
前回はエンジンの話を書いたが、今回はバイク便で使われてるエンジンオイルの事について書いていこうかと。
ちなみに今回書くエンジンオイルの内容は、自分がバイク便をやっていた2004年から2011年までに出ていたオイルの内容で、今とは当てはまらない事が多々ある事をご理解して頂けたらと思います。
距離を走るバイク便で使われてるエンジンオイルはいったいどんなのが使われてるか気になる人もいると思うが、実際はごく普通に市販されてる純正等が使われてる事が多い。
エンジンオイルは個人の好みが出やすい事が多く、バイクのエンジンや車種、オイル容量や走る環境、値段と交換頻度でオイルの選択肢が広がる。
純正しか使わない人もいれば、特定の銘柄のオイルを使う人もいたりマニアックなオイルを使う人もいたりする。
当時は化学合成油信者で自分のバイクには必ず化学合成油を入れるようにしていたが、バイク便を始めてから必ずしも化学合成油だけが優れているというわけではない事を知った。
まずは自分がバイク便時代に使っていたオイル2種類を紹介しようかと。
WAKO’S 4CT-S 5w40
バリオスに入れていたエンジンオイルで、バイク便をやる前からこのオイルを入れていた。
入れていた理由は単純にバリオスを買った今でも馴染みのバイク屋の店長のオススメだったからだが、普段使いだとオイルの性能としては良いがバイク便を始めてみて感じたのは耐久性が良くなかった。
高回転型のエンジンのせいか、2000km前後辺りでギアの入りが渋くなり3000km過ぎるとニュートラルに入りずらくなって当時は1ヶ月で3000km前後を走っていたのもありタイミング的に1ヶ月毎に交換していた。
オイルを変える事も考えたが、当時はオイルの知識があまり無く単純に社外=高性能と勘違いしていたのもあり、周りも似たようなスパンでオイル交換していたのもあって結局バリオスには最後までこれを入れていた。
ちなみに今、バイク屋はWAKO'Sのオイルの取り扱いは止めてKawasaki純正を取り扱ってる。
理由はKawasakiから純正オイルを取り扱うように念(圧?)を押されたかららしい。
タクマイン 匠 10w40

バリオスが事故に巻き込まれて廃車になって、その後に乗るバイクに使っていたオイル。
タクマインというメーカーは小売店等を通さず、直接通販での取り扱いで流通コストを抑えて高性能オイルを提供している。
このオイルを知ったのは最初に入ったバイク便でライダーを管理している人が使っていて、エステル系オイルの中では当時一番安かった。
バリオスの廃車後は当時スーパーシェルパと水冷Z1000、仕事でCB400SFに乗っていて各バイクに入れていた。
バリオスで仕事していた当時は知らないオイルメーカーなうえに、当時はAmazonも普及してなかったのもありネットで注文するのに抵抗があったが、いざ注文して使用したらオイルの性能の高さと耐久性に驚いた記憶があり、バリオスに入れておけばよかったと軽く後悔した事がある。
オイル交換は毎月していたが、当時CB400SFで1ヶ月5000〜6000km走っていてオイル交換までにギアの入りも渋くなる事もほとんど無く走っていた。
ただ車種によっては相性があると感じた。
エステル系のオイルにありがちなのか浸透性が高く、カワサキのバイクだとエンジンヘッドパッキンからオイル滲みがしやすい事がほとんどだった。
CBはオイル滲みが一切無く仕事で使い倒していたが、スーパーシェルパだとヘッドパッキンを一度交換した後にも関わらずオイル滲みが止まらず、酷いとエンジンを回して走った後にヘッドからうっすら垂れてくる時もあった。
それは水冷Z1000でも同じでオイルが垂れるまでいかなくても、CBより年式が20年近く新しいバイクにも関わらずオイル滲みがしていた。
カワサキのエンジンは鉱物油べースのオイルを入れる前提で設計していて、エステル系オイルを使うとヘッドカバーからオイル滲みがすると以前聞いた事があった。
結局シェルパは当時タクマインで出していた半合成油「玄」(今は廃盤)を試しに入れたら、オイル滲みがピタリと止んだからカワサキのバイクには鉱物油が合っているんだなと実感した。
このオイルはバイク便を辞めるまでCBとZ1000に使用していた。
ヤリス購入時に匠0w20を改めて使うか考えたが、AmazonのGRオイルと値段や性能的に大差無いのでGRオイルを選択した。
次に周りが使っていて印象的だったエンジンオイルを紹介しようかと。
スズキ エクスターTYPE04 10w40
仕事仲間の周りで純正オイルを使っていたのが、ほぼスズキの純正オイルだった。
今はスズキ純正は3種類あって鉱物油のR5000、半合成油のR7000、合成油のR9000に分かれてるが、当時はこのオイルとスーパーデラックスってオイルの2種類だけで両方とも鉱物油で、何故かホームセンターで置いてるのがこのオイルだけだった記憶がある。
当時はホームセンター等で1本辺り700円前後で置いてあって、メーカー純正の中で一番安く間違いないからと使用していた。
このオイルで普通にトラブル無く20万kmや30万km走っているバイクを見て、純正オイルを見直すきっかけになった。
出光ゼプロ BIKE 4T 10w40

