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2007年12月24日

クリスマスの賑わいと2ドアクーペ =後編=

クリスマスの賑わいと2ドアクーペ =後編= 2007年。
日本の自動車市場に2台の2ドアモデルがデビューしました。
生み出したのはともに日産自動車、日本車史上最高のスーパースポーツ「GT-R」、そして伝統の名前を受け継ぐ「スカイライン・クーペ」です。

実は日本車においては2ドアクーペは"絶滅危惧種"になっていました。
そんな中で久しぶりに高性能&高級2ドアモデルが誕生したのですから、景気拡大傾向が続いていることのひとつの証になるのかもしれません。

しかし。

1989年を振り返ると、やはりこの年に「スカイラインGT-R」が誕生。16年ぶりのGT-R復活は大きな話題となりました。
更に一年後れて1990年には「ホンダNSX」も登場、諸費用込みで1000万円に届こうというプライスタグも注目されました。

このホンダNSX、登場直後から大人気で新車供給が追いつかず、中古車市場では新車価格以上のプレミア付きで販売されました。
先頃発売された「GT-R」でも起きた現象です。

よりラグジュアリー嗜好の車種としては「トヨタソアラ」が大人気。
初代で築き上げた先進的かつ他を圧倒する高級感が二代目にも受け継がれ、男女Sれぞれから高い支持を集めていました。

またライバルとしては少々販売面では苦戦していたものの、「日産レパード」も硬派なイメージで存在感を見せていました。

さらに1989年にマツダの販売チャンネル再編によってEUNOS(ユーノス)が誕生すると、翌1990年には世界初の3ローター・シーケンシャルターボエンジンを搭載した「ユーノスコスモ」が誕生。

このほかにも「ホンダレジェンドクーペ」や「スバルアルシオーネSVX」など、1989年~1992年当時は日本のメーカーから魅力的な高級グランツーリスモたる2ドアクーペが多数リリースされていたのです。


時計を現在に戻して2007年・冬。

日本メーカーからリリースされる2ドア高級クーペは先に紹介した「GT-R」と「スカイライン・クーペ」、あとは「レクサスSC」くらいのものです。

1989年頃と現在の日本における自動車市場にはちょっとした共通項があります。

新型「GT-R」の誕生。
そして1989年の「トヨタセルシオ」デビューは、2006年の「レクサスLS」誕生に通じる印象があり、いずれにしても高価格車の新型が次々に誕生しているということは共通項として挙げて良いでしょう。

しかし特に2ドアモデルはなんとも盛り上がりに欠ける感じがします。
GT-R」こそデビュー間もなくは一般の報道でも多く取り上げられましたが、この話題も車好きの面々は別にして、一般的にはそう長く続かないでしょう。

なんとなくですが、既に車そのものが"憧れ"や"話題"の対象では無くなってきているように思えます。
1989年頃は新車の話題が一般週刊誌などでも頻繁に取り上げられ、特に男性向けの情報誌では欠かせないものでした。
世俗的に"クルマ"は女性と遊ぶための重要なツールであり、「デートカー」などという単語すら存在していたほどです。

翻って2007年、今やクルマの話題は一部愛好家こそ大いに盛り上がりを見せるものの、一般的にはより冷静に語られるようになりました。
使い勝手や経済性に主眼が置かれ、必然的に2ドアモデルは話題の中心から外れていきます。

既に価値観は多様化しており、都市部を中心に遊びに行くにもクルマが必須とはならなくなってきました。もちろん公共交通機関の整備が進んでいない地域ではクルマが唯一無二の移動手段ですが、それとて移動手段としての価値が最大の注目を集め、広さや快適さなどを主眼に置いたクルマ選びが世代を問わず当たり前になっています。

もはや「2ドアモデルがデートカー」というのは古い価値観であり、カップル2人でミニバンに乗ってお出かけというのは何もおかしなことではありません。
むしろ多くの遊び道具を積めたり、乗り心地が良かったりと、メリットが数多いものです。


現代の2ドアクーペ、「GT-R」はやや特殊な存在ですから別にして、「スカイライン・クーペ」と「レクサスSC」に1989年頃のクーペのような魅力を感じられるでしょうか。

少なくとも私の場合、あの当時のような"憧れ"や"ときめき"を抱くまでは至りません。
何故でしょう?

私なりに考えての結論は「私が日本人だから」。

そう、「スカイライン・クーペ」も「レクサスSC」も、メーカー的には北米市場でのセールスを第一に考えて開発した車なのです。

対して1989年当時の2ドアモデル、「ホンダレジェンドクーペ」と「スバルアルシオーネSVX」は北米市場を強めに意識していましたが、「トヨタソアラ」や「日産レパード」、「ユーノスコスモ」は日本市場専用という位置づけで開発されたように思います(一部北米市場でも販売されましたが、開発時のコンセプトワークや想定主力ターゲットはあくまでも日本市場でしょう)。

これは2ドアモデルに限りませんが、最近の日本メーカーは生き残りをかけて海外市場進出での販売を強化しています。
その結果、世界市場という見地からの車造りが主流となり、日本独自の「5ナンバー枠」を外れたボディサイズや大きめの排気量を有するエンジンを搭載する車種が増えています。

