結局こんな結論になってしまうんですね。49頭の種牛の時もこんな感じでしたが、殺処分が規定路線だとすると、残ったスーパー種牛5頭も何らかの形で殺処分されるのではないかと心配です。
山田大臣と東国原知事との間で、どのようなやり取りがあったか非常に興味が有りますが、大臣が知事を恫喝し、知事が農家を説得し、農家が殺処分を受け入れたようです。この農家は県が殺処分を決めた場合、提訴して争うと言っていたので、この結末は少々意外ですが、15日の会談前までは国に対して助命嘆願の姿勢を崩していなかった知事だからこそ、農家を説得できたのだと思います。
ここでの疑問点が有るとすれば、知事は「恫喝された」と記者会見で明らかにしていますが、恫喝されたのなら、なぜ農家に殺処分を受け入れる様に説得したのでしょうかね。不当だと感じるなら、裁判に持ち込む事も出来そうですが。
それにしても、大臣は殺処分そのものが目的みたいな発言を繰り返していますよね。非常に気持ちが悪いです。本来の目的は、口蹄疫の感染拡大を防ぎ、終息させ、最終目的は宮崎県の畜産を復興させる事だと思うんですが。
その為の手段である殺処分だけを達成する為に、特措法や地方自治法を持ち出して、県に殺処分をさせるために「移動制限の解除」と「清浄国の認定」を盾にする。
本当に殺処分だけが目的なら、(少々違法ですが)国が直接殺処分をさせる事も出来るはずです。なのにそれをせず、今まで時間をかけてまで、県に勧告をさせて、農家に受け入れさせ、県の主導の元で殺処分をさせる事に拘っています。という事は、「感染拡大を防ぐ為の殺処分」が目的ではなく、「『感染していないかもしれない牛』を、県に殺処分をさせる」事と「その前例」を作る事が目的だったのではないでしょうか。
それと、大臣は「行政代執行」を切り札として口頭で知事に圧力を掛けていましたが、最終的に書面で出す事はしませんでした。これも不可解なので理由を知りたいんですが、なぜでしょうね。前例がない事をしたくなかったのか、元々出す気が無かったのか、知事を説得(恫喝)できる自信があったのか・・・
引用
種牛農家、東国原知事に殺処分受け入れ伝達
(2010年7月16日14時07分 読売新聞)
宮崎県高鍋町の種牛農家が口蹄疫(こうていえき)対策特別措置法に基づく殺処分を拒否している問題で、種牛農家の薦田(こもだ)長久さん(72)は16日午前、東国原英夫知事と面会し、殺処分を受け入れることを伝えた。
これを受けて県は17日に、薦田さんの種牛6頭を処分する。
面会後、記者会見した薦田さんは「県や農家のために使ってほしい牛を処分しないと県民のためにならないということに本当にショックを受けた。国の対応は不本意だが、牛を処分しないと国は移動制限区域を解除しないと言っており、県民に影響を与えてはならないと決断した」と沈痛な面持ちで話した。
県は種牛を処分後、早急に家畜の移動制限区域と非常事態宣言を解除する予定。
薦田さんは5月、ワクチン接種を拒否し、特例での助命を強く求め、県も助命する方針を決めた。しかし、山田農相は殺処分しない限り、制限区域の解除に応じない姿勢を示した。 東国原知事は15日、「制限区域や非常事態宣言の解除が重要」として、薦田さんに面会し、殺処分を受け入れるよう要請していた。
口蹄(こうてい)疫問題で殺処分受け入れ 東国原知事と種牛農家、山田農水相に激しく反発
口蹄(こうてい)疫問題をめぐり、種牛農家が殺処分を受け入れる苦渋の決断をしたが、山田農水相との溝は依然、埋まっていない。「直接会いたい」という山田農水相に、農家、そして東国原宮崎県知事が激しく反発している。16日午後2時ごろ、東国原宮崎県知事は「最悪ですね。この国にはがっかりしました。特に大臣にがっかりしました。『殺処分ありき』は論理矛盾してますよ」と話した。
国と県が激しく対立した民間の種牛の殺処分問題。
種牛の所有者・薦田長久さんは16日、説得で殺処分に応じる苦渋の判断をした。
16日午後0時ごろ、種牛 6頭の殺処分に応じた薦田さんは「わたしは(県民の)ためになることが、今度は逆に県民のためにならないことになるから、それはわたしも避けたい」と話した。16日午前11時半ごろ、山田農水相は「ぜひ薦田さんにお会いして、感謝を申し上げたいと思います」と話した。
16日からは、一部で移動制限が解除されるなど、口蹄疫騒動が少しずつ落ち着きを取り戻す中、宮崎の高校球児にはある異変が起きている。口蹄疫の拡大を防ぐため、甲子園の地区予選が異例の無観客試合で行われる。球場に入れるのは、事前に登録した選手の保護者など、一部のみとなっている。試合前、学校に集まり、徹底した消毒が行われた。
16日、日南振徳商業と日南農林高校の混成チームが初戦に臨んだ。
日南振徳商業の選手は「少しさみしいけど、やっぱり試合ができるということだけでも十分なので」と話した。選手たちも消毒液をかけられ、球場の中へ入った。
そして午前11 時、球場はほとんど空席で、わずか100人ほどの観客が見守る中、試合が始まった。延長15回、3時間半にも及んだ日南工業・振徳と日南振徳商・農林との試合は、結局3 - 3の引き分けに終わり、17日に再試合が行われることになった。日南振徳・農林高校の林 拓郎監督は「口蹄疫の問題も終わってないし、野球やらさせてもらってますので、そこの部分だけは絶対忘れないようにして頑張っていきたいなと思っています」と話した。
一方、午後0時半から会見に臨んだ薦田さんは、「会って直接感謝の気持ちを示したい」と話している山田農水相に対し、「わたしはもう会いたくないですよ」と話した。
そして東国原宮崎県知事も「どのツラを下げてこられるのかなと。どこまで『KY』なんだと思いますね」と述べた。これに対し、山田農水相は「薦田さんさんの立場からすれば、そんな気持ちだろうなと。いろんな方々に...今回犠牲になっていただきました。ありがたく思っています」などと述べた。
(07/16 19:29)
Posted at 2010/07/16 18:12:10 | |
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