このオイルの存在を知ったのは、叔父のガレージに置いてあったのが最初。
叔父は毎年、岩手で行われるイーハトーブトライアルに出ていてそこで完走した際に貰ったらしい。
店頭に置いてないのもあり、出光ロゴのバイク用オイルを初めて見て新鮮だったが数年してバイク便始めた際にこれを使っている人を初めて見た。
入手先は親戚が出光のガソリンスタンドを経営しているらしく、当時一箱20本入りを安く購入していた。
オイル性能はごく普通らしく1ヶ月3000km前後で交換していた

缶のデザインが変わって今でも購入できるが、マニアックなオイルで入手先も限定されていてアポロステーション経由かモノタロウあたりでしか入手出来ないと思う。
UTCモーターオイル 10w40

このオイルも仕事仲間で使っている人がいて、缶のデザインも自分がバイク便やっていた当時から変わらずホームセンター等に置いてある。
製造元がENEOSだから間違いなく業務使用でも普通に使っていた。
周りの仕事仲間は主に上記のオイルを使用していて、合成油を使っていたのは自分とライダーを管理していた人だけだった。
当時、小さいバイク便会社にいて周りのライダーは、他社のバイク便経験が長い人が多くて経験上、高い合成油を長く使うより、同じ値段で鉱物油を早いスパンで交換した方がバイクのコンディションを維持しやすいと言っていた。
それと社外の合成油は当たり外れがあったり、耐久性もまちまちな事もあり純正やオイルメーカーのオイルを使う方が安心感があると当時言っていたのが印象的だった。
ちなみにバイク便周りから共通して評判の悪いオイルもあったりする。
それも一応紹介するが、自分はそのオイルを使った事が無くオイルやメーカーを批判する訳では無いのでそこをご理解して頂きたいと思います。
あくまでも共通してそういう話が出ているという事と、最近見た実例も踏まえて話すが、20年近く前の話で今と当てはまらない場合もある事も認識してもらえればと。
モチュール5100、7100、300V
これらのオイルは一般ユーザーでは評判が良かったりしているが、バイク便周り(自分がいた会社や出向先の他社の人等)では評判が悪く酷評しか聞かなかった。
昔、出向先の出版社の休憩室で何の話がきっかけだったか忘れたがオイルの話になり、あれやこれやと話していたらモチュールの話になって自分以外のその場にいたライダー全員(6人)がモチュールは使えないと言っていた。
全員モチュールのオイルを使用した経験があったがその内の1人はバイク便を始めたばかりの頃に5100を入れていたが、1000km辺りでギアのシフトがシブくなり段々とエンジンの回転がダルくなってオイル交換しなきゃと思ってる矢先に、3000km手前でエンジンが止まってしまったらしい。
バイク屋に引き取ってもらいオイルを抜いたら、粘度が無いシャバシャバのオイルが出てきたらしく、エンジンが焼き付いたとの事。
当時乗っていたバイクはジェベル200だったらしいが、オイル管理はしていたらしく、その前に入れていたオイルはエルフで、それまでは快調に走っていてバイク便始めて、もうちょっと良いオイルを入れようとして、気になっていたモチュールを入れたがトラブルになってしまったらしい。
