2010年09月02日
刀始動不良対応其の拾弐 ~報告~
刀始動不良対応其の拾弐 ~報告~
さて、やっと復旧しましたコガタナの始動不良。
まあ、直ったと言っても、「4月台の掛かり具合に」なんですけどね。
コトの発端は、今年の5月。
冬場あんまり乗らずに居たカタナのエンジンを掛けようとしたトコロから始まりました。
と、言っても、まったく乗らなかったわけでもないんですけどね。
最低でも月1位は動かしてたかな?
その頃はいつも通りにエンジン掛かったんですよ。
セルを回してもなかなかエンジンに火が入らない(初爆がない)。
「キュルキュル」とセルモーターは回るんですが、混合気が爆発したような音がしない。
キャブに水でも溜まったかと、ドレンから排出してやって、再度試すとちゃんと掛かる。
「ああ、やっぱりこれか」と結論つけて、そのまま一回り。
で、出先で少し(5分位)停めるとまた再発・・・orz
仕方ないので、休み休みセルを回したり、チョークを引いたり戻したり。
色々やってると、バッテリーが弱くなり始めた頃にやっとエンジンが掛かるという状態。
こんな状態じゃツーリングどころか、普段使いにも支障をきたすので整備することにしました。
まずは、プラグの確認。
使っていた純正プラグは黒くくすぶってはいたものの、磨耗もそんなに無くまだ使えそう。
ソレもそのはず。
前回換えてから、数千キロしか走ってないですから。
山ばっかり走ってたし。
とりあえず、自室に眠ってた2極プラグに交換。(NGK CR9E⇒CR9EK)
ついでなので、プラグコードのリーク確認もやっておきます。
変えたプラグは端子が左右から出てるちょっと特殊な形のヤツ。
でも、熱価も変えてないので、問題なし。
続いて、エアクリーナーを外して、ボックス内からキャブクリーナーを噴霧します。
エンジン掛けながらやる作業ですが、吸気音・排気音が撒き散らしますので、近所迷惑。
必ず昼間にやらないとダメですね。
あわせて、エアクリーナーの交換。
前回はGSXR250用を使っていたのですが、こちらを新品純正に交換。
あからさまにフィルターの色が変わってましたが、寿命にはちょっと早いかな?
コガタナの持病というかなんというか。
この車体は「肺が弱い」のです。
エアクリが軽く汚れただけで、すーぐに不調になります。
最高速が伸びなかったり、始動性が悪化したり、燃費が落ちたり。
電装関係だった事も考えて、増設したETC配線の撤去と、
ヘッドライトのON/OFFスイッチを増設。
オマケで、「Wako's FUEL-ONE」をガソリンに少し混ぜてやります。
これは、気分的なものかな。
効果云々は余り期待せず。
ここまでやって試走してみるも、状況は変わりません。
エンジンが掛かってしまえば、後はレッドゾーン(15,500r.p.m/1min)まで回りますが、
一旦エンジンを停めてしばらく経つ(5分程度)と、また掛からなくなるという始末。
こんなんじゃ、ガソリンスタンドでの給油にも苦労します。
いつ、バッテリーが落ちるか、気が気じゃないですしね。
一応、ヘッドライトを消せるようにしたので、
多少バッテリーの電圧は稼げましたが、根本的な対策にはなっていません。
ネットで同様の症状について、記事が無いか探して見ました。
「掛からない」「掛かりが悪い」「コレが原因では?」といった記事は結構有るのですが、
「コレが原因!」と明確に書いてあるのは、見あたらず。
「バイク屋で色々やって直った」とか、「諦めた」とか。
ものによっては、直ったかどうだか分らないまま、別の記事にってのも。
要はなんの参考にも成らない情報ばかり。
それでも参考に成りそうな記事から、被疑箇所を上げてみると。
・キャブレター詰まり
・イグナイターのパンク
イグナイターの故障については、詳しく書かれた記事が無く、
また、単価も高いため(中古でも10,000円以上が相場)なかなか手が出ません。
キャブレターは、主に技術・環境的な問題で1人で分解出来ませんし・・・
「やはりショップに?」と悩んでおりましたら、いつもお世話に成ってる《良》さんから、
「ウチのガレージで一緒にキャブ分解そうか?」とご好意を頂き、お邪魔することに。
作業的には、キャブレターの分解清掃。
丸一日掛けて清掃し、キャブレターの同調まで取ってもらいました。
結局、ほとんど手が出せず、おおかたの作業をやって頂きました。
とても申し訳ない。
キャブの中は凄い有様で。
土塊のようなものと、錆らしきものが堆積し、ジェット類も半分くらい詰まりかけ。
見た瞬間、「良くコレで走ってたなぁ」と。
お陰で、エンジンフィーリングも良く、トルクも戻りとても楽しい車体になりました。
しかしながら、始動性自体に変化は無く・・・。
それからしばらく時間が取れず、ネットで情報収集するはしつつも対策は出来ず。
それでも、「イグニッションキーをONにして、1分程度放置すると、エンジンが掛かるようになる」という情報を見つけました。
やってみると、確かに掛かりやすくなってます。
バッテリーが弱る事も無く、一般的な中古車レベルといいますか。
この症状の原因は「キャブレターのOリングが劣化」らしい。
と、ネットではプロショップの店員さんが回答してるんですが、
どーも。キャブとイグニッションの関連性が分らないんですけどね。
キャブに電気が通るような場所は無いんだし。
追加情報探してみるも、なんの情報も見つかりません。
一抹の不安はありますが、「何年も換えていないし」と、キャブの内部パーツと一緒に取り寄せました。
とはいえ、自分では換えられません。
前回も結局は分解・組み立てのほとんどをやって貰ったんですから。
後はイグナイター。
イグニッションON。つまり、「通電状態で放置」という事は、キャブレターではなく、電装系。
キャブ云々という情報が跋扈していますが、実は違うのではないかと。
