、1年ほど使っていて、今回、前後ともZ-typeに交換。
で、今回、長野県の高峰高原からチェリーパークラインを、走行距離7km弱、標高は約1940mから約1350mのダウンヒルで、フェードしました。
そのときは、温度測定が出来なかったのですが、適正温度: 0~850℃ のZ-typeがフェードするような温度まで上がったのかとても疑問です。
さらに、そのときにパッドが溶け出したようで、ローターのディンプルに溜まり、ディンプルからローターにパッドの融けたものと思われるものが、筋を引いてます。
最初のフェード以降、ディンプルに溜まった一度融けて固まったものが、再度融けているからなのか分かりませんが、フェードの感触になります。
翌日も何度かフェードの感触になったので、フルブレーキで停止して、直ぐにローター温度を計測してみましたが、そのときの温度は、280℃程度で、ローターのディンプルから筋を引いてました。
リアもディンプルから筋を引いていました。このとき、後続車などもあり、リアの温度測定はできませんでした。
その後も、似た感じになった時に温度測定してみましたが、前後とも300℃弱でした。
御社の見解をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
----------------ここまで----------------
こんな質問をしてみました。
返ってきたメールには、次の内容が書かれていました。
引用の許可をとってないので、箇条書きに。 (^^;;
・Z-typeでフェードはあまりきかない現象
・Z-typeは、0~850℃までの温度域
・国際サーキット等であれば850℃に近い温度にもなるがダウンヒルでは考えにくい
・850℃迄上がった場合は炭化等でパッドが崩れる
・ブレーキパッドだけの問題では無いように感じる
という内容で、さらに詳しい状況確認のため、
諸々質問や写真があれば、送ってほしいとのこと。
ということで、購入店や走行距離など質問の返答と共に温度計測した写真や、
ローターのディンプルからの筋が分かる写真を
撮ったりして、DIXCELに返信。
別のタイミングでローター温度を計測したときの写真なども添付して。
ブレーキフルードの交換等についても質問があったので、
----------------返信内容の一部--ここから----------------
ブレーキフルードは、2023年3月、69,000kmでディーラーで点検時にBMW純正で入れ替えしてます。
それ以前も、ブレーキフルードは、2年ごとにディーラーで交換しています。
ちなみに、M Performance ブレーキ セットを取り付けた2023年5月、
オドメーター73,000kmのときに、補充として使ったブレーキフルードは、
BMW純正のディーラーで使っているのと同じものです。
現状のオドメーターは、94,000kmです。
10年以上前、ブレーキパッドの知識がなかったころに、
E85のZ4 3.0siの純正キャリパーにM-typeを取り付けて、
サーキットを走行し、炭化させパッドの土台だけになった経験がありますが、
あの時の感触とは、まるで違います。
今回は、ブレーキの効きが、ヌルーっと効かなくなる感じです。
フェード後も、特に問題なくブレーキが効いているときと、
ヌルーっと効かなくなる感じになるときがあります。
ブレーキペダルの踏みしろ、ペダルを踏む感触が変わる感じではなく、
パッドとローターの摩擦が減っている感じとして伝わってきました。
----------------ここまで----------------
という、説明と共に返信しました。
そして、届いた返信の内容は、
・ブレーキの感触がヌルっとした感覚との事、ブレーキフルードの劣化等が考えられる
・ハードな走行した際にフルードは劣化するので、粘度の低いフルードに交換をすすめる
・ディンプルからの筋は、ハードな走行でパッドの摩擦材の不燃物がディンプルに溶着して出来たもの
・ブレーキフルード等交換して様子をみて欲しい
という内容でした。
そこで、返信内容を引用しつつ再度質問。 (^^;;
-----------ここから-----------
>
> ※実際のメールには引用内容があります
>
とのことですが、ブレーキフルードが劣化すると、
ブレーキフィールが悪くなったり、
また、復活したりするのでしょうか?
>
・ディンプルからの筋は、ハードな走行でパッドの摩擦材の
>
不燃物がディンプルに溶着して出来たもの
摩擦材の不燃物がディンプルに溶着すること自体が、問題なのではありませんか?
そのことで、ブレーキの効きに影響しているのではありませんか?
最初のフェードが起こるまでは、全く問題なかったのですが、
フェードが起こってからは、ブレーキの効きに問題なかったり、
効きが悪くなったり、が、ブレーキングの強弱には関係なく、
ランダムに発生する感じがあります。
-------------ここまで-------------
この返信をしてから、週が明け、
これまでやり取りしていた人とは別の
DIXCELの技術担当さんから、
電話で話をききたいとのメールが届くも、
直ぐには、返事ができず、 (^^;;
翌日にも、同様の内容のメールが。
そこで、
-----------ここから-----------
ディクセル技術担当 ××様
ご連絡ありがとうございます。
昨日もメールいただいていましたが、お返事できていませんでした。
できれば、電話より、メールでお返事いただけると助かります。
あと、ブレーキパッドそのものの写真を送っていませんでしたので、添付させていただきます。
キャリパーの取り付け位置が分かるように車の写真も添付させていただきます。
番号の1がキャリパーの上側、2が下側になるつもりで、ファイル名を付けましたが、付け間違いしてるかも知れません。見てるうちになんだかこんがらがってきて。(^^;;
私から確認させていただきたいのは、
まず、Z-typeの適正温度: 0~850℃
についてですが、この温度範囲で使っている限りは、炭化もしないしフェードもしない、ブレーキパッド本来の性能を発揮できると、理解して良いのでしょうか?
