たかおみ(旧ケンドル)のブログ一覧

「プレスライダー」

この仕事はバイク便の元祖とも言える仕事で、各テレビ局や新聞社に常駐して、主に原稿や取材テープ等を運ぶ仕事。

昭和30年代前半の昔は、取材先で記者が書いた原稿は伝書鳩を使っていたらしい。

だが伝書鳩より確実で正確性を求めて、バイクを使った原稿輸送がマスコミ各社で広まっていった。

プレスライダーはバイク便と違い、箱を後ろに載せずにタンクバックで原稿を運んでいた。

仕事は主に、取材先からテレビ局や新聞社まで原稿を運ぶ事がメインだが、たまに被疑者や取材対象者の車を追尾する「追っかけ」と言う仕事もする。

無線や携帯電話で記者とやりとりしながら追尾したり、時にはカーチェイスのように追っかける場合もある。

カーチェイスになる場合は、逃げる車も「逃がし屋」と呼ばれるレーサー崩れの連中が、それなりの車で政治家を乗せて信号無視は当たり前で飛ばしてたとか…


ちなみにプレスライダーは、バイク便のことを「箱屋」と呼んで区別(差別?)していた。

昔はプレスライダーの会社が多く存在していたが、メール等の伝送技術が発達して需要が少なくなり縮小している。

だが追っかけや出先での取材テープの輸送等の需要が、まだある為いくつかの会社は存在している。

プレスライダーは基本的に募集している事がほとんど無く、大体が人の紹介で入る事が多い。

本格的なプレスライダーの経験はないが、プレスライダーの会社から請われて野球やサッカーの取材テープをテレビ局まで運んだ事がある程度。

一度、とあるテレビ局のプレスライダーに誘われた事があったが、条件と個人的な事情の折り合いが合わず断った。

プレスライダーと仕事した時のエピソードもあるので、後々書こうかと。

「軽四輪便」

この仕事はバイクに積めない大型の荷物や大量の荷物を運ぶ際に軽ワンボックスが使われる。

大手のバイク便会社には大体軽四輪を置いていて、中小他社も置いてるのが幾つかある。

俺の在籍した会社には軽四輪は無かったが、付き合いのある他社の仕事で何回か手伝い程度で仕事した事がある。

この軽四輪もバイク便と同じで請負業が多く、車を持ち込んで仕事をしているのがほとんどだ。

有名なのは「赤帽」だが、赤帽だけじゃなく軽四輪の仕事自体評判が良くない。

ヒドいとディーラーと提携して軽貨物の四輪を新車で買わせて、ローンを天引きさせる会社もある。


バイク便の軽四輪は会社の車がほとんどだが、軽四輪で仕事している人達は搾取されているところが多い。

俺が直接見た軽四輪の会社は、そんな感じだった。


「ハンドキャリー」

ハンドキャリーは車やバイクでは時間がかかる長距離の配送に電車や新幹線、飛行機で現地に行きそこからタクシー等で届け先に行く仕事。


当日配送が基本のバイク便でバイクでは時間がかかる為に、飛行機や新幹線を利用するが、持って行く荷物にもある程度制限があり(手荷物程度)新幹線や飛行機が稼働している時間帯にしか受けられない。

終電ギリギリで配送する場合もあるが、その際は現地に宿泊する事もある。

新幹線や飛行機が無い深夜時間帯だと、たまに地方まで自走する事になるが…(めったに無い)


それと稀に海外へのハンドキャリーもあり、その際は荷物を確認してから(麻薬等の密輸防止)海外へ配送する事も。

他社の知り合いが海外への配送を行った事があり、聞いた話が結構おもしろかった

その時のエピソードは後程書こうかと。

前回はバイク便のイメージについて書いたが、今回はバイク便の仕事内容について書こうかと。

ちょっと長めになるので、分けて投稿させて頂きます。


バイク便は請負業がほとんどで、バイクを持ち込んで仕事する事が多い。

会社と請負契約を結び、ガソリン代やバイクの維持費、必要経費などは自分で負担する事が多い。

自社のバイクで会社員としてバイク便をしている会社もあるが、それはごく稀で俺が知っているだけでも２社だけ。

それ以外は請負業がほとんどだ。



バイク便は幾つかの業務内容に別れていて、それぞれ会社によっては専門的にやっているところがある。

まず主な業務内容

「スポット便」

これは殆どのバイク便の主要な業務になる。

基本的に外で待機して会社は受注した荷主に近いライダーに連絡して、仕事を振り荷物を引き取って届け先に行き終わったら待機場所に戻ると言った内容だ。

当日配送が基本でバイク便の花形と言われていたが、この仕事は何本走るか、何㎞走るかによって収入が左右されやすく不安定になりやすいのが難点。

特に歩合制が殆どな為にベテランと新人とでは収入に差が大きくなおかつ、屋外待機が殆どな為(会社によっては室内待機の場合がある)雨の日や夏場、冬場などは肉体的にきつい事が多い。

だが、走り込んでるベテランは月に60万以上になったりする。
この仕事が一番辞めたり入ったりが多い仕事でもある。

ちなみにスポット便は手伝い程度でしかやった事がない。



「定期便」

この仕事は企業からの定期的に出る荷物や書類を運ぶ仕事が主で、午前中や午後または時間で決まった会社やルートを走る仕事。

スポット便と違い契約先の会社から定額で仕事請けているため収入が安定しやすい半面、単調で同じ事の繰り返しになりスポット便で走り込んでる人たちはやりたがらないのが殆どだった。

人によっては午前中だけ定期の仕事をやって午後にスポットに回るって人もいた。

この仕事はマイペースに仕事をする人が多く、俺がよくやっていた仕事の一つでもある。


「常駐便」

この仕事は契約先の企業からの依頼でその会社に常駐してそこから出る荷物や書類の配送、手続きの代行をするのが主な仕事。

仕事内容はその企業により変わる場合があるが、大体は同じような感じ。

この仕事はバイク便会社によっては定額か歩合かどちらかになる。

俺がやってたバイク便は、主にこの常駐便がメインの仕事だった。