試しに中古でインパルス(GK79A)のイグナイターを仕入れてみました。
コネクターその他はいっしょなので、始動自体には問題ないはず。
他にも、「GSX400S」「Bandit」「ゼファー」なども同じらしい。
電装パーツは同じ会社が作っていますので、ある程度は共通仕様な様です。
が、こちらは残念な事に故障品で、セルすら回りませんでした。
ただのゴミに数千円・・・。
個人売買の怖いところですね・・・。
ここまで来て、ふと思いました。
製造中止からもう10年。インパルス(GK7CA)の用に再版される可能性も無い。
しかも、所有しているのは初期型(おそらく91年あたりの製造)。
ならば、多少高いパーツでも、買って見ても良いのではないか?と。
折り悪く、クルマの整備も重なっていたので、
なるべくお金は掛けたくなかったのですが、
いつまでも切り無く不調なままというのもよくないですしね。
(主に精神的な面で)
試しにパーツ見積りを出してみると、部品番号が変わっています。
何かしらの不具合があったのか、対策品になっている様子。
今回の件と関わりあるのかどうか確認の使用も無いですが、換えてみる事に。
イグナイターとレギュレータ。
ともに部品番号が変わっていた品を発注し、届いたのが4日後。
平日深夜にマグライト片手に交換作業をし、祈るようにセルを回します。
「キュキュキュポンキュキュキュ・・・」
いままで初爆すら無く、「ただセルが回ってただけ」だったエンジンが、
完全冷間時にもかかわらず、爆発してるのを確認。
そのままチョークを引いて、再度セルを回します。
「キュキュキュ・・ボン・・ボボボボボボボボボボボボッ」
無事始動!
翌日、通勤に使うために始動させましたが、イグニッションON直後にセルを回しても、
すぐに初爆がくるように成りました。
結局、根本原因は「イグナイター内部のコンデンサーがショート」みたいです。
イグニッションONで通電しても、ある程度電圧が上がるまでコイル側に電力供給出来なかったみたいで。
通電してすぐにセルを回した場合、セルモーターに電圧食われてしまうのでコンデンサーの電圧は上がらないと。
なんとも下らんオチですね。
今回の対応に掛かった費用は以下。
品番 品名 員数 小計
-----------------------------------------------------
1 32800-45D01 レクチフアイヤアツシ 1 \12,495
2 32900-45D01 イク"ナイタアツシ 1 \33,285
3 13509-17C00 Oリンク″ 4 \ 796
4 13374-46710 Oリンク″ 4 \ 712
5 13374-35C00 Oリンク″ 4 \ 712
6 13295-29900 Oリンク″ 4 \ 544
7 09492-30010 ジェットパイロット 4 \ 1,972
8 09494-00741 ジエツトニ-ト"ルO-7 4 \ 6,088
9 09491-22015 ジエツトメイン112.5 4 \ 1,384
10 09493-25003 ジエツトエア1.25 4 \ 2,856
11 13383-45D00 ニ-ト"ルジェット 4 \ 2,520
12 13258-44B00 ガスケツト,フロートチヤンバ 4 \ 1,636
13 13394-10010 クリップ,ニードル 4 \ 544
14 13382-42A00 リング 4 \ 460
15 13387-38210 リング,ジェットニードル 4 \ 796
16 13268-47070 スプリング 4 \ 672
17 13291-29900 ワッシャ 4 \ 420
18 13278-21E00 Oリング 4 \ 1,804
19 13278-47090 Oリング 4 \ 544
20 インパルスイグナイター 1 \ 6,000
-----------------------------------------------------
\76,240
そのほか未記載の雑費もありますが、結構な出費となりました。
これだけあれば、GSX250SSが1台、中古で買えます。
今回は、「イグナイターの故障による始動性の悪化」でしたが、
実は、「キャブレター内部にあるOリングの劣化による始動性悪化」も有ったりします。
こちらは、エンジンの掛かりが悪く(初爆は有っても、始動まで行かない)、
あんまりセルを回してると、そのままプラグがカブるというもの。
私のも、半分成りかけてます。
なので、他人がエンジン掛けると掛かんない場合があったりして。
今回購入したパーツのほとんどは、こちらの交換パーツです。
後日、交換するつもりで、用意してます。
この情報のお陰で、今回はだいぶ混乱させられました。
ネットの情報でも、キャブだ何だといった記事は山の様にありますが、
イグナイター周りはほとんど無く。
終いには、「イグニッションONでキャブにガソリンが供給される」なんて
ガセネタとしか思えないようなものまで。
GSX250SSのキャブには、電装配線は1本も来てません。
燃料供給も負圧式だから、通電しただけじゃ供給されないし。
やっぱり情報の正当性についての判断は自分でしないと駄目なようです。(笑)
今回も色々な方にお世話に成りました。
ありがとう御座いました。
特に、《良》さんには何か手土産持参でお礼しないとですね。
何にしましょう?酒?甘味?
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小刀始動不良対応 | 日記
Posted at
2010/09/02 11:59:10
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