S660が販売開始して、約1年が経過した。納車台数は約1万台。
発売当初に予約を申し込んだ人の手には収まっているでしょうね。
2013年の東京モーターショーで発表された「S660コンセプト」が、ほぼ
そのままのスタイルでデビューするとは、この時には想像できなかったな~
東京オートサロンで発表したS660 MUGEN RA プロトタイプ。
2016年中には発売されると言われていました、いつ発売されるのかな?
現在の1日当たりの生産台数は、40台から52台に増えているようです。
今、申し込んだ場合の納車は10月頃で半年待ちの状態だそうです。
納期は短縮されましたが、まだまだ納車までに時間が掛かる人気です。
さて、S660の試乗ですが、恥ずかしながら、私は今回が初めてでした。
試乗は当初「予約制」「土日はダメ」「当日申込みダメ」で面倒でした。
でも今なら当日でも試乗OKということで、試乗させてもらいました。
試乗車はCVT車でした。できれば、MT車に乗りたかったですけどね。
販売の8割はMT車で、この店でも本当はMT車を置きたかったそうです。
ホンダ・ディーラーへの割り当ての関係でCVT車になったそうです。
営業さん同乗のもと、試乗開始です。でも、できれば一人で運転したかったな…
走り出してすぐに感じたのは「剛性感の高さ」でした。軽自動車とは思えません。
オープン特有の柔さは微塵も感じられないガッチリとした枠に収まっている感じ。
自分が乗っている「NCロードスター」よりも剛性感が高く感じられました。
ターボで64psを発生するエンジンはアクセルレスポンスもよくパワーもまずまず。
ただし、アルトワークスのパワー感と比べると、ちょっと物足りなさを感じます。
まあ、ワークス(670kg)に対して、S660(850kg)。この差は大きすぎますね。
180kgの軽量化なんて、並大抵のチューニングで出来る技ではないですから。
でも、助手席に人を乗せて、これだけのパワー感があれば十分かなと思いました。
試乗は、(街中) → (バイパス) → (ワインディング)とバラエティのあるコースです。
特にワインディング走行は、硬めの足回りと高いボディ剛性とターボパワーにより
気持ちよく走ることができました。でも、やっぱりMTで乗りたいと思いました。
ワインディングではスポーツモードでパドルシフトを使いマニュアル運転しました。
コーナーを抜け、高回転域まで引っ張っても、吹け上がりのいい気持ちよさを味わう
ことが出来ませんでした。パワーがどの回転域でも、あまり変わらない印象でした。
隣に営業さんを乗せていたから?CVTではこんな物?MTならもっといいのかな?
限られた短い試乗コースだけでは、まだまだ、わからないことがたくさんあります。
ワインディングを走行して感じたことはシートのサポート性が良いことです。
また、シート座面に大腿部が載るポジションが自然にとれます。これにより
長時間の運転でも足の疲れが低減されとても良いシート形状だと思います。
NCロードスターの純正シートはこの点がNGでした。NDは改善されましたが。
腰の部分のサポートもしっかりしており長時間の運転での腰の疲労度は少ないかも。
私のロードスターのRECAROのSR6は1日600km以上走っても腰は疲れ知らずです。
着座位置はドアを開ければ、楽にタバコの火を地面で消すことができる低さでした。
着座位置の低さはスポーツカーとして重要なポイントです。シートは好印象でした。
ステアリングは350mmの小径タイプ。標準で350mmのサイズは珍しいですよね。
握りも適度に太く、F1みたいに下部がフラットの形状も扱いやすかったです。
調節はチルトのみでしたが、個人的にはテレスコピックも付けて欲しかったです。
必要な情報がわかりやすくシンプルに配置しているメータは見やすかったです。
速度・タコメータの視認性は良いが、個人的には、それぞれ独立したアナログ針
のクラシカルなメータが好み。スポーツカーはアナログメータの方がいいです。
ギヤをリバースに入れるとセンタディスプレイにバックモニタが表示されます。
小さいクルマですが、後方視界が悪いため、必要なアイテムかもしれません。
オーディオソースはUSBプレーヤー/チューナーのみでCDは再生できません。
でも個人的にはiPodをオーディオ用として使用しているので問題ありません。
アルバムアートもちゃんと表示され、タイトルも見やすく良好でした。
センターディスプレイはオプション(約5万円)ですが必需品だと感じました。
標準スピーカは思ったより低音が響きますね。でも、個人的にはイマイチなの
で交換対象ですね。17cmのスピーカが取り付け可能なのでスピーカーの選択
肢は広がります。どんなスピーカが合うかな? デッドニングも必要だよな?
ルーフトップは、ボンネット内のユーティリティボックスにしまいます。ルー
フトップの脱着は思ったより、やりやすかったですね。でも、ロードスターの
ワンタッチの開閉を知っていると、ちょっと面等臭さを感じてしまいますね。
フロント:15インチ/5.0J/OFFSET+45mm/PCD100mm タイヤ 165/55R15
リア :16インチ/6.5J/OFFSET+50mm/PCD100mm タイヤ 195/45R16
タイヤはヨコハマのハイグリップタイプの「NEOVA」を履いています
やっぱり、ホイールはちょっと個性を出すために変えたいですね。
ADVAN Racing RZⅡは、S660用に発売したようなホイールです。
イエローボディには「レーシング グロスブラック」が似合いそうです。
S660にはコーナーリング中の安全装備として、アジャイルハンドリングアシストが備わっているなど、最新のテクノロジーが搭載された現代のスポーツカーです。
値段的には、αのMT車で218万円と高額ですがこの小さなボディでここまで完成したスポーツカーを作り上げたことは凄いことで、この値段は安いと思いました。
私は次に購入することを考えているのはNDロードスターですが、経済的な面で軽自動車を選ぶ必要があれば、迷わずS660を選択します。
アルトワークスの絶対的なパワー感は魅力的ですが、S660のコックピットに座った時のタイトな雰囲気は「スポーツカーに乗っている」と感じる空間で魅力的ですし、なにより、オープンスポーツは、やっぱり気持ちがいいです。
ほとんど、1人でドライブすることが多い、私にとっては、2人乗りで荷物を載せるスペースが無くても、日常の足として、特に問題はありません。
心残りはMT車の方がダイレクト感があって、もっと面白いだろうなと思うところ。MT車の試乗も近いうちにしないといけないですね。
MT車に乗ったらNDロードスターよりS660が欲しくなってしまうかもしれません。
S660、すばらしいクルマでした。