以前ご紹介した17マジェスタです。
同じ日に17マジェスタと現行220系2.5ハイブリッドGに乗る機会があり、いろいろと感じたことを書いていきたいと思います。
各車両については以前に紹介しておりますので割愛
現行クラウンの感想
https://minkara.carview.co.jp/userid/2594057/blog/41654398/
現行クラウン乗り比べ
https://minkara.carview.co.jp/userid/2594057/blog/41950965/
17クラウンマジェスタ
https://minkara.carview.co.jp/userid/2594057/blog/41658286/
今回のブログは待ち時間を利用して書いていますので纏まりもなく、画像も少なめですので興味のない方はスルーしてください。
画像に関しても一部使い回しです。
ご了承ください。
私のブログをご覧になっている方や私と実際にあって私のことを知っている人はご存知かと思いますが、私は愛車からもわかる通りセダンが好きです。
セダンが好きな理由は追突された時の安全性や車の基本の形であること、静粛性が高いなどいろいろとありますが、中でも私は静粛性の高いセダン、いわゆる高級車と呼ばれる類が好きです。
職業柄マイクロバスから軽自動車まで多くの車に乗りますが静粛性の高い車はやはり疲れの度合いが違います。(疲れ方に関しては長くなりますので機会があれば後日)
中でもクラウンはご存知の通り私の大好きな車で、私が400万クラスのセダンに乗るとき、言わば高級車の基準となる車です。
クラウンとはご存知の通り日本を代表とする高級セダン。1955年の初代誕生から2018年現在まで60年以上日本人にとってなじみの深い伝統ある高級車です。
クラウンは多くのアイデンティティがありますがその一つに「静粛性」の高さがあり、クラウンは歴代のカタログにも書かれている通り、静粛性には並みならぬこだわりを持ち、初代から9代目までロードノイズに対して有利なフレームが長く用いられていたのはみなさんご存知の通り。
フレームクラウンの乗り味は重厚でロードノイズの抑え方に関しては30年以上前の7代目120系クラウンでも現代のレベルから見ても遜色ないものです。
前置きが長くなりましたが今回のテーマは静粛性の質と各部の設えの話です。
静粛性それは高級車の一つの基準となる物。
現在、販売されている国産車においてはハイブリッド化やボディーの高剛性化、アイドリングストップ、アクティブノイズコントロールなどの採用など技術の向上により20年ほど前の同クラスと比較しても高い水準だと思っております。
ここで静粛性の質の話になるとクラウンが大切にしてきた静粛性、それはロードノイズエンジン音などを大量の吸遮音材を用いて遮断することによって確保されてきたものでした。
事実17クラウンマジェスタは1UZという元の素材が良いのもありますがエンジン音の遮音に関してはかなりの物でアイドリング時や巡航時も遠くでエンジンが囁いているようなものです。
ロードノイズも同様、多くの吸遮音材で遮断され無音ではありませんが乗員が不快に思う音をシャットアウトしています。
現行220系クラウンも同様ですがこちらの静かさはHVモデルを始めターボ車も停車時はアイドリングストップ言わばエンジンが停車しているので無音です。巡航時もモーターで走行する割合が多いのでほぼエンジンは止まったまま。仮にエンジンが掛かったとしてもロードノイズ同様にアクティブノイズコントロールで人間が不快に思う音を打ち消す。
旧来の高級車とは条件が随分と違いますがともに静粛性は高いことに違いはありません。
しかし、17クラウンと220クラウンを乗り比べると同じ高い静粛性でも現行220クラウンは心地よい静かさとはまた違ったものに感じるのです。
私なりに大げさに言うと17クラウンは心地よい静けさ、220クラウンは言わば無機質な静かさ。
17クラウンはアイドリングストップなどは装備されませんのでアイドリング時も微かにエンジン音が聞こえます。対する現行はエンジンが完全に停止し無音状態。
かつてクラウンのCMに
一つの音の余韻の中に身を委ねている時、私たちは音のない世界以上に静かさを感じます
とあるように無音状態よりもある程度微かに音が聞こえる方が心地よいのです。
静粛性の高いクラウンは外部からの音も上手に遮断されますのでそこにエンジンまで停止してしまうと夜の田舎道ですと耳なりが聞こえるくらい、言わば気持ちが悪いくらい静かなのです。
また、搭載されるエンジンから来る音の質感。
3.5以外は直4となった今、静粛性は確保されていても聞こえてくるサウンドは心地よい音とは言えず、官能性とは無縁の音。
