バイク便のはなし バイク便の仕事内容③ 「プレスライダー」

「プレスライダー」

この仕事はバイク便の元祖とも言える仕事で、各テレビ局や新聞社に常駐して、主に原稿や取材テープ等を運ぶ仕事。

昭和30年代前半の昔は、取材先で記者が書いた原稿は伝書鳩を使っていたらしい。

だが伝書鳩より確実で正確性を求めて、バイクを使った原稿輸送がマスコミ各社で広まっていった。

プレスライダーはバイク便と違い、箱を後ろに載せずにタンクバックで原稿を運んでいた。

仕事は主に、取材先からテレビ局や新聞社まで原稿を運ぶ事がメインだが、たまに被疑者や取材対象者の車を追尾する「追っかけ」と言う仕事もする。

無線や携帯電話で記者とやりとりしながら追尾したり、時にはカーチェイスのように追っかける場合もある。

カーチェイスになる場合は、逃げる車も「逃がし屋」と呼ばれるレーサー崩れの連中が、それなりの車で政治家を乗せて信号無視は当たり前で飛ばしてたとか…


ちなみにプレスライダーは、バイク便のことを「箱屋」と呼んで区別(差別?)していた。

昔はプレスライダーの会社が多く存在していたが、メール等の伝送技術が発達して需要が少なくなり縮小している。

だが追っかけや出先での取材テープの輸送等の需要が、まだある為いくつかの会社は存在している。

プレスライダーは基本的に募集している事がほとんど無く、大体が人の紹介で入る事が多い。

本格的なプレスライダーの経験はないが、プレスライダーの会社から請われて野球やサッカーの取材テープをテレビ局まで運んだ事がある程度。

一度、とあるテレビ局のプレスライダーに誘われた事があったが、条件と個人的な事情の折り合いが合わず断った。

プレスライダーと仕事した時のエピソードもあるので、後々書こうかと。