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2017年01月28日 イイね!

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅴ

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅴ前回に引き続き、今回は、ドアとボディの除電について紹介していきたいと思います。

今回は量が多いため、少し長文になります。

なお、特許は権利として認められた後は、第三者が業として実施すると侵害行為とみなされることがありますので、あくまでも個人的な利用の範囲および自己責任にてお願いいたします。


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【特開2016-124319 : ドアの除電】

ドアや窓などの樹脂部材やガラスには、走行中の空気との摩擦で静電気が蓄積します。

また、使われている部材の量が多いため、ダウンフォースや回頭性などに関係する空力特性にかなり影響を与える部分といえます。


この図 ↓ は、リアサイドドア6を室内から見た図で、側面部8に3箇所アルミテープ9が貼り付けられています。

なお、前方の側面部だけでなく、後方の側面部10や上面部11など、窓ガラスを囲う位置であれば貼っても良いとのことです。

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この図 ↓ は、上図のⅡ-Ⅱ線の断面図になります。

各部の名称は、側面部8,シールゴム12,14,ドアガラス13,アルミテープ9 のようになります。

このうち、シールゴム14(ドアパッキン)の外側にアルミテープ9を貼り付けますが、注意点として、ドアを閉めたときにドアパッキンにアルミテープ9が接触するようにし、且つ、静電気を空中に放電できるよう、押し付けられて変形したドアパッキンに完全に隠れてしまわない位置に貼る必要があります。

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この図 ↓ は、フロントサイドドア15のピラー部分を説明する図になります。
(図は2ドアタイプですが、考え方は同じです)

この図では、Bピラー18にアルミテープ9が貼り付けられています。

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この図 ↓ は、上図のⅣ-Ⅳ線の断面図になります。

各部の名称は、ドアガラス13,Bピラー18の外壁部22,リブ部23,シールゴム24,25,固定ガラス21,のようになります。

そして、このリブ部23を挟んだシールゴム24,25の間にそれぞれアルミテープ9を貼ります。

この特許の図では、どこまでがドアなのかわかりにくいですが、考え方としては、非導電性部材となる樹脂やゴム上で、空気に触れる位置に貼れば良いことになります。

なお、このドアの場合、外観を損なわないために外気ではなく室内の空気に放電しておりますが、後述するボディの除電では、空力の面からも外壁部への貼り付けはあまりお勧めしていないようです。

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以上のように、この特許ではリアとフロントとでそれぞれ説明していますが、構造が同じ部分は区別せず同じように施工して良いかと思います。


この図 ↓ は、ミニバンなどのスライドドア26を説明する図になります。

この図では、スライドドア26を閉めたときに、その窓枠7が位置するボディ側にアルミテープ9を貼り付けています。

具体的には、スライドドア26を閉めたときの窓ガラスを囲う位置になり、
Bピラー27,Cピラー28,ルーフサイドパネル29に位置するウェザーストリップ(大事なところなのに何故か図番なし)の外側に貼り付けます。

特許では特に説明していませんが、最初に説明したリアサイドドアのボディ側にも応用できるかと思います。

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この図 ↓ は、上図のようなボディ側への施工をせず、スライドドアに直接施工する例ですが、
閉めたときにボディ側のウェザーストリップに接触し、且つ、完全に隠れてしまわない位置にアルミテープ9を貼るとしか説明はありませんでした。

コツは、最初に説明したリアサイドドアと同じようです。

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次に、フロントガラス(リアガラス)31とその取り付け部となるリップ部32車内の内装材34の除電を下の側面断面図 ↓ で説明します。

除電する箇所は、ガラス31とルーフパネル33の境目(角度が変わる箇所)で、この部分での気流の乱れを抑制することが目的になります。

アルミテープ9の貼り付け位置は、
内装材34の前端部のエッジ(a点)、またはルーフパネル33のリップ部32手前側(b点)になります。

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この特許についての解説は以上です。


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【先WO2015-064195 : ボディの除電】

図1は、バンパー14の裏側にアルミテープ12が貼り付けられている図になります。

この特許では、ボディの各部に貼る際に、貼る位置の裏側に密閉されていない空間がある場合は、なるべく
裏側に貼ることを推奨しています。

理由としては、外観上の問題もありますが、アルミテープといえども厚みがあるため、その部分で気流が乱れてしまうことを防ぐためとのことです。
(個人的には美観も重視するのと、元々小さい効果の積み重ね的なチューンなので、その効果が削られてしまわないようにしたいと思っています)

更に、直進性や左右の回頭性を高めるため、
左右対称の位置に貼るようにしています。

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また、図6(a)のように
屈曲する箇所で静電気による空気流の剥離を起きにくくするため、この位置にアルミテープ31を重点的に貼ることや、部分的に突出していたり段差がある箇所にも貼るようにしています。

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なお、アルミテープの形状としては、四角形に限らず、図2(B)のような格子状(恐らくこれがベストかと)であったり、円や半円形状でもよい(要は何でも良い?)とのことです。

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上記を鑑みてボディへの主な貼る箇所は、図7のようになります。

① フロントバンパー14下端部前縁「k」,
② ボンネット35前端部「a」,
③ ボンネット35後端部「b」 
(※)
④ フロントガラス36下端部「c」 
(※)
⑤ フロントガラス36上端部「d」,
⑥ 天井37前端部「e」,
⑦ 天井37前中央部「f」 (図7aの「p」は恐らく間違い) (※)
⑧ リアルーフスポイラー38中央部「h」 
(※)
⑨ リアバンパー50下端部「l」,
⑩ ドアミラー55「m」,
⑪ ドアのベルトモール60「n」 (※)
⑫ ドアハンドル握り部56「o」(裏側の中空部),
⑬ 前輪42のホイール61の中心部「p」(ホイールキャップ63「r」),
⑭ 後輪43のホイール64の中心部「s」(ホイールキャップ66「u」),
⑮ フロントバンパー14またはフロントフェンダー62の側面部「q」 (※)
⑯ リアドア59またはロッカパネル65「t」,
⑰ フロントドア58の前方部「v」,

