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Axeloidのブログ一覧

2017年01月28日 イイね!

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅴ

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅴ前回に引き続き、今回は、ドアとボディの除電について紹介していきたいと思います。

今回は量が多いため、少し長文になります。

なお、特許は権利として認められた後は、第三者が業として実施すると侵害行為とみなされることがありますので、あくまでも個人的な利用の範囲および自己責任にてお願いいたします。


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【特開2016-124319 : ドアの除電】

ドアや窓などの樹脂部材やガラスには、走行中の空気との摩擦で静電気が蓄積します。

また、使われている部材の量が多いため、ダウンフォースや回頭性などに関係する空力特性にかなり影響を与える部分といえます。


この図 ↓ は、リアサイドドア6を室内から見た図で、側面部8に3箇所アルミテープ9が貼り付けられています。

なお、前方の側面部だけでなく、後方の側面部10や上面部11など、窓ガラスを囲う位置であれば貼っても良いとのことです。

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この図 ↓ は、上図のⅡ-Ⅱ線の断面図になります。

各部の名称は、側面部8,シールゴム12,14,ドアガラス13,アルミテープ9 のようになります。

このうち、シールゴム14(ドアパッキン)の外側にアルミテープ9を貼り付けますが、注意点として、ドアを閉めたときにドアパッキンにアルミテープ9が接触するようにし、且つ、静電気を空中に放電できるよう、押し付けられて変形したドアパッキンに完全に隠れてしまわない位置に貼る必要があります。

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この図 ↓ は、フロントサイドドア15のピラー部分を説明する図になります。
(図は2ドアタイプですが、考え方は同じです)

この図では、Bピラー18にアルミテープ9が貼り付けられています。

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この図 ↓ は、上図のⅣ-Ⅳ線の断面図になります。

各部の名称は、ドアガラス13,Bピラー18の外壁部22,リブ部23,シールゴム24,25,固定ガラス21,のようになります。

そして、このリブ部23を挟んだシールゴム24,25の間にそれぞれアルミテープ9を貼ります。

この特許の図では、どこまでがドアなのかわかりにくいですが、考え方としては、非導電性部材となる樹脂やゴム上で、空気に触れる位置に貼れば良いことになります。

なお、このドアの場合、外観を損なわないために外気ではなく室内の空気に放電しておりますが、後述するボディの除電では、空力の面からも外壁部への貼り付けはあまりお勧めしていないようです。

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以上のように、この特許ではリアとフロントとでそれぞれ説明していますが、構造が同じ部分は区別せず同じように施工して良いかと思います。


この図 ↓ は、ミニバンなどのスライドドア26を説明する図になります。

この図では、スライドドア26を閉めたときに、その窓枠7が位置するボディ側にアルミテープ9を貼り付けています。

具体的には、スライドドア26を閉めたときの窓ガラスを囲う位置になり、
Bピラー27,Cピラー28,ルーフサイドパネル29に位置するウェザーストリップ(大事なところなのに何故か図番なし)の外側に貼り付けます。

特許では特に説明していませんが、最初に説明したリアサイドドアのボディ側にも応用できるかと思います。

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この図 ↓ は、上図のようなボディ側への施工をせず、スライドドアに直接施工する例ですが、
閉めたときにボディ側のウェザーストリップに接触し、且つ、完全に隠れてしまわない位置にアルミテープ9を貼るとしか説明はありませんでした。

コツは、最初に説明したリアサイドドアと同じようです。

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次に、フロントガラス(リアガラス)31とその取り付け部となるリップ部32車内の内装材34の除電を下の側面断面図 ↓ で説明します。

