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2019年02月03日

新型スープラの情報をネットで見た感想と妄想

業界の実情も経済も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。
おっさん世代にとって大注目の新型スープラの詳細が発表となったので感想。

旧型は、いわゆる70、80とも直線番長的なイメージのヘビースポーツで最大の魅力はやはりその迫力ある外見だった。70は「いかにも」なワイドアンドローの直線的なデザインで、ちょっとわざとらしいとすら思っていたが実物はそれなりに存在感があったし、80は一転曲線的なデザインで驚かされたが、国内レースのイメージ効果もありスポーツモデルとしての進化を感じさせた。FFライトウェイトや4WDターボが更に進化する中FRというのは一つの特徴でもあり、NAの「SZ-R」などは希少性もあってクルマ好きにもカッコいいと思われていた。ただ走りのモデルとしては、有名なマンガに登場することもなく同じFRでもRX-7やシルビア、スカイラインほど多くの「支持者」を集めることはできなかった。そのせいかあっさり廃版となり、80年代と90年代、つまり完全に現おっさん世代限定モデルとなってしまったのである。

新型はBMWとの共同開発だそうで、パッと見オシャレな感じで最初はやはりZ4(というかそういうイメージ)にしか見えなかった(「オシャレ」と言ったのは、単純にカッコいいと思ったワケではないということでもある)。
が、フロントはかつての面影は全くないもののワイド感のあるデザインではあり、リアはよくよく見ると80の面影もあり、タイヤサイズなどのスペック、大排気量ターボというエンジン、80とほぼ同じグレード名と、旧型を意識させる部分が明らかになるにつれだんだんスープラに見えてくる(ような気がする)から不思議である。この辺りはどこからどう見てもかつてのイメージとは全く違うクルマになったシビックタイプRとは対照的だ。
兄弟車となるBMWとは最終的な方向性は違うクルマとなったそうで、勝手な想像だがZ4はもう少し軽やかなオープンスポーツをイメージするのに対し、スープラはかつての重量級なイメージに近づけたということになるのかも知れない。
内装に関してはBMWとは若干差別化しているようで、シンプルかつエレガント、かつ日本車的(?)でおっさん的にはなかなかいいと思う。
ただオープンカーベースのクーペに特徴的なシルエットで、かつてのスープラのイメージからすると全体のバランスがイマイチに見えるのはちょっと残念ではある。

が、おっさん世代にとって今回の最大のポイントは、なぜBMWとの「共同開発」で、なぜ今「スープラ」なのかということであり、クルマそのものはもはやどうでもいいのである。

そもそも共同開発とは一体どういうことなのだろうか。
一口に共同開発と言ってもその個別の内容についてホントのところなど判るハズもない。が、少なくともトヨタとBMW双方にとって利益があるということだけは間違いない。
こういう場合ありがちなハナシとしては「お互い得意な分野、技術を融合する」「相手の組織の優れた部分を吸収する」ということになりそうだが、よほど発展途上の分野でもない限り、完全な競合他社との共同開発などまずあり得ない。まして今回は極々オーソドックスな高級スポーツカーである。仮に技術的な理由がメインだとすれば、当然BMWのエンジンや走行性能がトヨタより優れている部分ということになるだろうが、BMWにとってこのクルマのためにトヨタのどのような技術が必要だったのかということになる。
当然、世の中そんな美談で動くはずもなく、本当に重要な技術を競合他社に与えるハズがない。ということはやはりその理由は経済的メリットにあるということは明らかである。つまり、トヨタがBMWにスポーツカーの開発を外注した、ということ以外に考えられないだろう。つまり、スポーツカーを売りたい、だけど作りたくはない(もしくは作れない)、だから外注する、ということなのである。
外注と言ってもイメージ戦略の意味合いが強いスポーツカーをOEMで販売することはさすがに過去にも例がなく、現時点ではまだ誰も受け入れられないだろう。ということは「共同開発」の意味は「少なくともOEMではない」ということ「だけ」だと言っても過言ではないかもしれない。
とは言え世界的業界再編の流れもあり、「技術提携」「資本提携」「アライアンス」など全く別のメーカー同士がグループとなる場合も多くなったため、基本的なコンポーネンツを共用することも珍しくなくなった今では、それほど特別なことでもないのかもしれない。ただ少なくとも共同開発という言葉からおっさんが勝手に想像していたような、BMWから吸収したスポーツカーのノウハウを今後の「トヨタ製」スポーツカーの開発に活かす、などということでは全くなさそうだ。にも関わらず「トヨタファンは待っていたハズだ」などとまるでトヨタが社運をかけて開発でもしたかのような社長のコメントや宣伝文句を見ると、どこか虚しい気がするのは私だけだろうか(実際「トヨタファン」は喜んでいるのかもしれないが)。同じくトヨタのスポーツカー「86」もスバルとの共同開発で、最近の情報では次期型はなさそうな感じであることを考えると、トヨタがスポーツカーを語れるハズもないのだが、そんなことはトヨタにとってもトヨタユーザーにとっても全くどうでもいいことではある。既存の商品で、残り僅かな時間で、いかに効率よくビジネスができるかが最大の目的であることは言うまでもなく、そう考えるとさすがはトヨタという気はする。
クルマ好きからすれば、じゃあわざわざBMWではなくトヨタからそのクルマを買う必要があるのかと言うことになるのだが、一定数の人々には「トヨタスープラだから」ということに正に意味があるのだろうし、逆にクルマとして見ればBMW製なのだからそれはむしろ本物のスポーツカーなのであり、BMWの車種が一つ増えたと考えれば充分魅力的な選択肢でもあるだろう。そう考えればこの「共同開発」は、メーカーとメーカーだけでなくユーザーにとっても充分メリットがあると言ってもいいのかもしれない。

