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2011年09月16日 イイね!

闇夜を駆ける「黒豹」

闇夜を駆ける「黒豹」8月にリリースされたRAI'Sの新作、もう一台は和歌山県警察の交通部交通指導課・暴走族対策室に配備されている、180系トヨタ・クラウンの交通取締用覆面パトロールカーです。
今や全国の高速道路交通警察隊や交通機動隊で主力となっている、通称“ゼロ・クラウン”こと180系の覆面パトロールカー。大量の国費導入車、そして一部の県費導入車が混在していますが、今回モデル化されたのはそんな多くのゼロ・クラウンの中では特徴的な一台であり、かつメディア露出が最も多い車両ではないかと思われるものです。

平成も20年を過ぎていますが、いまだに時代錯誤としか言えない“暴走族”という困った輩が存在しています。主に二輪車で爆音をまき散らしたり、交通法規を無視して街中を走り回るなど、平穏な市民生活や秩序ある安全な交通社会を阻害する要因として社会問題にもなっています。
暴走族の摘発については、主な活動時間帯が夜間から深夜になるという特徴があります。その昔は現行犯での摘発が基本だったがゆえに夜間にパトカーや白バイが壮絶な追跡劇を展開したり、行く手をネットや警察車両で封じて一斉検挙するなどの対応をしていました。しかしこうした手法は、無関係な一般車両を巻き込んだ事故が発生する危険性があったり、被疑者自身が事故を起こした場合にマスコミがこぞって「行き過ぎた追跡が原因ではないか」と糾弾するなどしたことから、取り締まりは変化を見せてきました。

昨今は現行犯での無理な摘発を行わず、写真やビデオ、ペイント弾などを活用して暴走行為の証拠を集め、これを解析して被疑者を特定して後日逮捕に結びつけるというかたちが主流になってきました。しかしこうなると暴走する側は個人を特定されないようにして検挙を免れようとしますし、なにしろ延々と暴走行為そのものは続いてしまうわけですから一般市民からの苦情も警察には多く集まることになってしまいます。

そこで和歌山県警察が2002(平成14)年に発足させたのが、俗に「黒豹隊」と呼ばれる覆面二輪車を核とした暴走族摘発部隊です。
その昔は夜間でも白バイを活用した暴走行為の摘発は行われていました。例えば1980年代の後半には東京の首都高速で“ルーレット族”を摘発するために、定置式のスピード測定器を用いて違反車両を白バイで追跡するという事例もありました。しかし夜間のこうした追跡は危険も伴うものであり、一時はほぼ完全に白バイの夜間活動は行われなくなっていました。
しかし、やはり暴走の核となる二輪車の摘発には、警察側も機動性に優れる白バイを使うのが効果的。そこで夜間の活動で目立ちにくい黒色の塗色とした二輪車を用意し、これに採証装置などを備えた暴走族摘発専用車両を生み出したのです。
その二輪車が“黒豹”と呼ばれるもの。ちなみに、より小型の250cc車両は銀色の塗色であることから“銀虎”と呼ばれており、こちらは更に小回りの利く機動性を武器に摘発活動に従事しています。
黒豹は3台が1組となって主に活動しており、これを束ねる指揮官が今回ミニチュア化された覆面車両に乗務して先行します。そして暴走行為を現認すると、無線や車両後部に備わっている青色のLED灯を用いて黒豹に出動を指示。即座に黒豹は対象の追跡に入り、暴走族をその場で確保してしまうわけです。

黒豹の活動はメディアでも頻繁に採り上げられていますが、確実に成果を見せています。黒豹の発足前年には僅かに14件だった暴走行為の摘発件数も、初年度には141件、翌年には171件となりました。逆に暴走行為に関する110番通報は発足前年に約1,400件でピークに達していたものが、現在ではおよそ4分の1にまで減少しているそうです。
こうした成果は他の警察本部からも注目を集めることとなり、現在ではいくつかの本部が黒豹と同様の暴走族摘発用覆面二輪車を導入しています。掲載した写真は警視庁の第9方面交通機動隊に配備されている車両。そもそも覆面二輪車といっても赤色警光灯などは剥き出しなのですが、一般的に「警察のバイク=白バイ=白色」というイメージが強いためなのか、黒色の車両は街中でもそんなに目立っている印象はありませんでした。

さて、最後に警察庁の交通指導課が今年になってから発表した、2010(平成22)年の暴走族関連統計についてご紹介しておきましょう。
暴走族のグループ数は2006(平成18)年と2010(平成22)年を比べると、847から507へと減少しています。構成員の数も13,677人から9,064人に減少していますが、気になるのは少年の比率が47.7%から54.4%に増加している点。集団での暴走行為の回数は4,730件から3,566件へと減少を見せているものの、3年ほど数字では横ばいの状態が続いています。
覆面二輪車部隊や、採証用の対策専用車両も配備が進んでいますので、さらなる厳正な取り締まりと摘発の強化を望みたいところです。

MiniCar|RAI'S トヨタクラウン 和歌山県警察交通部交通指導課暴走族対策室指揮車両
MiniCar|RAI'S 日産エルグランド(E51) 神奈川県警察暴走族対策室車両
MiniCar|RAI'S スバル レガシィ 2006 警視庁交通部交通機動隊車両
Posted at 2011/09/23 18:32:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニチュアカー | 日記

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