除電する箇所は、ガラス31とルーフパネル33の境目(角度が変わる箇所)で、この部分での気流の乱れを抑制することが目的になります。

アルミテープ9の貼り付け位置は、
内装材34の前端部のエッジ(a点)、またはルーフパネル33のリップ部32手前側(b点)になります。

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この特許についての解説は以上です。


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【先WO2015-064195 : ボディの除電】

図1は、バンパー14の裏側にアルミテープ12が貼り付けられている図になります。

この特許では、ボディの各部に貼る際に、貼る位置の裏側に密閉されていない空間がある場合は、なるべく
裏側に貼ることを推奨しています。

理由としては、外観上の問題もありますが、アルミテープといえども厚みがあるため、その部分で気流が乱れてしまうことを防ぐためとのことです。
(個人的には美観も重視するのと、元々小さい効果の積み重ね的なチューンなので、その効果が削られてしまわないようにしたいと思っています)

更に、直進性や左右の回頭性を高めるため、
左右対称の位置に貼るようにしています。

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また、図6(a)のように
屈曲する箇所で静電気による空気流の剥離を起きにくくするため、この位置にアルミテープ31を重点的に貼ることや、部分的に突出していたり段差がある箇所にも貼るようにしています。

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なお、アルミテープの形状としては、四角形に限らず、図2(B)のような格子状(恐らくこれがベストかと)であったり、円や半円形状でもよい(要は何でも良い?)とのことです。

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上記を鑑みてボディへの主な貼る箇所は、図7のようになります。

① フロントバンパー14下端部前縁「k」,
② ボンネット35前端部「a」,
③ ボンネット35後端部「b」 
(※)
④ フロントガラス36下端部「c」 
(※)
⑤ フロントガラス36上端部「d」,
⑥ 天井37前端部「e」,
⑦ 天井37前中央部「f」 (図7aの「p」は恐らく間違い) (※)
⑧ リアルーフスポイラー38中央部「h」 
(※)
⑨ リアバンパー50下端部「l」,
⑩ ドアミラー55「m」,
⑪ ドアのベルトモール60「n」 (※)
⑫ ドアハンドル握り部56「o」(裏側の中空部),
⑬ 前輪42のホイール61の中心部「p」(ホイールキャップ63「r」),
⑭ 後輪43のホイール64の中心部「s」(ホイールキャップ66「u」),
⑮ フロントバンパー14またはフロントフェンダー62の側面部「q」 (※)
⑯ リアドア59またはロッカパネル65「t」,
⑰ フロントドア58の前方部「v」,

※) 別途説明します。

これらのうち、「k,a,b,c,d,e」については、直進性を担保するために、まず中央に貼り、そこから左右対称に貼っていくことを推奨しています。

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図8は、上記③④を説明した図です。

図8(b)では、
フロントガラス36がボンネット35より下側まで入り込んだ部分にアルミテープ31を貼り付けています。

これは、最初に説明したように、アルミテープの厚みで気流が乱れてしまうことを防ぐためとのことです。

AXELAの場合、厳密にはこのような構造になっていませんが、
ガラスの取り付け部である樹脂(ワイパー付近)に貼ればよいのではないかと思います。

ボンネット35へは、裏側にアルミテープ31を貼り付けています。

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なお、図11のように
セダンのリアガラス下端部も、フロントと同じ要領でアルミテープ31を貼り付けています。
(何故かトランクの後端部には貼っておりません)

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図10は、上記⑦を説明した図です。

天井37は、図10(a)のように車内のルーフライナー45にアルミテープ31を貼り付けるようにします。

流石に屋根のド真ん中(車外)には貼りたくないだろうし、静電気は非導電部材に蓄積されるので、理に適っているとは思います。

また、図10(b)のように、天井37の裏側にルーフライナー45の一部が接触している箇所がわかる場合は、その近傍にアルミテープ31を貼り付けます。

なお、天井37とルーフライナー45の間が閉鎖空間となっていない(空気の流れがある)場合は、天井37やルーフライナー45の裏側(点線の位置)に貼り付けても良いとのことです。