結局バイクを買い替えるハメになって、それからオイルは純正オイルしか使わなくなったらしい。
7100や300Vも焼き付く事は無いにしても高いわりに耐久性が無い、最初の500〜1000kmまでは良いがそれ以降は駄目と酷評が相次いだ。
聞いていた当時はモチュールは気になってはいたが値段的に高くあまり興味無かったが、値段が高い=良いオイルとは限らないんだなと思った。
ちなみにモチュール300Vで一つエピソードがある。
数年前、仕事終わりに会社の片隅で同僚がバイクのオイル交換の準備をして、モチュール300Vが2本くらい置いてあった。
ちなみにいつもKLXのオイル交換を会社でしているが、それは会社の車(ハイエース)を社内でオイル交換や簡単な整備をしていて工具一式とオイルの受け皿を整備担当から借りて、廃油処理もハイエースの廃油と一緒に処理して貰っている。
ちなみにモチュールのオイルは正規輸入と並行輸入の2種類があって、その同僚は並行輸入のオイルを買ったらしい。
もう何年も行ってないから今はわからないが、ラフ&ロードの川崎店に並行輸入のモチュールのオイルが置いてあって、正規輸入より1000円程安く置いてあったのを同僚が買ったらしい。
前々からラフ&ロードの店舗に置いてあるのを知っていて見た事はあるが、オイルのボトルの裏の表記に英語とフランス語、あと何カ国かのヨーロッパ言語で表記している中で唯一日本語の表記があり
「この製品は、日本国内においてクレーム対象となりません」
と書いてある。
わざわざ日本語で書いてあるのは正規輸入との絡みの関係か?

こんな感じに書いてある。
で、同僚がオイルを抜き300Vを入れてエンジンをかけた瞬間
「ジャリジャリジャリジャリ」
って破滅的な音をして同僚と自分はビックリして、同僚が慌ててエンジンを止めた。
エンジンオイル交換してこんな音をするのを初めて聞いてお互いに驚いた。
試しにもう一度かけてみるも同じで音が収まる気配も無いので、すぐにエンジンを切った。
同僚が頭を抱えたが、幸い他の同僚が持っていたHONDAのG2が残っていたのもあり譲ってもらい事なきを得た。
ちなみにG2を入れ直したらエンジン音が静かに回っていた。
バイクはCRF250でその前に入れていたオイルはエルフだった。
幸いなのかはわからないが、個人的にモチュールは使った事は無く気になってはいたが周りの反応と値段的に使う気にもならなかったが、この同僚の一件以来モチュールには良い印象が無いのが個人的な感想になる。
個人的にはタクマイン以降、車とバイクは鉱物油べースのKendallを使っていたが、円安の影響で値段が倍以上になって扱うのを止め、先日KLXのオイル交換で在庫を使い切ったのを最後にして、KLXは次からJOG125に合わせてYAMAHAスタンダードプラスにする予定で、ヤリスはトヨタGRオイルにと純正を使う事にしている。
次はバイク便でのチェーンやタイヤの駆動系の事を書いていこうかと。
今は整備関係の事を書いてますが、他にもバイク便での仕事やエピソードの事も書いてる途中なので、合間にはさみながら投稿する場合もあるので、よければ読んで頂けたら幸いです。