ここのところ、ドライバー間での些細なトラブルから、大きな事件に発展したり、窃盗や悪質ないたずらなど、クルマに関する物騒なニュースを耳にすることが多くなりました。
当たり前ですが、出来ることならどれも遭遇したくはないので、(出来る範囲で)対策を取ろうと思います。
後編はセキュリティ対策です。
近年、自動車盗難件数において一部の車種は増加傾向にあるそうです。
【盗難率の高い車種トップ3】
1.プリウス(3年連続トップ)
2.ハイエース
3.ランクル
(自動車盗難事故実態調査結果2016より)
また、最近では第二世代GTR(BNR32)以降の国産スポーツカーの盗難が急増しているようです。海外での需要が高く、この世代のクルマはイモビライザー非搭載のものが多いため、モノの数分で持っていかれ、1週間後には海外ということもザラだそうです。
【盗難率の高い国産スポーツカー】
・スカイラインGTR
・RX-7
・NSX
・ランサーエボリューション
・インプレッサなど
主にハイパワースポーツといったクルマがターゲットの様ですが、年代的にヤな感じです。他人事ではありません。
車上荒らし(狙い)も同様に注意が必要です。
【車上荒らしのターゲット】
・カーナビ(ダントツに多い)
・ホイール
・各チューンパーツ
・ハイブリッド車のバッテリー
・その他
いずれにせよ窃盗目的の輩から見れば、路上に数万~数百万の「お宝」が転がっていることに違いはありません。ロードレイジの件も含め、何かと物騒な時代なので、やはり何らかの対策は必要だと思います。
さて、対策の前にひとつお話しを。
(お急ぎの方は点線内を読み飛ばしてください)
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私は過去に1度だけ車上荒らしの被害にあったことがあります。
私が大学2年の時に親父がソアラ(Z20)を新車で購入しました。
この時の私はまだNAは所有しておらず、移動は専らバイク TZR250(2XT)でした。
本当に美しいクルマです。 画像はカタログより
(余談ですが)ソアラは当時、究極の
※デートカーと呼ばれた車です。
※【若い方のための補足説明】
80~90年代、「デート=ドライブ」とも言えた時代、AB/BA1プレリュードを皮切りに、S13シルビア、BMW3シリーズなど、乗っているだけでモテた(笑)というクルマを指します。(その意味ではNAも立派なデートカーですよん)
バブル全盛の頃は
「は?私をデートに誘っておいてこの(ダサい)クルマ??・・帰るっ!!」
ってなことが(マジで)横行していた時代でした。
しかし、このソアラはそんなこととは無縁です。
ナンパをすれば連戦連勝の通称「女〇大生ホイホイ」とも呼ばれ、このジャンルの
頂点に君臨する帝王といっても過言ではありませんでした。
【補足のさらに補足】
これらはあくまで(強力な)付加価値=壱アイテムのお話です。
これさえあれば、すべてが上手くいくことを保証してくれるわけではありません。対女性においては、各方面で相応の努力を要しますのであしからず。
「明日の初デートでは是が非でも〝帝王″を使いたい‼」
そう思うのはオトコなら当然です。
デート前日、親父に借りる交渉をしましたが、予定があるとのことであっさりのダメ出し。
30分の押し問答が続きましたが、最終的に交渉は決裂。
私の人生を大きく左右するコトの重要度合いから、今回ばかりは断じて引くわけにはいきません。
(若気の至りも相まって)
早朝にかっぱらう
という強硬手段に出ました。
その甲斐もあってか、デートは7割方(この上なく)ウマく行っていました。
しかし、終盤に悲劇が襲います。
19:00頃、港の見える丘公園周辺(横浜)に路上駐車し、公園を15分ほど散歩してクルマに戻ると、助手席側のガラスが無残に割られていました。
画像はイメージです。
車上荒らしです。