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図12,13は、ハッチバックやワンボックスのリアスポイラー48リアバックドアガラス49にアルミテープ31を貼り付ける、主に上記⑧を説明した図です。
(図12(a)は殆どPRIUSで、図12(b)はヴェルファイアとかでしょうか)

リアスポイラー48は、上側に代えて下側(点線部分)に貼っても良いとのことで、個人的にも、美観的・空力的に下側のほうが良さそうに思えます。

AXELAではリアバックドアガラスは無いですが、バックドアやトランクを開ける部分が樹脂製なので、そこに貼ると良いのではないかと思います。

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図14は、下側にアンダーカバーを設けていない燃料タンク51にアルミテープ31を貼り付ける位置を示しており、進行方向に対して前後の位置に左右対称に貼り付けています。
(燃料タンクの除電については、1つ前のブログでも紹介しております)

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図15は、エンジンルーム下部に取り付けられるフロントアンダーカバー52で、図16は、リアディフューザー53となります。
(非常にわかりにくいですが、何れも車体側に隠れる内側から見た図になります)

何れも縁石などの段差に接触しないよう、途中から上側に向けて傾斜しており、その屈曲点で気流が静電気の影響を受けやすくなるため、図15(b),図16(b)のように、屈曲する手前で左右対称にアルミテープ31を貼り付けます。

このパーツは車種によってかなり形状が異なるので、各車で工夫が必要かと思います。

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図17は、フロントドア58またはリアドア59にアルミテープ31を貼り付ける位置を示した断面図で、上記⑪を説明した図になります。

各部の名称は、サイド窓ガラス54,ベルトモール60(車内側60a,車外側60b),クリップ67,70(一点鎖線),フレーム68、ドアトリム69、保持部材71,戸袋Sのようになります。

アルミテープ31のサイド窓ガラス54への貼り付け場所は、サイド窓ガラス54が最も上昇した際に車内側ベルトモール60aに接触する位置なります。

また、同じ位置でも車内側ベルトモール60a側に貼り付けて、常時サイド窓ガラス54にアルミテープ31が接触するようにしても良いとのことです。
(こちらのほうがよさそうな気がしますが、難易度は高そうです)

更に、サイド窓ガラス54のみの除電であれば、車外側(点線の位置)にアルミテープ31を貼り付けても良いとのことです。

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図18は、上記⑮を説明した図で、車体左側のフロントバンパー14,フロントフェンダー62(フェンダーライナー72),前輪42を真上から見た断面図になります。

車体の進行方向に空気が流れると、負圧によりフェンダーハウス内の空気が外側に排出されて流動性が保たれるところ、静電気によって進行方向の気流が乱れると、この流動性が保てなくなり、ブレーキの冷却が阻害される等の影響が出るとされています。

そこで、フロントバンパー14とフェンダーライナー72の車体内側で、前輪42の中心と同じ高さの位置にアルミテープ31を貼り付けます。

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最後に図19で、車体フレームが接続されているバッテリー73のマイナス端子部(マイナスターミナル74)の除電を紹介します。

この図では、マイナスターミナル74のほか、バッテリーケース75または蓋部76にアルミテープ31を貼り付けても良いとしています。

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このようにしてボディ全般を除電することで、ダウンフォースの低下や乱れを抑えて各車輪の設置荷重を適正値に維持でき、また、コーナリングや直進の安定性も改善されるとのことです。

この特許についての解説は以上です。


次回は、ステアリング・各種ペダルと、フロント/リアサスペンションの除電について紹介したいと思います。
Posted at 2017/01/28 13:30:15 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2017年01月21日 イイね!