私がここで言いたいのは静粛性は高級車にとって重要な物ですが音というものを完璧に遮断し消し去るのは心地の良いものではなく、音の質が上質さを左右するという事。
パワーシート、ステアリングチルトのモーター、空調のブロアファンなどの装備品の音も同様。
わかりやすいのがセンチュリーです。
ほぼ無音のような静かさですが完璧に無音ではなくキャビンが多くの物に包まれている感覚、すべてのNVHが心地よい音にチューニングされている。
セルシオ、マジェスタ然り、大排気量のマルチシリンダーを搭載した嘗ての高級車は音のバランスが良いのです。
続いて設えの話。
場所は違いますがそれぞれのドアトリム

220系
17系
双方見比べてみると現行に比べて17系は圧倒的に質感が高いです。13,14系などに比べるとばらしたときのしっかり感は劣りますが17クラウンのドアトリムは歴代クラウンの中でもデザイン性と質感がクラウンという名前に相応しい物で手に触れるところはすべて柔らかな素材で硬質な素材はドアのメッキハンドルのみです。
スピーカ―グリルは布で覆われ、つま先で傷が付きやすい下部にはカーペット生地が張られています。
フロントツィーターグリルも布で覆われています。
現在はクラウンはおろかレクサスでもツィーター部に布を張ってある車なんてありませんよ。
シートも同じ布張りでも17現役当時はまだまだ、クラウンの世界ではモケットシートが主流でレザーシートを選択しなくともこの上質さ。
対する現行はレザーシートを選択しなければベースグレード感があるほど。
レザーシートが好みでない人間からするとファブリックでも手を抜いて欲しくない。
シートバックポケットなんか比べるまでもないです。
インパネも然り17系は全体がソフトパットで覆われ、硬質な素材の方が少ないです。
ナビ回り各部スイッチも現行クラウン含め最近の車はエアコン操作などをモニターパネルで行いますが操作性に難があるのと、スイッチを押した感覚がなく嘗ての高級車のようにスイッチを押して、この車はいい車なんだなと感じることができなくなってきてます。
現行はカチッという感じ、17はムニュッという感じと言えばいいかな。
パーキングブレーキの解除の一つ取っても軽く重厚感がないんです。チルトステアリングのモーター音も同様で滑らかさがない。
各種安全装備の有無はありますがこの二台の価格は若干現行が高い位。
まとめに入ると、過去のブログに書いた事と重複するかもしれませんが、高級車とはただ単に性能がよく、静かなだけのものではなく設えも重要であるということ。
車好きとして、現行クラウンは車としての資質は素晴らしいと思っています。
しかし、私がクラウンの記事を書く度に言っていますが内装の設えで損をしている。
実際に買わねー奴が偉そうにと思われる方もいらっしゃると思いますが、現行クラウンの内装に500万はね…
500万払えば欧州車への選択も視野に入ります。
トヨタは今回クラウンをニュルブルクリンクで鍛え走りに関しては欧州勢に負けない車に仕上げたのでしょうが内装は雲泥の差ですよ…
ドアのヒンジカバーが削られたのは流石に呆れました。
トヨタは欧州車に顧客が流失するのを防ぐためにクラウンの伝統をZEROクラウンでリセットし新生クラウンを作り上げましたがこのクラスを購入する層は目が肥えてます。
同じ値段を払うならば設えの良い方へ行くのは当たり前です。
トヨタさん、レクサスとの棲み分けが難しいかもしれませんが、一度クラウンの内装クオリティーをもう一度上げてみてください。
セルシオ、レクサスほど上げなくてもせめてZEROクラウン位の仕立てに戻してください。
きっと、欧州車に流れたクラウンの顧客が少なからず戻ってきますよ…
内装以外の走りの部分は新型クラウンも負けてはいないので…
高級車とは他の一般車とは異なった高性能さ、上質さを提供してくれるから高級車なのであって決して価格が高いから高級車ではないのです。
欧州勢とクラウンなど国産高級車を比べる際に国産高級車の魅力は欧州プレミアムセダンに比べ温かみがある事だと思っています。
なんでも欧州基準にする必要はないんですよ。
クラウンなど代々乗り継ぐお客が多い車は旧型を所有している人が乗り換えたくなるような車でなくてはならないはず、モデルチェンジで商品力が低下してはならないのです。
クラウンは走りは素晴らしくなってきていますが、内装の質感に関しては旧型のオーナーが自慢できるくらいです。
今回書いた事は高級車としては当たり前の事ばかりですがサウンド、触感など人間の五感に働きかける部分、かつてクラウンが得意としてきた温もりが欠けてきていると20年前のマジェスタを乗って思いました。