それとも、ブレーキパッドの常識として、なんらかの前提条件がありますでしょうか?
私としては、前提条件は何もなく、0~850℃ の温度範囲で使用している限り、ブレーキパッド本来の性能を発揮できるので、フェードや炭化はしないと思っていました。
次に、フェードと感じた現象についてですが、ブレーキパッドがフェードしていた可能性は、考えられますでしょうか?
また、ブレーキフルードが劣化して、ベーパーロックが発生し、それをフェードと感じてしまった可能性ですが、多分、単に劣化と○○様が指摘されたのは、このことだと思います。この可能性については、どうでしょうか?
さらに、これら以外にフェードしたと感じる他の現象が起こっていた可能性はいかがでしょうか?
また、添付させていただいたブレーキパッドの写真ですが、ローターがブレーキパッドに挟まれて行く側は、パッドが綺麗のですが、ローターがバッドから離れていく側は、パッドが荒れています。
この荒れですが、ガスが発生したり、何らかの原因で、パッドが正常な状態を維持できなくなった結果と言うことはありませんでしょうか?
また、確認されたい内容をお知らせください。
よろしくお願いいたします。
ブレーキパッド_左前1

ブレーキパッド_左前2
ブレーキパッド_右前1
ブレーキパッド_右前2

ブレーキパッド_左後1
ブレーキパッド_左後2
ブレーキパッド_右後1
ブレーキパッド_右後2
-------------ここまで-------------
このメールを送って、技術担当さんからあった返事の内容が、
・パッドの適正温度について、どのような材質のパッドにもほぼ共通で、適性温度内においても急激な高温にさらされるとガスフェードが生じる
・ブレーキダイナモを用いて、Z-typeの制動試験を度々行っている
・街乗りモードと呼ばれるプログラムで500℃以上まで温度を上げた際に、摩材中の耐熱樹脂より微量のガスが発生する
・ここまでをローターと当たりが付いた状態とし、その後にサーキット走行を想定した連続高負荷プログラムにおいて、序盤に「シュー!!」と耳で聞こえるくらいの大量のガスが発生する。
・その後はガスが発生することなく、安定した制動力を発揮し続ける
・今回、おそらくダウンヒルにおいて同様の症状が発生したものと推測される
・摩材の抜け側が荒れたように見えるのは、入り側はローターの回転風によってやや冷やされるのに対し、抜け側はその逆で熱が溜まる&摩擦の“後半部分”にあたるため、そこからガス抜けが生じ、ゴールド塗装が沸騰した状態になっているようにみえた
・顕著なのはリヤブレーキ側
・このことから、フロントフェード時にブレーキバランスがリヤ側に傾いたのと同時に、4輪でABSが介入したことによる引きずりにともなって、高温に到達した模様
・パッド面積が小さいリヤパッドの方が全体的に高温になったように見受けらる
・ローター摺動面の筋模様については、ディンプル内に溜まったダストが排出されると同時に引き延ばされているのと、スリットやディンプルが通過する部分はそうではない平滑な部分とで微妙な温度差や当たり具合の差(ローターが少し凹凸摩耗しているため)で、被膜の状態が不均一になるため
・使用上に問題となるような状態ではない
・多少ブレーキタッチにムラがあるとのこと、酸化した摩擦材表層の有機物成分が今後の走行時の摩耗で飛ばされて、綺麗な面が出てくるにつれて改善さえると思われる
・一度ブレーキシステム全体が高温になった際にブレーキフルード内に発生した気泡が、温度が下がって微細な気泡としてキャリパー内に滞留することも稀にある
(弊社ダイナモで用いているbremboキャリパーでも確認することがある)
・ただ、いずれも断定できるものではないので、気持ちの悪いブレーキタッチが続くようなら連絡ください
と。
技術者として、真摯な説明をしていただいたと、好印象を持ちました。 (^^)
さらに、実際の文面は、丁寧な表現が使われていて、技術的説明メール自体には、nobupina的には全く不満はありません。 (^^)
で、現状、この説明をもらった状態で、DIXCELとのやりとりは、止まっています。(^^;;
ブレーキパッドやローターについては、
そういうことなのねと。
最初の高峰高原からのダウンヒルで
フェード?!?と感じたのは、
間違いなくフェードでしょう。
これは、DIXCELの説明と符合する。
その後の、フェード?!?と感じたブレーキタッチが
何だったのかですね。
それを、なとんか確認する方法はないものか。
キーになるのは、ブレーキフルードです。
ベーパーロックが発生して、
気化したガスが、温度が下がっても
液体に戻らず、気体のまま存在しているのか?
それが、微細な気泡となって、
ブレーキフルード内に浮遊しているのか?
まず、気化して液体に戻っていないとすると、
気体は軽いから、上に上がるはず。
気化は、キャリパー内で起こっているので、
その気体は、キャリパーの高いところにあるはず。
じゃあ、その気体を取り除けば、改善される?
ということで、
続検証!! ダウンヒルでフェード?!?
に続きます。 (^^;;