彼女が助手席にハンドバックを置いていったのが狙われたようです。私が(相当浮かれていたのでしょうが)気付くべきでした。
すぐさま警察を呼びましたが、(この付近一帯で頻繁に起こっている事件なので)警察関係者が10人越えの現場検証で物々しかったです。犯行の手口は写真赤丸にバールの先端を入れ、テコの力でヒビを入れる。そうすると殆ど音を出さずに割ることが出来るそうです。盗られたのは彼女の財布の現金5,000円のみ。クレジットカードなどはすべて無事だったのが幸いでした。
その後、最寄の警察署に同行を求められ、犯人の指紋識別のため、私も彼女も(まるで犯罪者のように)両手10本の指紋を各々取られました。こんな初デートって・・・。
おまけに聴取が終わった頃は雨まで降ってくる始末。警察官のご厚意でゴミ袋(黒)をいただき、割られた窓ガラスの位置にガムテープで貼り付け、(助手席はガラスが飛散しているため)彼女を後部座席に乗せて、ディナーもないまま、家まで送り届けました。それも約束の門限30分遅れで・・・。
さて、大きな問題が残っています。
クルマを黙って拝借した上にこの有様。
親父にどのように伝えたらいいか(この世の終わりのような顔をして)30分ほどファミレスの駐車場で考えましたが、全くいい案が浮かびません。
どうにもならないまま帰宅し、仕方なく玄関のドアを開けました。
私 「あ・・お、お話が・・・」
親父
「ぶつけたのか。」
うっ、鋭い。
私 「というか・・・まずは見ていただきたいのですが・・」
恐る恐るクルマのもとへ案内しました。
親父
「・・・・」
(無残な愛車の姿を見て)私がくどくど説明をしなくても状況が飲み込めたようで
親父
「やられちまったものは仕方がない。明日、修理してこい」
意外なことに、それ以上何かを言われることはありませんでした・・・。
イニシャルDの名シーン
この時の親父は文太さんバリに恰好よかったのを覚えています。
この数年後に親父は新ソアラ(Z30)に乗り換えます。
翌日、修理に出しての見積もりが
約7万円!
ハイソ(ハイソサエティ=上流階級)なクーペのサイドガラスって大きくて高いのです (T_T)
数日後、彼女と会いました。
「私のせいで本当にごめんなさい。クルマの修理費って高いんでしょう?」
「全~然。それよりイヤな思いさせてゴメンね。」
・・・カッコつけるのは大変です。
その後、日当7,000円のバイトを10日間やりました。
高い授業料になってしまいましたが、いい勉強をさせてもらいました。
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その数年後にNAと出会うわけですが、下記は26年間セキュリティ面においてずっと守ってきたことです。(NAはソフトトップなので、通常のクルマより気を使っています)
①短時間の駐車でも必ず施錠をする。
②貴重品は目に見える形では絶対に置かない。(やむを得ない場合はトランクへ)
③ETC(登場以降)カードは必ず抜く。
④基本、路上駐車はしない。
⑤駐車場は場所を選ぶ。
a.オープン状態なら常に視界に入る場所に停める。
(グローブボックス・センターコンソールは施錠)
b.出来るだけ明るい、人目に付きやすい所に停める。
(たとえ目的地から数百メートル離れてもそれを優先する)
c.田舎の観光地で「車上荒らし多発」などの看板があった場合、状況によっては観光自体を辞める。
d.初心者・紅葉マークやボロボロのクルマ(クルマに気を使わない人)の横には停めない。
どれもごく基本的なことです。
最近においては
⑥セキュリティランプ(ダミー)を使用する。
⑦ドラレコを前後につける。
⑧セキュリティーのステッカーを各面に貼る。
⑨ボンネットカバーを付ける(含いたずら防止)
そして、さらに今回は簡易セキュリティーを導入することにしました。
選んだのはコチラです。
★ユピテルカーセキュリティ Aguilas VE-S26R 11,800円
2010年(古)発売のサンバイザーに取り付けるタイプです。
