
そして今回も寝不足ということで。
新聞屋の時間に出発する。まだほんのり雨が残っていたが、望みを捨てることなく彼女と2人で大観山ドライブインの駐車場を目指す。
厚木の前後で空が白んでくる。雨のあとの穏やかな空気が一面に漂う。
小田原料金所の袖にあるパーキングで短い休憩…
その時、料金所から加速するワイン色のポルシェを見た。
大観山は霧だった。
風が唸る音が支配していた。
そして、さっきのポルシェだ。
AWDの500馬力である。
これまでの人生での実体験はRWDの300馬力程度まで。
それでも、その時のターボの加速感、足の浮揚感を思い出すだけで腰が引けるような…。
イベントはなんとなく始まる。
交代で、4耐ウィナーのナビシートを体験していく。
ありがたい排気音が、スタートとゴールの合図となる。
そして皆一様に、使用前と使用後の表情のギャップが見てとれる。
順番が回ってきた。
助手席に、力むでもなくおとなしく腰掛けた。
軽い挨拶の後、車はゆっくりと本線へ向かう。
駐車場を出てすぐ、ドアグリップを握り締めた。
だが、そんな事は気休めにもならなかった。
ゲートを越え、加速――
「!!!!!!!!!!!!!!!」
足の浮揚感に収拾がつかないうちに霧の覆うカーブや丘の先のブラインドに突進していく!
気持ちが間に合わない、息を呑む!
いつまで加速?判らない!霧の先も判らない!
風切音と、それを生み出すエンジンの唸りが、一層心を落ち着かせない。
落ち着かせるべく頭を巡らすうちに、霧がやや浅くなる。そして視覚で認めたセンターラインの屈折と壁面――既に荷重が前に来て、タイヤが踏ん張る。若干遅れてグリップの手と足で踏ん張る。身体を中心にぐるりとGが移動しつつ、加速で身体をシートに委ねていく。
落ち葉の散らばる半乾きの公道を、乱すことなくこなしていく!
――車の格の差を思い知った。単に速い車に追いつけない差とは比べ物にならない。排気量や生み出されるパワーの差だけではない、ボディの安定感や足の動きは、然るべきドライバーのナビシートだからこそより圧倒的に感じられたのだろう…。
自分も例外なく、表情のギャップが見て取られたはずである。
Posted at 2011/11/01 02:56:29 | |
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