ここ最近は採寸、点検、修理で入庫していて、車に乗れていません。入庫先はいつもお世話になっている小山スピードさんです。
採寸とは、小山スピードオリジナルダンパーを作るということで、バーキン7とS3のダンパー長を測り、共用できるかを確認する為の採寸です。採寸してみると、バーキン7とS3のダンパー長は同じようで、同じものが使えるようです。
ちなみに、制作中のオリジナルダンパーの大まかな内容は、「○○調整式ダンパー○○タンク仕様」、「減衰力は○○と○○が調整可能」、「使用するスプリングは汎用○○スプリング」で値段は20万円台前半とのことです。内容はほぼこれで決定のようですが、完全に決定ではないので、バレバレでも一部伏せての記載にしました。この内容のダンパーが収まるスペースがフロントにあるのかと思いましたが、ダンパーを制作する会社の社長がバーキン7とS3の現車確認をしたので、ダンパー作製に進んだそうです。
制作するダンパーのコンセプトは、どこでも踏めて、サーキットも走れる足です。凹凸のある一般道でもしっかりとトラクションがかかり、サーキットで速く走れるダンパーを目指して作成中です。
うーむ、セブン用でこんなダンパー見たことも、聞いたこともないです。是非ほしいです。現在使用している鈴商製AVOダンパーは車高が低くて、フロントのダンパーストロークが足りない気がしていましたので、ちょうどいいタイミングでした。
内容は修理に移って、こいつは伸びていたリアのハブボルトです。先日、リアホイールを交換した時に、ハブボルトが伸びていたのに気が付かず、ホイールナットを締めこんでしまったので、ホイールナットがボルトにかじってしまいました。かじった状態でホイールナットを外したら、ハブボルトのねじ山がとんでしまう状態だったので、ナットを締めこんでホイールをつけて、後日ハブボルト交換となりました。
この外したハブボルト、新品のハブボルトと比べると、根元のねじ山が伸びて、ねじピッチが変わっていました。今時伸びるなんて、どんな材質でできているんだこのハブボルト・・・。なお、新しいハブボルトは、協永産業のトヨタ用10mロング競技用ハブボルトです。材質はクロモリ鋼なので、よっぽどオーバートルクをかけなければ伸びないはずです。
何故か、ハブボルトが伸びていたのは右リアだけでした。原因がはっきりと分からないだけに気味が悪いので、左リアも国産ハブボルトに交換してもらいました。これで安心してリアホイールの着脱ができます。
走行中に外れたことのある純正ボンネットロックも交換してもらいました。安心品質の国産部品です。私は仕事でちょくちょく扱う、タキゲンの製品になります。材質はステンレスで、ロック構造とアジャスト機構が備わっています。さらに、南京錠をつけて、完全にロックすることができます。純正ロックと比べると少し大きくなりますが、開閉してみると手応えが全然違います。これは安心感のある手応えです。
問題が多々あったのはフロント足回りです。少し乗って気が付いたのは、右フロントからゴトゴトと音が出ていること、ブレーキングしながらステア操作をすると、ガタッとガタツキがでる時があったことが気になっていました。
フロントの音に関しては、前オーナーからブレーキキャリパー内でブレーキパッドが固定されていないので、パッドが動いてコトコトと音がでていると説明を受けましたが、よくよく聞いてみると右側のみからゴトゴト音がでているのに気がつきました。その原因は・・・、
[小山スピードさんから画像を借用]
フロントハブかブレーキローターの歪みにより、ブレーキローターが振れていたからです。それも、60/100という結構な振れです。60/100を単純に考えると、10cm移動すると6cmずれるということです。ブレーキローターの場合はこれほど単純ではありませんが、回転部品の振れ公差としてはありえない数値です。ブレーキローターが振れていたことで、ブレーキパッドを押し戻し、ブレーキキャリパー内で踊らせていたので、ゴトゴトとパッドが動いて音がでていました。上の画像を見ると、パッドの当たり面がおかしいのがはっきりと分かります。
なぜ、60/100もの振れがでてしまったのか?、その原因はアルミ製ハブとブレーキローターのつけ方にあるようです。

[また小山スピードさんから画像を借用]
まず、このブレーキローターのつけ方がおかしい。普通、ハブに被せるようにブレーキローターはつけるものだと思うのですが、逆についています。最初にホイールの隙間からハブを見た時、ごついホイールスペーサーがついていると勘違いしたぐらいです。このブレーキローターのつけ方だと、ハウジングとディスクの境に負担がかかりそうな気がします。この負担により、ローターが歪んだとも思えます。
次にアルミ製ハブ。これはがまた厄介な奴です。ブレーキローターは、ハブに空いたボルト穴に裏からボルト4本で固定されています。ローターを固定するのにボルトを締めこんでいくと、ハブが歪んでしまうみたいです。ハブ裏のローター当たり面が肉抜きされすぎて強度が落ち、ローター固定ボルトを締めこむと、ハブ裏に面圧がかかりすぎてアルミが潰れてしまうそうです。

あれこれやっても振れは収まらなかったようで、ハブにローターをつけた状態でローター研磨を行い、ホイール取付面を旋盤加工したりして、20/100まで振れは収まったようです。まだ多い気はしますが、状況を聞くとこの数値で十分すぎます。
ローターに振れがでていたのは右側だけでだったようですが、左は左で別の問題がありました。ブレーキローターを回転させると、動きがおかしいとのこと。ハブとローターの芯が合っていないようです。
このブレーキローターは、114.3ピッチのものを長穴加工して100ピッチに合うようにするという、強引な加工が施されていました。きちんとハブ取付時にセンター出しすれば問題ない加工ですが、全然センターがあってなかったようです。ハブセンターの径より、ブレーキローターのセンター穴径が大きく、スペーサーを入れず取り付けていたので、センターが出ていませんでした。長穴+バカ穴ではセンターは出ません。
とりあえず、キャリパーに当たらなくてよかったです。もしかして、キャリパーに当たらなければOKぐらいのバーキン公差なのかもしれません。

[またまた小山スピードさんから画像を借用]
左の別の問題として、ロアアームとアップライトを固定するナットがかなり緩んでいました。それこそ、放っておけばアップライトからロアアームがすこんと抜け落ちてしまう程に・・・。今回の入庫で気づいてもらえてよかったです。命拾いしたといっても過言ではない事態です。
どうやら、ブレーキングしながらステア操作すると、たまにでるガタツキ症状はここが原因だったようです。兆候はあったのに全然状態に気付かなかったとは。

さらに左側は、ハブのアウターベアリングがご臨終していたようです。もう、ボールがグズグズだったとか。
ベアリングはイギリス製のインチサイズが使用されていたとのことで、国産のミリサイズのベアリングは使えないそうです。そこでベアリング屋にて、国内生産して輸出しているインチサイズのベアリングを入手することで対応してもらえました。
・・・・・問題ありすぎこの車。問題があるものだと分かっていたつもりでしたが、思っていた以上に問題が出ています。一通り点検してもらっているので一安心ですが、あとはオイルパンのバッフルがどうなっているか確認してもらうのが気になります。オイルパンにヒットしている形跡があるだけに心配です。
それにしても、小回り効かせて問題に対処してくれる小山スピードさんには感謝です。長年のノウハウからくる点検修理は素晴らしいです。
Posted at 2012/08/29 23:02:46 | |
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