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅳ

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅳ前回に引き続き、今回は、マフラーと燃料・オイルタンクに加え、予告にはなかったハイブリッドシステムの除電についても紹介していきたいと思います。

なお、毎度のお約束ですが、特許は権利として認められた後は、第三者が業として実施すると侵害行為とみなされることがありますので、あくまでも個人的な利用の範囲および自己責任にてお願いいたします。


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【特開2016-125400 : マフラーの除電】

図1は、マフラー全体を示した斜視図で、主に触媒コンバータ1,排気管2,消音器3,テールパイプ4から成り立っており、非導電性(ゴム)の支持部材5を介して、シャーシ等に固定されている支持棒6に取り付けられています。

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マフラーが帯電したときは、サクションパイプのときと同様に、図5Aのように排気面積が実質的に狭くなることによる影響のほか、図5Bの消音器3に沿った気流が乱れることにより、車両にかかる力が不安定になります。

但しこの特許では、サクションパイプのように一定の径に狭まったパイプの入り口にはアルミテープを貼っておりません。

マフラー自体が外気に触れていて導電性であることと、排気熱の問題からかもしれません。

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そこで、図2のように、非導電性(ゴム)の支持部材5にアルミテープ10を貼り付けます。

長い排気システムの先端側は車体と電気的に離れているので、特に静電気が蓄積しやすいパーツは除電しておく必要があるのかもしれません。

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なお、支持部材5は、車種によって取り付ける位置や数が異なると思いますが、AXELAでは、消音器3を支えている4カ所にグルッと一周するように取り付けるとよいかと思います。

この特許についての解説は以上です。


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【特開2016-133032 : 燃料・オイルタンクの除電】

図1は、燃料またはオイルを貯蔵するタンク1の側面断面図で、内部にストレーナー2とポンプ3を備えており、吸い上げた燃料やオイルは、パイプ5を流れてエンジンに届けられます。

この特許では、
タンク1は金属性または非導電性の材質でできているとしております。

タンク1が帯電すると、燃料またはオイルの粘度が上昇するため、必要とされる量を供給する応答性が悪くなります。

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そこで、ストレーナー2と対面するタンク1の外壁面、ポンプ3の外壁面、パイプ5にアルミテープ10を貼り付けます。

なお、この特許では、タンクが金属製であったとしても、そこにアルミテープを貼るような記載になっています。

この特許についての解説は以上です。


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【特開2016-131427 : ハイブリッドシステムの除電】


この図 ↓ は、ハイブリッド車や電気自動車で電力制御として用いられるコンバータとインバータ(以下、本体25)が収容されるケース24です。

また、本体25とカバー26の間はゴムリング27で絶縁されています。

コンバータは出力電圧をコントロールし、インバータはDC↔AC変換を行うなど、何れもトランジスタによる頻繁なスイッチング動作が伴うため、静電気が発生します。

このため、カバー26の「●」の箇所にアルミテープ28を貼り付けます。

なお、この特許では、カバー26は金属製で説明されています。

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この図 ↓ も上と同じくコンバータとインバータ(以下、本体30)が収容されるケース29で、基本的には形状が異なるだけで機能は同じものになります。

但し、こちらは
カバーが31,32,34に分かれており、また、バッテリーやモーターに接続されるワイヤーハーネスを取り付けるための連結部33もあるため、これらの「●」の箇所にアルミテープ28を貼り付けます。

なお、この特許では、カバー31,32は金属製、カバー34,連結部33は非導電性部材で説明されており、上図のカバー26も含め、金属製であったとしても、そこにアルミテープを貼るような記載になっています。

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次に、バッテリーユニットUの除電です。

この図 ↓ のバッテリーユニットUは、主に後部座席の下側に取り付けられるタイプで、複数のバッテリーモジュール40、冷却用のクーリングブロア39、車内に固定するプレート41と、これに形成されたフランジ42(車体との連結箇所)、カバー43で構成されています。

バッテリーユニットUは、充放電の繰り返しやクーリングブロアの回転によって静電気が発生し、これによって充放電の電圧が安定しなくなることから、アクセルレスポンスや充電効率に影響を与えます。

このため、
フランジ42とカバー43が接触する「●」の箇所にアルミテープ28を貼り付けます。

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この図 ↓ も上と同じくバッテリーユニットUですが、主にセダンのトランクルーム内に取り付けられるタイプになります。