待機中はLEDで相手を威嚇し、車に振動などの異常があった場合、大音量でサイレンが鳴り、リモコンに通知が来るというものです。
現在、Aguilasシリーズでの最新機種は2機種ありますが、
①VE-S500R→OBDⅡ専用なので除外
②VE-S37RS→ダッシュボードに取付けるタイプが好みではない。
以上の理由からあえてこちらを選びました。
取付は簡単。
本体は専用クリップでサンバイザーに挟み、電源はピラー内を通して、(私の場合)後部座席のシガーソケットに接続するだけです。
キーホルダーとしてはかなりかさばりますが、やむを得ません。
車に異常があれば赤丸のリモコンに通知(衝撃弱・強・ドア空き)がきます。
通信距離の目安はファミレスの敷地内であれば問題なく受信可。大型ホームセンターでは受信不可のエリアありといったところです。
使用状況の詳細は
コチラをご覧ください
ここで一つ気を付けなければいけないことがあります。
通知が来たので、クルマに急いで駆け付けたらまだ犯人がいて
〝いきなりバールで殴られる″
これはカンベンです。これでは殴られるために呼び出されたことになってしまいます。
相手は複数犯かもしれず、(日本刀でも持っていれば別ですが)通常の人が向うにはリスクが高すぎます。
虎穴のトラに素手では勝てません。クルマから離れた場所で一旦状況確認するなど慎重な対応が求められると思います。
セキュリティ関連まとめ画像
①VE-S26R本体
②ダミーランプ+ステッカー
③ドラレコ前(モバイルバッテリーで簡易駐車監視可能)
④ドラレコ後(モバイルバッテリーで簡易駐車監視可能)+ステッカー
⑤助手席ステッカー
【総評】
①を取り付けたことで、(ちょっといいお守りを持ったような)安心感が生まれました。
今、こうしてまとめ画像をみると何というか・・・〝電装ヲタク″のクルマですね。
これがいい意味で活かされるといいのですが。
セキュリティに関して
「やられる時はやられるのだから、何をやっても一緒だよ!」
よく耳にする〝ゼロかイチ″の考え方があります。
仮に窃盗や車上荒らしををする輩のレベル(熟練や本気度合い)が10段階あるとします。
LV8以上(プロ中のプロ)に本気で狙われたら、どんな高度なセキュリティ対策をしても完全には防げないでしょう。最新のハイテクを投入したとしても結局はイタチごっこで、その構図は未来永劫変わらないと思います。その意味では「何をやっても一緒」と言えるかもしれません。しかし、それ以下のレベルならどうでしょうか・・?
今回のテーマは「出来る範囲での対策」で、自分ではLV5くらいまでの対策だと思っていますが、LV6~4くらいの輩ならば多少は躊躇するかもしれません。その後、輩がその対策をものともせずあえて向かってくるのか、それとも諦めて他を当たるのかはわかりません。しかし、ここでいう「躊躇」の意味は大きく、輩のレベルが下がっていけば行く程、被害に会う可能性はより遠ざかっていくのではないかと。
NAは幌です。刃物でなくてもちょっと鋭利なモノがあればすぐに切り裂くことが出来ます。LV1~3の「ちょっといたずらしてやろう」ぐらいのつまらない輩の出来心のために、(修理費は軽く10万越え)何よりこちらの被る精神的ダメージははかり知れません。
簡易なアイテムで、(アウトレイジのドラレコ同様)「このクルマはちょっとやめておこうかな?」と少しでも輩に思わせるきっかけになれば、それだけで充分に意味があると現時点では捉えています。
しかし、これらいずれのアイテムも、あくまでプラスアルファの話であり、何より自分がこれまでに守ってきた基本的な事項が先にありきで、セキュリティ上で最も重要なことだと強く認識しています。
以上、これは数ある対策のうちの一部に過ぎませんが、引き続き盗難や車上荒らしなどのトラブルに遭うことないよう、気を付けて行きたいものです。
ロードレイジ(煽り運転)&セキュリティ対策 後編 終