善くも悪くも日本独特の車に対する価値観は重視されなくなり、北米という数を稼ぐことが出来る巨大市場を第一にしての開発が幅を利かせるようになりました。

その結果は色々な形になって現れていますが、特に新車市場の冷え込みや若者の車離れはそうした一端のように感じられます。

ライフスタイルがどんなに欧米的になったとしても、やはり温泉に入ると落ち着いたり、味噌汁と白いご飯が一番美味しく感じられることは、世代を問わずあると思います。

肥大化したサイズとエンジン、日本車としてメーカー名や車名を名乗っていたとしても、実際には北米市場をメインに考えて創られた車たち。
まるで和洋折衷の「ラージサイズのライスバーガー」みたいな感じですが、最終的に毎日食べる(乗る)のなら普通の白いご飯を欲するのが日本人であるように思えます。


さて、今回ご紹介した「トヨタソアラ」や「日産レパード」、「ユーノスコスモ」については、みんカラのフォトギャラリーでミニチュアカーコレクションをご紹介しています。

Miniaturecar Collection|トヨタソアラ2800GT-LIMITED(1982)
Miniaturecar Collection|日産レパードUltima(1986)
Miniaturecar Collection|ユーノスコスモTYPE-B 20B
ブログ一覧 | 自動車全般 | 日記
Posted at 2007/12/24 06:46:38

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この記事へのコメント

2007年12月26日 18:14
そろそろ車の買い替えを・・・と考えてるんですが、じゃぁ何を買うの?って所で行き詰まり。。。
(コンパクトな)スポーツ系でこれだっ!って魅力的な車が存在しません。(私的に)
ウワサのトヨタ・スバル共同開発FRも、どうせトヨタ基準で作りこまれ、なんだこりゃ?ってオチがつきそうですし(笑

知人が次々とロータス・エリーゼを購入しています。
国産車に比べれば手は掛かるけど、エリーゼ・・・魅力的です。
日本のコンパクトスポーツには、もう期待しないほうが良いのかな?(笑
コメントへの返答
2007年12月27日 6:04
スポーツモデルは、まだ当面は厳しい時代が続くことになるでしょうね。

ロータスは好調なセールスを記録しているようですが、今の日本メーカーではこうした車を創るのは難しいでしょう。

特にコンパクトスポーツは商売としては決して良いマーケットにならないですし、安全性対応などで過去に人気を博したような軽量なモデルをリリースすることは難しくなっていますし・・・。

もっとも、コペンのように日本独自の"軽規格"については、ビートやカプチーノ、AZ-1など華やかだった時代のように盛り上がることを期待しています。
日本メーカーは、法的な縛りがきついほど、ユニークな車を生み出してくれそうなので・・・。
だた、軽自動車に対する様々な優遇を考えると、スポーツ系車種にも恩恵を与えるのはどうかと思いますが。
2007年12月27日 14:29
今日は、御邪魔致します。

>肥大化したサイズとエンジン、日本車としてメーカー名や車名を名乗っていたと>しても、実際には北米市場をメインに考えて創られた車たち。
>まるで和洋折衷の「ラージサイズのライスバーガー」みたいな感じですが、最終>的に毎日食べる(乗る)のなら普通の白いご飯を欲するのが日本人であるように思>えます。

仰せの通りです。同感です。
世界市場での生き残りをかけて、対米・対欧を中心にして対日仕様が手薄に成ってしまったのでしょう。
企業理論から言えば仕方が無いでしょうが、我々日本国内ユーザーに取っては詰まらないラインナップとそれに伴うレースしか残らなくなってしまったと言うところですか?
全てバブル崩壊から起こった空白の10年の後遺症でしょうか。
国内景気が形式上では無く本質から向上してこなければ、楽しい国産車も出てこないでしょう。

外車では面白い車も出てきていますね。
先の話題にありましたエリース等もそうですね。
仰せの様に国内メーカーにそれを求めるのは酷かと思いますが。

私は5ナンバー企画の国産車が厳しいならば、責めて軽企画の面白い車に期待しています。仰せの様にコペンなどですね。
軽は燃費/環境保全等の総合性能から考えても日本が世界に誇れる素晴らしい企画でしょう。
事実、軽企画のレース/K4GPは私的には日本で一番盛り上がっているレースと思っています。
車が楽しければレースも楽しくなるのでしょう。
60年代の路上のスターは「外車のスポーツカー」でしたが、21世紀の路上のスターは「ハイブリッドカー」や「高燃費/国産リッターカー」でなく「軽のスポーツカー」になる予感が有ります。


コメントへの返答
2007年12月27日 19:51
仰る通り、自由主義経済下における企業論理が現在の状況の根幹にあるかと思います。

もっとも二昔前までとは自動車に求められるものも大きく変わりましたね。
特別な存在である高額なスーパースポーツは別にして、一般的にはパワーより燃費、虚飾とよりも実用性や環境性能が重視されるようになりました。
これはこれで、とても健全で良いことであろうと思います。

私個人としてはスポーツカーについては高額で構わないと思います。これからの時代、趣味・道楽としてクルマを所有し走らせるためには、一定の負担もしなければならないと考えているからです。

もちろんクルマには実用的な道具という面の一方に、走らせること自体の楽しさやスポーツ的な部分も存在しています。
多少高価でも、こうしたクルマに登場して欲しいですよね。

また経済的に豊かな人も現れているのに、国産の高級クーペがないのは寂しい限りです。
お財布にも精神的も余裕がなければ、高価で大きい割りに実用性が無いクーペを所有することはできません。

今は「失われた十年」を過ぎて経済的な体力を回復しつつある人も多いというのに、雰囲気や優雅さにお金を賭ける人はいなくなってしまったのでしょうか。
それとも、そうしたテリトリーは欧州勢に完全にお任せになってしまったのでしょうか?

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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