こちらも、
カバー45がプレート44と接触する部分、プレート44と車体の連結部分となる「●」の箇所にアルミテープ28を貼り付けます。

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AXELAの場合はこのタイプになるかと思いますが(しかもトヨタ製)、ハイブリッドシステム自体あまり馴染みのない形状であるため、車種によって大きく異なるかもしれません。

なお、この特許では、バッテリーユニットUを構成するパーツの材質として、金属製もしくは非導電性を区別する記載はありませんでした。

この特許についての解説は以上です。


次回は、ドアとボディの除電について紹介したいと思います。
Posted at 2017/01/21 06:06:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2017年01月14日 イイね!

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅲ

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅲ前回に引き続き、今回は、ラジエターとエンジンの除電について紹介していきたいと思います。

なお、特許は権利として認められた後は、第三者が業として実施すると侵害行為とみなされることがありますので、あくまでも個人的な利用の範囲および自己責任にてお願いいたします。


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【特開2016-011388 : ラジエターの除電】

図1は、ファンカバー1,ラジエター2,コンデンサ3の分解斜視図です。

ファンカバー1とラジエター2上下のタンク2aは非導電性の合成樹脂等で出来ており、ラジエターのコア2bは導電性の金属でできています。

コンデンサ3はエアコン用のもので、ラジエター同様に上下のタンク3aとコア3bとで構成され、この特許の説明では、どちらも金属でできています。

また、ハイブリッド車では、インバータ・コンバータラジエター4が、コンデンサ3の下側に設けられています。

静電気は、走行時に取り込む空気やファンの回転により発生する気流とファンカーバー1との摩擦や、回転するファンモータ自身から発生し、ファンカバー1に蓄積されます。

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そこで、図2Aの
ファンカバー1とラジエター2との取り付け部、図2Bのラジエターのタンク2aとファンカバー1との取り付け部に、それぞれアルミテープ10を貼り付けます。

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コツは、これまでの例から、帯電しているファンカバー1と通気抵抗を減らしたいラジエター2との接触部となる非導電性部材に貼ることだと思います。

また、非導電性部材に貼ることは、異なる金属同士の接触による電蝕を気にする必要もないため安心です。

なお、この特許では、ラジエターはゴムなどを介して車体(ボディやシャーシ等)に固定されている説明はありましたが、このラジエターを支えているゴムにアルミテープを貼るような記載はありませんでした。

この特許についての解説は以上です。


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【特開2016-125398 : エンジンの除電】

図1Aのように、エンジンは、主にエンジン本体1と、金属製のシリンダーヘッドカバー2と、非導電性部材でできた騒音防止カバー3と、タイミングベルトカバー29で構成されています。

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エンジンが帯電すると、この図5のように、吸気ポートAの断面積が実質的に減少し、サクションパイプのときと同様に吸気抵抗が増えてしまいます。

また、エンジンオイルの粘性も低下します。

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このため、エンジン本体1に接続されている非導電性部材との接続部にアルミテープ10を貼り付けます。

具体的には、図1Bのように、
シリンダーヘッドカバー2と騒音防止カバー3の接合部(非導電性の部分)にアルミテープ10を貼り付けます。

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また、図3のように、非導電性の
吸気マニホルド23の吸気枝管25に、それぞれアルミテープ10を貼り付けます。

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更に、非導電性の
タイミングベルトカバー29のシリンダーへの接続部にもアルミテープ10を貼り付けます。

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基本的なところは以上ですが、クルマの種類によっては図2のようにシリンダーヘッドカバーが非導電性部材でできていて、エアクリーナー22と一体になっている場合があります。

この場合は、
シリンダーヘッドカバー20のエンジン本体1への接続部にアルミテープ10を貼り付けます。

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なお、この特許では、エンジンはゴム製のエンジンマウントを介して車体(ボディやシャーシ等)に固定されている説明はありましたが、ラジエターのときと同様に、このエンジンマウントにアルミテープを貼るような記載はありませんでした。

この特許についての解説は以上です。


次回は、マフラーと燃料・オイルタンクの除電について紹介したいと思います。
Posted at 2017/01/14 05:30:16 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ
2017年01月09日 イイね!