ではなぜ今「スープラ」なのだろうか。

BMWとの共同開発ということは、おそらくかつての和製スポーツカー「スープラ」として開発されたワケでは全く無いだろう。言うまでもなく国内ではスポーツカーは売れないので、当然メーカーも作る必要性が薄れ、実際ほとんど消滅した。
そもそもスポーツカーは自動車メーカーの技術力をアピールするためのイメージリーダー、旗艦モデルとしての意味合いが強いハズであり、元々数が売れるものではなく存在することに意味があるということだったハズだが、それすら作るのをやめたということは既にその意味合いが消滅したということになるだろう。百年に一度の変革期と言われる中、このことは正にメーカーとしての今後のクルマづくりに対する考え方がハッキリ顕れていると言える。前述のとおり「86」も次はまずないだろう。つまり国内市場には、スープラどころかスポーツカーの存在意義はないのである。
じゃあ何のためのスープラなのかと言えば、理由は当然グローバル市場にあるということになる。
グローバル市場ではSUVと並んでハイパースポーツが正に全盛期である。将来的にスポーツカーは必要ないと判断したとは言え、未だ市場としては充分な力があるのだ。スープラはそこまでハイパーなモデルではないとは言え、世界のトヨタにスポーツカーがないというのはイメージ戦略としてさすがに考えられないだろう。となればたとえそれがBMW製の新しいスポーツカーであっても、とにかくそれが「トヨタの」スポーツカーであるというイメージ作りが必要なのだ。そのためにできることといえば、「共同開発」を謳うことと、名前を付けることぐらいのものである。過去のトヨタ車でこのクルマのイメージに近いものとなれば、スープラしかない、ということだろう。
もう一つ、今回スープラはどうやら「GR」ブランドメインで展開(推し?)ということのようだが、これも大きなポイントかもしれない。GRはトヨタのスポーツブランドとして最近新たに作られたものであり、おっさん的には新ブランドとする意味があまりピンと来ていなかったのだが、あくまでグローバル戦略なのである。よくよく考えれば当たり前なのだが、今回ようやくその意味が理解できた気がする。

というわけで、国内市場はあくまで「おまけ」であり、前述のとおり食いつくのは完全におっさん世代のみである。が、価格については当然プレミアム帯であり多くのおっさんたちからすれば反感すら覚えるというのが正直な感想だ(情けないハナシだが事実である)。とは言えおっさんたちの大半は、仮に250万円でもスープラは買わない(買えない)のだ。だからこそ、これくらいの価格でなければディーラーにとっても実際ユーザーとなる人々にとっても存在価値がないのだろう。だからこそのBMW製ということでもある。結局はシビックタイプR同様、かつてのスープラとしてみるユーザーはほとんどいないだろう。

旧型の時代は、団塊ジュニアが数的ボリュームゾーンとしてスープラなどの「日本のスポーツカー」(あえてこの表現をしている)を支えていた。独身男子であれば中古ならフツーに、新車でもなんとか買える価格だった。決してステータスや収入を誇示するためのものではなく、自己表現として「日本のスポーツカー」(あえてこの表現をしている)を選ぶことができる時代だったのである。それはまさに「カッコいい」とは何かという、音楽にも似た自己表現でもあり、言い換えれば「実現できる夢」でもあったのである。
たしかに今思えば、とてもスポーツカーとは呼べるものではなかったということは理解している。が、一つ前の世代が憧れた何百万、何千万(当時)もする海外製のスポーツカーではなく、実際に手に入れて走り倒すことができるそのようなクルマたちにこそ、本当に夢を持っていたというのは決して負け惜しみではない、というかむしろ自慢できることかもしれない。今思えばそんな時代こそフツーではない、特別な時代だったのだろう。そんな時代はもう二度と来るハズもなく、単なるおっさんの郷愁なのは判っている。その時代と比べられてしまう今の開発者たちは、もしかしたらあまり楽しくないのかも知れないとすら思わないでもない(たぶんそんなことはないだろうが)。
そう考えるとその時代のスポーツカーは、若者、独身者の特権だったのである。当然ファミリーには向いているとは言えないし、現実として家族の許可が下りないということは抗えない事実なのだ。翻って現在はというと若者の人口、経済力が明らかに低下したのだから、スポーツカーが消えるのは経済の論理からすれば当然であり、メーカーのせいではない。

個人的には、だからこそ「スポーツミニバン」がもっとあれば良かったのにと思うのだが、おそらく重さ、大きさ、タイヤ等技術的物理的に難しかったのだろう。最近になってようやく各社走りがウリのモデルを(別ブランドの「コンプリートカー」としてだが)出し始めたものの、時代的にも価格的にも少し手遅れだったような気がする。結果として見た目だけの「ヤンキーミニバン」が一時代を築くこととなったのである(まあそれはそれで商売上はむしろ成立しているのだろうが、そう考えるとここでもやはり、さすがはトヨタ、である)。

結局、スポーツカーだけでなく軽自動車やSUVなどクルマ全体を通して世の中を見てみると、格差社会が日本に完全に定着したといって間違いないようだ。
とはいえこれが元々の人間社会の姿なのだろう。
「一億総中流」と呼ばれた時代が正に泡沫の夢だったのである。
日本はこれから60年代の社会に逆戻りするのであり、今のうちにその頃の文化と生き方を学んでおいたほうがいいかもしれない。
そのときクルマは、庶民の夢に戻ることができるとすれば、それも幸せなのかもしれない。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2019/02/03 22:40:01

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