※) 別途説明します。

これらのうち、「k,a,b,c,d,e」については、直進性を担保するために、まず中央に貼り、そこから左右対称に貼っていくことを推奨しています。

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図8は、上記③④を説明した図です。

図8(b)では、
フロントガラス36がボンネット35より下側まで入り込んだ部分にアルミテープ31を貼り付けています。

これは、最初に説明したように、アルミテープの厚みで気流が乱れてしまうことを防ぐためとのことです。

AXELAの場合、厳密にはこのような構造になっていませんが、
ガラスの取り付け部である樹脂(ワイパー付近)に貼ればよいのではないかと思います。

ボンネット35へは、裏側にアルミテープ31を貼り付けています。

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なお、図11のように
セダンのリアガラス下端部も、フロントと同じ要領でアルミテープ31を貼り付けています。
(何故かトランクの後端部には貼っておりません)

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図10は、上記⑦を説明した図です。

天井37は、図10(a)のように車内のルーフライナー45にアルミテープ31を貼り付けるようにします。

流石に屋根のド真ん中(車外)には貼りたくないだろうし、静電気は非導電部材に蓄積されるので、理に適っているとは思います。

また、図10(b)のように、天井37の裏側にルーフライナー45の一部が接触している箇所がわかる場合は、その近傍にアルミテープ31を貼り付けます。

なお、天井37とルーフライナー45の間が閉鎖空間となっていない(空気の流れがある)場合は、天井37やルーフライナー45の裏側(点線の位置)に貼り付けても良いとのことです。

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図12,13は、ハッチバックやワンボックスのリアスポイラー48リアバックドアガラス49にアルミテープ31を貼り付ける、主に上記⑧を説明した図です。
(図12(a)は殆どPRIUSで、図12(b)はヴェルファイアとかでしょうか)

リアスポイラー48は、上側に代えて下側(点線部分)に貼っても良いとのことで、個人的にも、美観的・空力的に下側のほうが良さそうに思えます。

AXELAではリアバックドアガラスは無いですが、バックドアやトランクを開ける部分が樹脂製なので、そこに貼ると良いのではないかと思います。

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図14は、下側にアンダーカバーを設けていない燃料タンク51にアルミテープ31を貼り付ける位置を示しており、進行方向に対して前後の位置に左右対称に貼り付けています。
(燃料タンクの除電については、1つ前のブログでも紹介しております)

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図15は、エンジンルーム下部に取り付けられるフロントアンダーカバー52で、図16は、リアディフューザー53となります。
(非常にわかりにくいですが、何れも車体側に隠れる内側から見た図になります)

何れも縁石などの段差に接触しないよう、途中から上側に向けて傾斜しており、その屈曲点で気流が静電気の影響を受けやすくなるため、図15(b),図16(b)のように、屈曲する手前で左右対称にアルミテープ31を貼り付けます。

このパーツは車種によってかなり形状が異なるので、各車で工夫が必要かと思います。

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図17は、フロントドア58またはリアドア59にアルミテープ31を貼り付ける位置を示した断面図で、上記⑪を説明した図になります。

各部の名称は、サイド窓ガラス54,ベルトモール60(車内側60a,車外側60b),クリップ67,70(一点鎖線),フレーム68、ドアトリム69、保持部材71,戸袋Sのようになります。

アルミテープ31のサイド窓ガラス54への貼り付け場所は、サイド窓ガラス54が最も上昇した際に車内側ベルトモール60aに接触する位置なります。

また、同じ位置でも車内側ベルトモール60a側に貼り付けて、常時サイド窓ガラス54にアルミテープ31が接触するようにしても良いとのことです。
(こちらのほうがよさそうな気がしますが、難易度は高そうです)

更に、サイド窓ガラス54のみの除電であれば、車外側(点線の位置)にアルミテープ31を貼り付けても良いとのことです。

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図18は、上記⑮を説明した図で、車体左側のフロントバンパー14,フロントフェンダー62(フェンダーライナー72),前輪42を真上から見た断面図になります。

車体の進行方向に空気が流れると、負圧によりフェンダーハウス内の空気が外側に排出されて流動性が保たれるところ、静電気によって進行方向の気流が乱れると、この流動性が保てなくなり、ブレーキの冷却が阻害される等の影響が出るとされています。

そこで、フロントバンパー14とフェンダーライナー72の車体内側で、前輪42の中心と同じ高さの位置にアルミテープ31を貼り付けます。

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最後に図19で、車体フレームが接続されているバッテリー73のマイナス端子部(マイナスターミナル74)の除電を紹介します。

この図では、マイナスターミナル74のほか、バッテリーケース75または蓋部76にアルミテープ31を貼り付けても良いとしています。

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このようにしてボディ全般を除電することで、ダウンフォースの低下や乱れを抑えて各車輪の設置荷重を適正値に維持でき、また、コーナリングや直進の安定性も改善されるとのことです。

この特許についての解説は以上です。


次回は、ステアリング・各種ペダルと、フロント/リアサスペンションの除電について紹介したいと思います。
Posted at 2017/01/28 13:30:15 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ

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