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅱ

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅱ前回は、アルミテープチューニングに関わる各特許文献に共通する内容をピックアップして紹介しましたが、今回から、具体的な取り付け位置を紹介していきたいと思います。

紹介は公開番号の順ではなく、車体の部位ごとにまとめた順で行います。

なお、特許は権利として認められた後は、第三者が業として実施すると侵害行為とみなされることがありますので、あくまでも個人的な利用の範囲および自己責任にてお願いいたします。


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【特開2016-078640 : 吸気システムの除電】

図1は、吸入口5aからエンジン1にかけて、
アルミテープ10を貼った状態を示す模式図です。
既にこの図だけで必要な貼り付け箇所は全て示していますが、何故この位置なのかを簡単に解説していきます。

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図5は、吸入口5aやエアクリーナー3、サージタンク4等からサクションパイプ6などの流路に空気が流れ込むときの断面図です。

ここは空気の流れが発生するので、静電気が発生し易い部分といえるかと思います。

空気が内壁に沿って一定の狭い断面積となるパイプに流れ込む際、そこが帯電していると、先のブログで解説したように、プラス電荷同士の反発によってパイプの内壁から空気の流れが引き剥がされます。
結果、点線のようにパイプの中心に向かう力が働いてしまい、実質的にパイプの径が小さくなったのと同じ状態になります。

このため、
一定の径に狭まった所の入り口にアルミテープ10を貼ることで、除電されて空気の流れを実線のように戻すことができるようになります。

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この効果を数値で表したものが図6Bのグラフになります。

このグラフは、縦軸がパイプの内壁から中心に向かう距離で、横軸が空気の流速になりますが、帯電していると内壁に近いほど流速が落ちていることがわかります。

こういうのを見せられると、なんか無性にアルミテープを貼りたくなってきますw

なお、このグラフは他の特許でも同じように紹介されていますので、以降は割愛します。

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具体的な貼る位置は、これら図2や4のようになります。

逆に、これ以外の位置に貼ったとしてもあまり効果は得られないとのことで、特に、流路の断面積が広い箇所となる
エアクリーナー3やサージタンク4などの外壁面は、殆ど意味がないとのことです。

なお、特許文献では述べられていませんが、これまでの解説からすると、この図のような部分的な貼り付けではなく、グルッと一周するように貼ったほうが良いように思えます。

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あと注意点として、
流路の内壁や吸入口の手前には貼らないほうがよいとのことです。

先のブログでの解説では、空気の流れがあるほうが良いとのことでしたが、この場合は例外で、空中に放電することにより一部のプラス電荷が下流側を帯電させてしまう恐れがあるのと、万が一テープが剝がれたときに、エンジンに悪影響を及ぼす恐れがある、というのが理由になります。

直接内壁を除電しなくても、外壁を除電することで電荷が断面を移動して結果的に内壁も除電されるので、あえて内壁に貼る必要はないとのことです。

この特許についての解説は以上です。


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【特開2016-121671 : エアクリーナーの除電】

図1は、エアフィルター3と上下に分離されたクリーナーケース1および2とで構成されるエアクリーナーの分解斜視図です。

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静電気による影響は、この図5Aのようにエアフィルター3が帯電していると、フィルターの繊維8から空気が引き離されて吸入抵抗が増大する点において、先に説明した吸入口やサクションパイプ等と同じ原理になります。

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この場合、エアフィルター3そのものはクリーナーケースに格納されてしまうため、図4のように、
上下に分離されたクリーナーケースそれぞれのフランジ6および7が外気に接触する部分にアルミテープ10を貼り付けます。

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上や下から見ると図2ようになります。

特許の解説では、いずれか一方のクリーナーケースに貼るだけでも良いとしていますが、貼れるなら両方にしておいたほうが良いと思います。

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なお、エアフィルター3がクリーナーケースの上下いずれか一方に保持されている場合は、エアフィルターの支持枠5(1つ上の図4)が接触しているほうのクリーナーケースのフランジもしくは外壁に貼り付けます。

エアクリーナーには様々なタイプがありますが、
原理を知っていれば何処に貼ればよいのか応用は利くと思います。

この特許についての解説は以上です。


次回は、ラジエターとエンジンの除電について紹介したいと思います。
Posted at 2017/01/09 00:44:58 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2017年01月08日 イイね!

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅰ

特許でわかるアルミテープチューニング Vol.Ⅰアルミテープチューニングについて、ごく基本的な原理は理解しているつもりでしたが、現実的な効果がどの程度あるのか、またどんなチューニング方法が効果的なのかよくわからなかったので、現在公開されている特許から情報を探ってみました。

特許情報は、特許庁が一般に公開しているJ-Plat Pat(誰でも無料で見ることができます)で検索してヒットした14件を利用しています。
(検索式は割愛しますが、トヨタに絞っています)

いずれも現時点で特許権として認められているものはありませんでした。
(現時点では審査前もしくは審査中のようです)

ちなみに、特許は権利として認められたとしても、技術的に正しいとは限りません。
あくまでも、従来にない新しい技術的な創作として認められたに過ぎません。

先WO2015-064195 : ボディの除電
特開2016-049880 : ステアリング・各種ペダルの除電
特開2016-078640 : 吸気システムの除電
特開2016-117388 : ラジエターの除電
特開2016-121671 : エアクリーナーの除電
特開2016-124319 : ドアの除電
特開2016-125398 : エンジンの除電
特開2016-125400 : マフラーの除電
特開2016-131427 : ハイブリッドシステムの除電
特開2016-133032 : 燃料・オイルタンクの除電
特開2016-138651 : フロントサスペンションの除電
特開2016-141167 : 車輪支持装置の除電
特開2016-148369 : ブレーキの除電
特開2016-196205 : リアサスペンションの除電

これらの特許出願(公開特許公報)の内容から、効果的なアルミテープチューニングを可能な範囲で紐解いていきたいと思います。

なお、特許は権利として認められた後は、第三者が業として実施すると侵害行為とみなされることがありますので、あくまでも個人的な利用の範囲および自己責任にてお願いいたします。

今回は初回なので、上記の特許公報に共通して書かれている内容として、静電気が車体各部に及ぼす影響、アルミテープの特性や効果的な使い方などの基本的な部分について簡単にまとめておこうと思います。
(殆ど既に皆さんご存知と思われる内容ばかりです)

具体的な貼り付け箇所等は次回以降のブログで書いていきます。


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【静電気の発生】

■ 走行することによる路面とタイヤ、空気とボディの摩擦
■ 各種機構部の可動(摺動)による摩擦


【静電気が蓄積する場所】

■ 非導電性部材(合成樹脂など)の表面
  (電圧としては1000V以上)

但し、ゴムや油材などは、静電気の影響は受けるものの、帯電量そのものは樹脂部材よりも低いとされています。

また、金属などの導電性部材であっても、表面が塗装などでコーティングされて非導電性になっているものや、結合部分が多い場合も電気抵抗が大きくなるため、条件によっては帯電します。


【静電気の影響】


■ プラス電荷同士の反発によって車体から空気の流れが引き剥がされることによる空気抵抗の増加
  (エアインテークでは吸入抵抗の増加、ブレーキシステムでは冷却効果の低下)
■ グリス,オイル等の粘性上昇
■ ゴム部材の弾性低下
■ 電気系統の動作不安定・パフォーマンス低下


【除電の原理】

■ 空気中のマイナス電荷とプラスに帯電しているアルミテープ(導電性部材)との間の電界強度が高くなることによる空中放電(コロナ放電)

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【効果の範囲】


■ 厚さ0.05mm~0.2mm,長さ50mm~100mmのアルミテープで、直径150mm~200mmの範囲(図8CのD)
あまり正確ではないかも。。。
(アルミテープの縁から7.5cmの範囲と考えておけばよいと思います)

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【アルミテープの効果的な仕様,使い方】


■ 
導電性であればアルミでなくてもよい

金,銀,銅,メッキなどの金属のほか、ポニアリニン,ポリピロール,ポリチオフェン等の導電性高分子、導電性プラスチック、導電性塗料などでもよいとのことで、これらは伝導率に差はありますが、要は貼る面よりも導電率が高ければ効果がでるとのこと。

なお、アルミテープのアルミ素材自体にもいろいろ種類があるようですので、個人的には、どうせやるなら素性がわかっているものを選びたいと思っています。

■ 粘着部も導電性のあるものがよい(かも)

粘着部の厚みが数十~数百㎛程度であれば非導電性であっても効果は期待できるようですが、同じ非導電性であっても粘着材は樹脂などよりも帯電しにくく、アルミに静電誘導しにくい性質があるのと、実際の製品においても粘着部の厚さや材質が不明であることが多いので、せっかく貼るのであれば導電性のものを選んだほうが良いかもしれません。

(不確定要素がありながらも個人で実験されている方もいるようですので、何を信じるかは最終的には「好み」でいいんじゃないかと思います)

なお、粘着剤は意図的に金属粉等を混ぜない限り基本的には非導電性で、一般のアルミテープで表裏間で導通したといわれているものの殆どは、テスター棒が粘着層を貫通していることによるものと思われます。
(期待を込めて強めに押し込むと導通することがあります)

■ カドの部分で放電が生じやすいため、たくさんのカドやバリを設ける(図9Bの14)
  (ギザギザなハサミで切るとよい)

■ 
テープの放電部分は導電状態を維持し、非導電性部材(塗装等)で覆わない

■ マイナスの電荷が必要になるため、空気(フレッシュエア)の流れを盛んにする

■ 
基本的な貼る場所は、金属(導電性)部分ではなく、静電気が蓄積する非導電性部分
金属むき出しに見えて、表面にコーティングなどがされている場合もあるようですので、見た目だけでは判断できないかもしれません。

■ ボディ表面など、裏側に空間がある場合は、なるべく裏側に貼る
  (テープといえども厚みがあり、その部分で気流が乱れてしまうため)

空気抵抗の改善か、グリス,オイル等の粘性改善か、はたまた電気系統の安定動作か等によって、貼る位置の選び方にコツがあるようなので、次回以降のブログで個々に紹介していきます。

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とまあ、基本的なところはこんな感じになります。

これら特許出願の背景(先行技術)としては、皆さんご存知のアーシング(下図)がありますが、手間やコストがかかるというのが、これら特許では課題であったとしています。
(エンジンが回っているときはオルタネーターが電力を賄っているので、バッテリーに集約しているこの図も厳密には正しくないですね)
ただ、アーシングはエンジンやラジエターなどのフローティングパーツの電位差をなくして電装品へのノイズの影響を抑えたり、電装品そのもののアースを強化するものであり、静電気除去を目的とするアルミテープが代替技術になるわけではないので、課題としては不適切かと思います。

いずれにせよどちらも実質的な効果が感じにくいだけに、目的は違えど比較的手軽でコストがかからないアルミテープもよいのかもしれません。

逆にいうと、正しい位置に貼らなければ効果が出ないということにもなりますので、必要な情報がそろったところで実践してみたいと思います。

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Posted at 2017/01/08 06:48:44 | コメント(5) | トラックバック(0) | クルマ

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